Peanut scale.....fly above the rest!

伝説のピーナッツ・スケール
原始的?もしかしてハイテク?な、ゴム動力スケールモデル

Mauboussin Hemiptere Type40 (9)

2014-02-26 | PEANUT SCALE MODELS

紙は白、裏側から白パステル加工と決めたまでは良いのですが、その他の部分をどうするか? 先ずは機体ナンバーや垂直尾翼に描かれたロゴやマーキングを調べます。
ネット上では数種類の写真を見つけることが出来ますが、鮮明なものはなかなか見つかりません。そこで年末にメールでビル・ハンナンさんにお願いしておきました。

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すると大晦日除夜の鐘が鳴る頃どっさり資料が送られてきました。その中で一番気になっていた垂直の文字の色に関しては「すべて赤」であるとのことでして、この機体の母国フランス経由で連絡がありました。そしてモノクロではありますが鮮明な核心部分の写真を頂きました。

これで鬼に金棒・・・製作図面上のレタリングやマーキングはすべて細味ですので、実機同様の文字を「イラレ」で描くことにします。

20140212b

その数日後、今度は計器板の鮮明なイラストが追加され、このまま投げ出す訳にはいかなくなり、いささかプレッシャーを感じながらお正月休みに作業をする予定でしたが・・・・

見事外遊びに熱中してまったく手つかず、そして取りかかったのは1月も終わりかけた頃。

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コックピットは肝心な部分にゴムが通過するんですネ、そして計器板の中心にある大きなメーターは苦労して作ったのにもしかして無理かも・・・・

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しかし何もしないわけにも行かず・・・

使えるのか?この計器板、記念に「拡大永久保存」としました。

20140212g

写真を元に文字の太さ、位置、ピッチが決まったら前縁部分の赤ストライプを追加してデータを作成します。胴体も同じ様にナンバーを入れたましたが、胴体上部の曲面に直線のストライプを貼るのは面倒ですから別紙で貼りつける事にします。コピー紙に印刷してサイズや色の確認が終わったらイーザ本番、シュリンクした後ドープ処理をしてサンディングまで終わった紙に印刷をします。

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印刷終了後、慎重に剥がして裏側からパステル処理をします。純粋な紙の白よりも幾分白っぽくなりました。

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ここで問題発生、胴体側板の文字がどうしても「くっきり」とは行きません。数枚試刷りしましたが思ったほど美しくありません。そこで白の紙貼り終了後に赤い紙を切り抜いて貼ることにしました。全体を見ればデジタル処理ですが、部分的には昔ながらのアナログ手法で進めます。

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赤のストライプは胴体上面で2ピースをつなぎ合わせます。

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ナンバーは1枚ずつ貼り込みます。上部のみ固定しておき、そのあと全体に糊をしみ込ませて貼りつけます。

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胴体上部はクセモノで収縮の少ない紙ではどうしてもシワが出ます。結局8ピースに分けて貼りつけました。

紙貼りはスプレーボンドとアクアピットの超ハイブリット?部分的に水分はなるべく含ませないように作業します。裏側からパステル処理してありますのでスプレーボンドの貼り付きもイマイチなのですが、これが以外と位置あわせには便利?所定の位置に貼り終えたら端部の処理は薄めたアクアピットを筆にしみ込ませて貼りつけて行きます。

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最後の仕上げにアルコールと水を混ぜたスプレーで締めますが無理なチカラが掛かってませんから胴体のへこみや翼のネジレも今のところ起きていません。裏側jからのパステル仕上げはアクリル白塗装に比べれば隠蔽率は低いのですが、うっすら透けて見えるバルサが機体を軽く見せてますよ・・・と解釈しておきましょう。

数日後、水平尾翼の材料がひ弱なのと翼端に補強を入れる事を忘れたため垂直取り付け部分の両翼端リブが波打ってました。このままでも垂直貼り付けちゃえば何とかごまかせますが、気になり出したらもうダメ!一緒にお風呂に入って綺麗に剥がし再度貼り直す事になってしまいました。

ハンナンさんから「完成したか?」のメールが届く前にこちらから写真を送る予定だったのに・・・今回も失速しちゃいました!

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Enrique Magic! Magnificent spoke wheel

2014-02-01 | PEANUT SCALE MODELS

「テルアビブの風」 アドレナリン逆流・・・

古典機やW.W.1機を作る上でどうしても必要になるスポーク・ホィール、今回はエンリケ・マルツさんが製作したホィールを紹介します。彼は数年前からこのプロジェクトを立ち上げ、数多くの試作を繰り返して来ました。送られてくる写真を見るとその完成度は日増しに良くなって行き、近い将来いやもう既に完成の域に達しているのかもしれません。

過去にマスプロダクションでは数種類の完成ホィールを購入することが出来ましたが、その中でも秀逸なのはフルトン・ハンガーフォード製で、出来映えや強度や重量などどれをとっても素晴らしいものでした。製品としては既に絶版となってしまったのですが、そのホィールの出来映えを目標に少しでも軽くすること、そして好みのサイズを作ることが彼の情熱をかき立てた様で、最終形となって出来上がったホィールは製品価値としても十分通用するものに仕上がっています。

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軽量化した場合には当然その強度が問題となってきます。ステンレスやピアノ線のスポークを使うラジコン機に使われるような製品を除き、強度を保持するにはタイヤとリム部分の素材に関わって来ます。この部分にレジンを使い表面の仕上げを完璧なものにしたセーヤーさんのホィールは一時期ペック・ポリマー社から販売されていました。恐らくこれは製品としての完成度では一番だったと思います。しかしレジンの変形や重量の問題、そして製作にかなりの時間が必要となりセーヤーさん本人ともお話ししましたが、バックヤードで数種類のサイズを大量生産をするには大変な作業で残念ながら製作を中止されてしまいました。

その後タイヤとリムの部分にハンガーフォード製と同じバルサを使ったアラン・コーヘンさんのホィールが発売されています。このホィールも完成度は高く、現在も塗装前の生地完製品と完成品が販売されています。バルサを使った場合、どうしても表面仕上げの行程で作業が難しく、またバルサ素材の均一性が保てないので強度や重量のバラツキが出てしまいます。

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そこでエンリケさんはこの部分に軽量な発泡スチレンシートを使い、ギリギリの強度を保って軽くすることが出来ないか試作が始まりました。

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最初目にした塗装前のホィールは驚くほど軽く仕上がっていましたが、少しばかりひ弱な感じがしました。しかし軽量機に使用するのであれば必要かつ充分な強度であること、そして塗装の問題をクリアーすればハンガーフォード製の約半分の重さのホィールを作ることが出来るという事実でした。飛行性能にはまったく寄与しない、どちらかといえば足を引っ張るスケール機のタイヤなんて少しでも軽いに越したことはありませんから、これを使わない理由もありません。

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「このホィール、きっと欲しがる人がいると思うよ。いっぱい作って売り出したら?」
「ボクが作るからキミが売れ!」

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しかしですね、このホィールだって1ペアー作るのにかなりの労力と時間が必要な事はわかっていますよ、僕達にそんな時間がありますかネ?

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私が悩んでいた黒と銀色の塗り分けを彼は驚くトリックで解決しました!

おめでとうエンリケさん・・・おひとつ下さい!

Comments (3)
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