Peanut scale.....fly above the rest!

伝説のピーナッツ・スケール
原始的?もしかしてハイテク?な、ゴム動力スケールモデル

Glenny and Henderson "GADFLY"  No.5

2020-04-17 | PEANUT SCALE MODELS

「ここまでのお仕事でなんとか完成する下地みたいなものは出来ましたから、ここからは細かなパーツと組み立てに入ることにします、色々訳あってちょっと先になりそうですが。」・・・なんて前回締めておりましたギャドフライの続きです。

悪い予感は的中しました!「訳」あったのはシリンダーです。機体を構成するパーツが出来上がって組み立てる状態になった時、重心位置がどのあたりに来るのかはおぼろげに分かってきます。この機体の胴体や尾翼の重さに対してノーズに取り付くエンジンが豪華過ぎないか(重すぎない)?という一抹の不安でありました。普通色々なパーツを作るときにはおおよその順序が存在します。主翼から始める人、胴体から始める人、最初に細かな部品から始める人それぞれです。

こうやって木地完となった後、紙を貼り塗装したらいよいよ組み立てるわけですが、世の中色んな人がいます。最初に主尾翼と胴体すべてを組み付けてから紙を貼り、その紙貼りも全て終わっていないのに部分的に塗装に入る。これなんか絶対真似の出来ない工法です。形状からどうしても翼と胴体を合体させてから紙を貼らなくちゃいけない機体も中にはあります。そんな特殊な機体を除いて私の中では4つのパーツに分割した状態で完成させ、それを最終的に組み合わせるのがスタンダードになっています。胴体お化粧中に主翼を壊さないとか、尾翼を引っ掛けて折らないとか、張線作業以外は胴体、主翼、尾翼を完全に仕上げてからノーズ・ソケット&プロペラを組み立てています。もちろんノーズ・ソケットにエンジンがついていればその時点で製作します。重心位置がどのあたりに来るのかを考えながらノーズやテールに付く細かなパーツの重さを考えながら進めます。

しかしです。今回はなぜかシリンダーの部分だけ独走して他の機体と一緒に作ってしまいました。それなりに凝って作り始めたシリンダーにつられて同じように作ってしまったのが失敗でした。もちろん機体を組み上げて最後にシリンダーを取り付け、そこでやっぱり「ど・ノーズヘビー」となった時、少し目を瞑ってテールにバラストを付けることだって出来ますし、どんどんゴムを積んだ時には、意外とベストな状態になることだってたまにはあります。

しかしです。この機体では重心がほぼ前縁あたりに来る予感・・・これはいかにプロヘラを軽く仕上げても(この時点ではプロペラは付いていません)、これ以上重心は前に来ることになりかなりブルーになってきます。で、あるならしてこの際ちょっと時間を置いてなにか良い方法が思い浮かばないかここまで来て放置状態となっていました。

「そんなもん、クソ重いシリンダー作り変えれば済むことだろう!」というお告が正論なんですが、せっかく出来上っていたエンジン部分をばらすことはしたくないし、ましてや作り直したシリンダーがやっぱり同じ重さだったりしたらもう笑うしかない。このまま無かった事にしてしまおう・・・

それでもちょっと時間も出来たし、紙粘土でサンプル作ってみようかという気分になるまでかなりの時間が経過しました。
せっかくですから壊す前のシリンダーをブロックに取り付ける作業から。







3個も必要ないけど雰囲気を見るため出来ちゃった水平対向エンジンの中央部分。中をえぐることになるのでその強度も含めてバルサを変えています。







必要なサイズだけ試しに塗装してみる・・・ このやや煤けた雰囲気が機体に合いそう、中央のブロックはちょっと明る過ぎかも。







片側だけ仮付けして「感じ」を見てみる。ブロックはこれくらい明るくても別におかしくないし、実機のエンジンとかもこれくらいのコントラスト、もう少し白っぽくても良い感じ。







シリンダーの長さもフィンを1枚1枚削って調整しながら取り付ければ良かったのに、ブロックに差し込んで調整してます。







両方のシリンダーを仮付けしてみました。いやもうズッシリ来てます!このあたりでノーズ・ヘビーの予感が現実のものとなっていく・・・







それでもひとまず追加のパーツを取り付けて完成したことにして。







ノーズ・ソケットとそれ以外の重さが同じ程度の感覚、出来ることなら単気筒?にしたいぐらい。







雰囲気は上々なんだけど気分は晴れないしどーする?もう翼を取り付ける前に結果は出てます。







でもやっぱり翼を取り付けて現実を直視してみる。この機体の完成重量が8グラム程度なら全く問題とはならないと思うけど、小ぶりな胴体と尾翼のおかげで6グラムあたりを狙っていたのでテールに「お土産」は積みたくない。







そして後戻り出来ないように片側のシリンダーをバッサリとカッターで切る!
リューターで中抜きしてあるんですけどネ、フィンに使ったサンディング・ペーパーと間に挟んだボール紙に瞬間が染み込んだせいで頑丈には出来たけどやはり重いんですね!







完成したエンジンを遠目に見て泣きながら紙粘土製のシリンダーを作る。ヘッドの黒いのは指で抑えたりしても変形しないように少し厚めの包装紙。紙粘土製のシリンダー・フィンはひ弱ですから指で押さえただけで変形します。







ここは竹ひごと金属のスプリング使っていたのを止めて、モーターペグ用のパイプと糸のようなプラスティック製ライン。巻いて瞬間つけてから切り取る。







これもヘッドに付いていたアルミ製のパーツ。なんとか軽くならないか代替品を物色するも紙じゃ無理、結局半分まで薄くして使うことに。
4枚をスケールに載せても動かない!ってことは重さゼロ? そんなバカな・・・







コイル・スプリングの位置決め用に同じくプラ棒の太いものを。突き刺す部分が無いイモ付けじゃ飛行中壁に当たったり指先で持つといつの間にか何処かに消えている。







同じようなシリンダーが完成、フィンの美しさは二流品です。







すべてのパーツを取り付けてみます。ちょっと間延びした感じだけどそんなに悪くない。
そんなことより本当に軽くなってるの?







「まあ、間違いなく前作よりは宜しいと思います。」とか言ってないで測れよ! でもそれが同じだったら不安なんで今は出来ない。







色を塗ってみました。これも薄めにという訳には行きませんが白が見えなくなるところでストップします。







性質上薄いフィンの部分に紙粘土がきれいに入り込まないのかサークル・カッター切り抜いた前作と比べるとネ。







前作のシリンダー部分。ヘッドのパーツはそのままでこんな感じ。







そして新しいエンジンにプラグとコードを付けたもの、ダイエットの成果は出てます。







そして最後にソケット完成写真。まだ中央のブロックは中抜きしてません。







結局ソケット全体で約半分の重さになりました。この状態で重心を測ってみると若干テール・ヘビー。

プロペラ取り付けてゴム積んだら・・・  

うーん、バラ色の未来が少し見えて来たぞ!







そしてプロペラを仮付けしてみました、もうこれ以上重くなることもありません。




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