Peanut scale.....fly above the rest!

伝説のピーナッツ・スケール
原始的?もしかしてハイテク?な、ゴム動力スケールモデル

Wright "L" Light Scout No.5

2020-09-28 | PEANUT SCALE MODELS

一番面倒な複葉機の主翼取付作業


「上翼の迎え角が何度で下翼が何度・・・」 図面を見ると時々そんな情報が書き込まれています。


図面上の基準線に対しての角度なんでしょうが、同じように書かれているプロペラのダウン&サイドスラストや水平尾翼の取付角などをすべて正確に設定し、なおかつ重心位置も図面通りの場所にして飛行させたとしたら・・・
どんなピーナッツでも間違いなく飛ぶ! 訳がありません。実際に機体が飛行している時にその決められた角度で飛行するなんてことは間違っても無いでしょう。
細いバルサと紙で出来た機体が何処までも正確に作られているとしても、僅かな湿度の違いで捩れてしまう翼やプロペラスラストの微妙なズレとかで限りなく調整された機体だとしても、この少しの誤差がその飛行パターンに影響を与えます。もちろん機体の形態や性格によって敏感な機体と鈍感な機体はありますが、どちらにしてもその影響は受けることになります。

複葉の主翼取り付け角度にしても、そこに記載されている角度で飛行することはあり得ません。2枚の翼の前縁と後縁の間隔が同じなのか、それとも前縁側が狭くなっているのか、もしくは広くなっているのか。トーイン、トーアウトの状態を示しているものだと解釈しています。

良く聞く話としては「下翼の迎え角を多くつける方が安定して飛行する」とか「同じ角度で胴体に取り付ければ問題ない」とか聞きますが、私には1機の機体を同じ条件で上翼と下翼の角度を変えながらその飛行の変化を調べるテストした経験はありません。単純に「2枚の翼の前を広くするか狭くするか、それとも一緒にするか?」で機体の飛行性能が大きく変わるとなれば、何処かにそんな資料が出てきても良いように思います。それともそんなのは迷信で少しでも翼端が捻っていれば消し飛ぶような話としてだれも相手にしていないものなのか・・・







前置きはこれくらいにして、図面上の取り付け角度をトレースしたコピー紙バルサに貼りつけ、それを使って支柱の長さを決めます。もちろん前縁側に使うものと後縁側に使うものとでは微妙に長さが違います。支柱の先端には0.3mmのピアノ線を差し込んで瞬間を流してあります。
これで支柱を正確に指定された位置に差し込めば2枚の翼の角度はこのプレートと同じになるはずです。







しかしこれは理想論で少しばかりの誤差は必ず出てくることはわかっています、理想は理想としてこの単純な方法で取り付けます。ま、1枚じゃ大変なんで「気は心」でプレートは2枚作ってあります。
至れり尽くせりの大掛かりな治具を作ることはしません・・・それを使って完成した機体が飛ばなかったらあなた!







下翼を胴体にズリズリ差し込んでみます。胴体と下翼の取り付け角度は変えようがありません! 図面を信じるだけの話であります。







最初の2本を立ててみます。こんな感じか? 
瞬間流す度胸はまだありません、リブに差し込んで薄口「グルーイット」で仮止めしてます。







反対側から眺めてみるとこんな感じ。

「おい!操縦士、邪魔だから降りろ!」 
「心配ですから見てます、飛ぶのは私ですから!」







そして2枚のプレートを使って4本を仮止めしますが、安易な感じは否めません。
でもこれ以上どうすれば良いのか。







最初の2本が自立出来るまでになりました。これって上の翼が横揺れしたら?張線だけで大丈夫?だって私の使ってる張線、ゴムなんですが!
現状ではユラユラユラ・・・







兎に角先に進めませんから立ててみます。接点は0.3mmのピアノ線と1mmのソフトバルサだけですから。







全部おっ立てました。壮観! とか言ってる場合じゃなくて、早く上翼乗せないと・・・
位置決めを正確にするため、一番胴体寄りの支柱4本には胴体との隙間に竹ひごで仮固定してあります。今の所これで横揺れすることはありません。







そしていよいよ上翼を乗せます。もちろんピンバイスで上翼裏側に開けた穴は数知れず!微調整しながら支柱が傾かないよう・・・







乗っけてしまえばどーってことありません。間違いなければ超薄口瞬間を流します。
これでなんとか複葉機の雰囲気は伝わって来ます、しかもかなりのボリュームです。







もう手に引っ掛けて壊さないうちに張線だけでも張っちゃいます。パンスト用の細いゴムですから引っ張り具合は慎重に。







一筆書きみたいに1本で終わってしまいたいのですが、そうは問屋がおろさない!
ここまで翼を取り付けて、「上翼の取り付け角度はもう少し多いほうが良いよ」とか言われても変える気は起きません。







ラジエターも付けちゃいます。







面倒なノーズソケットに必要なルーバーみたいなやつ(悪者扱い)!
サインペンで書いちゃえば良いんですが、どんどん太くなって笑いものになりそうで。
黒い紙を切ってそれを貼って行きます。







もうひとつ、支柱についているこの難解な物体。調べたら「Angle of incidence indicator」なんですね。正確な資料は無く、ライト航空機に使われている同型のもののイラストを発見したのでそれをコピーしました。







最後に残った問題児?も無事に完成しました。







もう無いよね何も?





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Wright "L" Light Scout No.4

2020-09-14 | PEANUT SCALE MODELS


軽量なバルサを使ってちょっと冒険したら、紙を貼る時その「恩返し?」が必ずあります・・・

弱そうねココ!って所は慎重に、でも諦めて補強することも大切ですね、人生において・・・






プレシュリンクした紙の目を考えて今回は尾翼から。まあ、練習問題みたいなもんですが、ここで「正解」が出ないときも多々あります、久しぶりに紙貼りすると正解率は限りなく低いんです。ですから同じ作業して感覚をつかむまでなんと時間のかかること!
それでも不思議と糊の濃さや紙の引張り具合なんかは蘇って来るもんです。ここでバルサを折ったりしないよう慎重に危ない橋を渡ればバラ色の世界は見えてきます。







ちょっとシワが出来たからと引っ張り過ぎると今度は裏側にシワが出来ます、両面完璧と思っているとバルサが曲がっていたりします、ですから引っ張ることもあれば緩めることもあります。きれいに貼れている方を緩めるなんてと思いますが裏側のシワが消えることだってあります。







尾翼で練習したら今度は胴体です。何処と言って難しい箇所も無く無難に進めます。
時々質問があります、「ねえ、どーしていつも切るのあんなふうに?」「なんでかわかりませんが、そのぉ、まあ貼りやすいんでしょうね。余計なところを引っ張り過ぎないようにでしょうか。」 答えになっていますでしょうか。







十分経験を積んだら?主翼!行きます!
どちらかと言えば一番力を入れてはいけない貼り方が必要なところですね。引っ張れば引っ張るほどシワを消すことは出来ますが、その恩返しは必ずやってきます、時には最悪のカタチで・・・







「ユルユル」を基本に貼ります。「捻り下げ」を付けたり、後縁の曲がりを修正をしたり、色々やってると不思議と数日経てば程々にきれいな仕上がりになっています。最初からバッチリ貼れちゃうと後々問題が出てくることよくあります。







「主翼は1週間かけて貼る」くらいの気分でいつもやってますが、貼り終わった後にいろんな修正とかしてると結局それくらいになったりします。







一番気持ちの良い瞬間、余分な紙の切り取り作業!簡単そうですが必ず何処かで失敗します!
この作業、塗装する場合は一番最後になりますが、今回は裏面チョークで済ませましたので早々に。







そして主翼は大きな問題も起きず無事に終了、翼端1.2mmの捻り下げと支柱を取り付けるリブは全面糊付けします、全面と言っても上翼は下面、下翼は上面だけですが。







紙に引っ張られてリブが波打つことがありますが、なんとか持ちこたえております、糊付けしちゃえばそんな問題は起きないのですが。







影の広いリブに支柱を取り付けます、6箇所x2本で12本!
前縁、後縁のラフな所はタミヤのサンディング・スポンジ1000番で「肌触り」を良くしておきます、触った時の感覚が違います。







ひとまず紙貼りが終わったら数少ない小物を作ります、至って簡単ではありますがだからと言って手を抜かず。







胴体側面のラジエターですが詳細が良くわかりません、「空想の世界」が紛れ込んでいます。







こんな感じで・・・それにしても排気パイプ6本並べるのに神経使うんですね、美しく並ばない、並べられない!







日雇いのパイロットにも乗ってもらいます。着座姿勢はこんな感じ?ステアリングがデカくない?色々注文付けてくれます。一緒に足回りも取り付けます、ショックを何処で吸収するか?まだ考えていません。







マフラー巻いて遊んでる場合じゃない! けど、こんな時間が楽しい。







こんな細かいお仕事は最近好きになれませんけど、まあ必要最小限がんばります。







そして、とうとうやってきました緊張の瞬間・・・さぁーどーする。


やるしかないでしょ!



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