函館の夏の夜を彩る市民創作“函館野外劇”「星の城 明日に輝け」...。一昨年まで水舞台を設置し公演を続けていたが特別史跡・五稜郭跡石垣の崩落を受け、昨年は五稜郭タワーで日中ダイジェスト版として公演だったので、今年は2年ぶりの夜の野外での公演...
しかし、会場は五稜郭公園入り口前の広場での公演とあって、客席もパイプ椅子で作られた約300席...。ほぼ満席に埋められた会場で、縄文時代から幕末、明治維新へと続く函館の歴史絵巻を臨場感タップリに伝える...。
西の空も闇に包まれると進行役の「コロポックル」が舞台の袖から現れ、コロポックルたちの「星のまちHakodate」の大合唱とともに舞台を照らすレザー光線の怪しい動きは幻想的な光景を醸し出す...。
手作りのスクリーンが目の前に現れると、ヤマタカの屋号を帆に掲げた北前船が映しだされ豪商・高田屋嘉兵衛が橋の上を歩いてステージに...。箱館を港町としての歴史を作り出す場面を演ずる。
アメリカから黒船とともに来た「ペリー提督」...。その後、開港を求めてイギリス、ロシア、フランス、中国など世界各国から次々と箱館に集まり、箱館は一躍国際都市となっていく場面は、華やかなフラックダンスで盛り上げる...。
箱館を守るべく「武田斐三郎」が7年の月日をかけ築かれた、西洋式築城五稜郭...、しかし、この五稜郭を有名にしたのは後の箱館戦争....。榎本武揚率いる旧幕府軍は、ここを拠点に新政府軍と戦う。新撰組土方歳三もこれに参戦し、大きな戦果をあげるが、新政府軍の弾に倒れた...。活動弁士語る戦いの経過と結末...、客席の目の前で繰り広げられるクライマックスの殺陣は迫力があり見応えがある...。
フィナーレは出演者全員が舞台に揃い「星のまちHakodate」の大合唱。観客席もペンライトをかざし、舞台と観客席が一つになって感動を分かち合うとともに、この大合唱は、函館がいつまでも光り輝いてほしいと願いを込めて唄われている......。
確かに今回の“函館野外劇”、水舞台や内堀が使えず船などを使った特色ある演出ができずに今ひとつ迫力に欠ける面は否めなかったが、照明や音響をふんだんに使い手作りながらスクリーンに映し出す演出や観客席の目の前が舞台ということもあって、殺陣のシーンは出演者の息遣いを感じ取れるほどで、観客も一緒に戦っている気分にさせられる...。
これまで29年間続けられ、国内最大級といわせた野外劇、しかもすべてが市民ボランティアで運営されている。これは函館の誇りでもあり財産だ。しかし、“函館野外劇”は来年以降も実施できるかまだ不透明だというが、是非水舞台を復活させていつまでも引き継がれてほしい...。ちなみに、この“函館野外劇”は次回8月6日の夜公演と7日の昼公演で、今年の公演は終わる...。
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