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企業再生を考える7

2010年08月19日 | Weblog
リストラクチャリング

 所謂「リストラ」と聞くと、一般には「人員整理」を思い浮かべる。もっとも「リストラされた中高年・・・」などとテレビのアナウンサーも用いており、「リストラ」と略した場合人員整理の意が定着しているようだ。

 昔から企業は業績が思わしくなってくると「リストラ」と称して、希望退職を募るなど人減らしを行ってきた。これは企業の宿痾みたいなもので、発展段階で抱え込んだ従業員を、景気の悪化で衰退した事業からの撤退等のため、大なり小なりこれを繰り返してきた。

 企業は、業績がいいと蓄えられたキャッシュに必要ならば借入金も加えて、生産設備を増設したり新たに出店し、また新規事業に進出するなど、所謂投資を行う。企業にとってはキャッシュを潤沢に持っていることは必ずしも褒められたことではない。稼いだお金でさらに稼がねばならないのが企業の宿命で、儲かっている企業にはたとえ中小企業でも銀行の担当者が付いてまわる。新規投資先を一緒に見つけましょうというわけだ。

 新たな投資は雇用を生み出す。食い扶持が増える。1950年(昭和25年)約8000万人だった我が国の人口は、1970年(昭和45年)1億人を超え、現在約1億2700万人*10)。戦後の高度経済成長がもたらした賄い口の大幅な増加による。現在人口は減り始めたそうな。国内産業はすでに飽和して、今以上には人口を賄いきれなくなってきたのだ。多くの分野で画期的な技術革新が起これば別だ。

 話を戻して、「リストラ」とは人員整理も方策として含むけれど、当然にそれが全てではない。ものの本には、「リストラクチャリングとは事業の再構築のことで、現在の事業活動を振り返り、新たな発展のためには何をしなくてはならないかを検討することである」とある。そして「リストラ」には「業務リストラ」、「事業リストラ」そして「財務リストラ」と3つのリストラがある。この辺まで話が進むと少し専門的になり、企業再生を考えるという主題にも沿ったものになってくる。次回以降に、企業再生に絡めて3つのリストラについて考えてみたいと思う。




*10)総務省統計局資料から引用

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