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この頃気になることなど第14回

2012年07月10日 | Weblog
夢の尖閣諸島

 今年4月石原東京都知事が、私有島である尖閣諸島の主要3島を東京都が買い上げる計画であると発表した。勿論、東京都議会の承認などの手続きが必要なこと、買い取り価格決定のための現地調査や資金調達も必要であり、知事の一声だけで可能となることではないようだ。しかも中国が領有権を主張していることから、中国を刺激するなという反対意見も出てくる。

 しかし、中国の領有権には全く根拠はなく、周辺に豊富な資源が眠ることが分かった1970年以降になって急に主張を始めたことだとは誰もが知るところである。購入資金については短期間に13億円を超える(7月5日現在)巨額の寄付が集まった。ネットの賛否投票では95%が賛成である。民意はすでに石原知事にあり、野田政権も協力せざるを得ない*9)し、東京都議会も一部の反対者は出るだろうが、否決はないであろう。

 では、なぜこの時期に東京都が買い取りなのか。現在尖閣諸島は個人が所有する無人島であるが、中国のごり押しがあるためか、国が賃借料を払って管理している状態(立入禁止)であるそうな。ところが最近中国が「尖閣諸島は譲れない中国の核心的利益」だと主張をエスカレートさせてきた。万一、中国人民軍やその工作部隊が島に上陸してきた場合、個人ではあまりに弱体である。所有者は過去に、私有地を強制接収されたことがあることから国に不信感が強い。そこで石原さんの東京都へならということになったらしい。東京都が買い上げた後、国に譲渡すれば1件落着である。石原都知事も東京都の保有に拘っているわけではないようだ。

 中国からすれば、所有者が誰であろうが、日米同盟さえ揺らげば、武力ででも取りに来る気配があり、その危機感が国民の間にも浸透している結果が、ネットの賛否投票結果や多額の寄付金に表れている。

 しかし、東京都や国が所有した場合の有効活用の方法も問題である。現状のままでは事態は好転しない。

 尖閣諸島の中で一番大きな魚釣島は周囲11km、面積は3.8km2(380ヘクタール)とある。沖縄普天間基地飛行場は480ヘクタール。ほとんどは私有地で3,031人の地権者に年間65億円余りが支払われているそうだ。普天間基地は市街地に隣接するため、その移転が長年の課題であるが、ご存じのような経緯で全く進んでいない。

 そこでだが、お金は掛り、中国好き一派の反対はあろうが、魚釣島を巨大な不沈空母に見立てて米軍基地を建設し、普天間基地の機能を移転してはと思う。そこで働く人々には申し訳ない気もするけれど。

 最上階は滑走路と管理棟、その下は格納庫、その下に商業、娯楽、文化施設を備えた兵士の居住空間、最下層すなわち元々の島は、潜水艦や空母、輸送船、日本の海上保安艇の接岸できる港や用役・発電設備、諸々の備蓄施設を置く。

 米軍兵士の家族は沖縄本島または宮古島に住まいして貰い、兵士は適宜勤務を交代する。日本の米軍基地の75%が沖縄にあり、普天間は「最低でも県外」というのもあったけれど、尖閣諸島へ移設できれば実質県外ではないか。これが実現すればオスプレイの危険性もジョット戦闘機の騒音問題も沖縄から少しではあるが減衰し、中国の脅威に備えるわが国の安全保障も維持される。

 米軍に対しては少々手前勝手の話だし、虎の威を借りてはいるが、去勢された草食男子から、そして土下座外交から立ち直るいい機会ともなるではないか。まさに夢の尖閣諸島と言う訳である。




*9)7月7日の時点で、国が買い取りを決めたようだ(当日の読売新聞夕刊による)が、却って話はややこしくなっている。

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