「知的国宝」あってもいい

2008-11-02 11:37:11 | 本の話
還暦に近くなるまで知らなかったとは!!!

こんなに美しい証明は初めて見ました。
私がいかに不勉強かの白状で恥ずかしいことですが。

関孝和の三平方の定理の証明です。
ためいきが出るほど美しい。
知的「国宝」ではないか。


日経ビジネス人文庫『「数」の日本史』で知りました。

著者は伊達宗行。物理学・数学の偉い先生です。
(仙台出身、伊達氏ですからサンドウィッチマンの
 伊達さんと繋がっているかもね。)

色々面白いのですが、ぎゅっと詰まった本ですから
読み飛ばすわけにはいきません。

じっくりと味わいつつ読んでいき、和算の関孝和が
三平方の定理を証明した図と出あいました。

本から少し長めの引用をします。叱られるかなあ?

関孝和の証明は・・
「数字や式を言わず、西洋数学のように相似とか
 合同とか説明することなく」

「図を示しているが説明文は一切ない。目で追って
 定理の正しさを理解せよ、というわけである」

「しかしこれを現代の教育現場に出したら、説明不足
 とのブーイングが起きることは必至である」

現代の手取り足取り式教育に一石を投じています。


図をコピーしてここに載せたいのですが、さすがに
お叱りを受けそうで、止めておきます。

では、言葉で説明できるか?
私の手には負えないようです。
図形の図形たるユエンですね。

本屋で立ち見して下さい。
図形に書き込んである甲乙の文字の意味が分った
その瞬間、三平方が合点されます。

他の証明がわずらわしくなるでしょう

繰り返しますがこれほど美しい三平方の証明は
他にはないでしょう。

しかも小学生でも分る。
説明は必要かも知れませんが。

一定の学力がついていれば、伊達宗行さんが言わ
れるように黙って図を示して考えさせましょう。

そうです、これが日本の「教えない教育」だった。

そうした戦前の教育で育った先達が独創的な仕事
をなし、ノーベル賞その他を勝ち取ったのです。


伝統的な教育法に光を、と言っても
「ワガコーソ、コーソー、クニヲハジムルコト・・」
と唱えよというわけではありません。

それはそれで考えましょう。
温故知新ってのもいろいろありますから。


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