はいかい

2014-11-16 14:17:18 | 塾あれこれ
祖父は早めにツレアイを亡くし、痴呆が進行したようです。

長男一家(私も含む)は広島に越していましたから
尾道で祖父を守ったのは叔父です。

「病院に閉じ込める真似はしない」私より遥かに理性派の
彼は長期間一人で見つづけたようです。

徘徊もひどかったらしい。
家財を持ちだしてはどこかに置いてくるのです。

(若いころ金持ち、高齢者ではド貧乏)という人生が
反映しているのかもしれません。

たとえば、30組はあったであろう祭礼などの
お客様用の箱膳、しっかりとした漆器だった筈ですが
中身ごといつの間にか消えていたそうです。

ご近所で小銭をばらまいた、とか
郵便局で下したお金が行方不明とか・・

叔父は自分の身にひきつけて「ああなりたくない」
嫌な予感がしていたのでしょう。


子供もハイカイしていました。

遊ぶことに飽きて「今日はエンセイしようやあ」

何人かの小学生が、ひたすら遠くまで歩くのです。
或時は北に、(尾電の線路を)
ある時は西に。「糸崎まで行けるかのお」

国道をどんどん西へ歩いてゆくとやがて道が海沿いに。
人家が途切れるところがあります。
今でもJRからはっきり見えますね。

上記写真のすぐ東です。

さすがに海沿いを車がびゅんびゅん走る国道に出ると
急に不安になり、なにしろ小3とか小4です、
もう引き返そうとなりました。

帰り路は遠い。

日がとっぷり暮れての帰宅で、叱られた。


つい先日TVだったかでとある老人の徘徊で
調べてみると結婚当初のアパートを探してるらしい

それをコメントして「若くて仕合せだったころに
戻っておられるのでしょう。徘徊老人だからといって
不幸な場合ばかりではないようです」

思わずツッコミましたね。

悪夢と同じで、探しても探してもたどり着けない
不安というものがあるんだ。
どれほど心細いか。

上記の方がそうでないことを祈るばかりです。


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