巨大戦艦、天下り、ダム建設

2009-10-02 22:30:33 | 塾あれこれ
太平洋戦争の緒戦で日本は英戦艦プリンス・オブ・
ウェールズをマレー沖で沈め大戦果をあげました。

イギリス自慢の新鋭戦艦だったのに空からの攻撃に
軍艦だけでは対抗できない、飛行機の護衛が要ると
世界中が認識したのです。

ところが空からの攻撃だけで大勝利をした当の日本海軍
の意識が変革を遂げていなかった・・

戦争末期、武蔵・大和と相次いで空から攻撃され、
あえない最期を遂げたのでした。
浮沈艦と自慢していたのに、です。

なぜプリンス・オブ・ウェールズと同様に裸で航空機の
攻撃を受けたのか。
初めてのことなら理由がいくつもあるでしょう。
自分で叩いておいて、何で??

大戦艦一隻の建造費で戦闘機が千機は作れたハズです。
防空がしっかりできれば戦争末期の空襲も様子が
違っていたかもしれませんね。

とはいえ実は武蔵も大和も真珠湾の時点ではすでに
出来上がっていたのです。
出来たものを元へは戻せません。
では、どう生かすか、これを考えるのが本来です。


高級軍人は役人です。
それで予算が付いていったん動き出した事業をとめる
ことが出来にくいのです。

作っちゃったら、それを作り始めたころの頭で引き続き
行動したのではないでしょうか。

もちろん、修正はしています。

武蔵にも防空の機関砲をあとから付け足しています。
ただ、おざなりに土嚢を積んで新設の砲座を囲んだだけ
だから実戦では見るも無残な地獄絵になったそうです。


人の命を、なんて考えることが少なかったのですが
それ以上に、本当に勝つツモリだったんだろうか・・

今まで使った予算をどうする、
関わった先輩や同僚、政治家のメンツをどうする
そういう思考しか働いていなかったのではないか。

中止や大規模の変更に大きなエネルギーが要ることを
役人自身はよく知っています。
保身のためにも見てみぬフリが一番なのですね。
どうせ自分達の金を使うわけではありません。


こう見ると、戦前の高等教育も現在のそれも
変わっていないところがありそうですね。
戦後教育だけを悪者にはできないようです。

戦争ですらそうですから、ダムのムダなんて。。

役人的発想、利権の世界から見ればオイシイだけの
世界なのです。
日本の役に立つかどうか、など本音ではどうでもよい
のでしょう。

アワレなのは、補償もつかず、税金だけを納めた
一般の国民です。


親が大人になった子供に家を建てろと言うとします。

「金はしっかり出してやる。
 ただ利益を受けるお前らも応分の負担はしろ」

子供も最後は納得して家を建て始めます。

ところが途中で決定的な問題がおきて中止せざるを
えない状況が起きてきた・・
続けてもデメリットがあまりに大きいので
親がこれ以上金は出せないと言ってきたのです。

その時、子供が親に向かい
「あんたらが悪い、おれの金を弁償しろ」と言えば
かなり出来が悪い人物ではありませんか?

自分達にも責任があるのではないか?
親の立場、周りの状況は考えないのでしょうか?

補償のお金はどこから出てくると思うのでしょう?

「ボクちゃんもキツイんだよ~」と駄々をこねるには
すこしオッサンすぎません?


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