たいめいけん

2016-07-28 17:02:57 | 塾あれこれ
東京の日本橋に「たいめいけん」というお食事処が
あります。

ここの5Fだったか、広い座敷があります。
月に一回、八代目正蔵が落語会を開いていました。
第二水曜日で、二水会という名前です。

たいめいけんに移る前は上野本牧では?

八代目が珍しい話などをたっぷりと噺します。
同時に一門若手が修業をする場でもありました。

照蔵や正雀といった、ごく若手です。
少し年上の林蔵なども出ていました。

或る時ここで『たがや』を演じた若手がいました。

後に出た正蔵が「失礼しました。」と切り出し、
「あがった、上がった・・たがや~」とやりましたが
レコードなどで手抜きして覚えようとするから
不様なことになります。

首が上がったのは、目で示し、『たがや』とやらねば
ならない。
レコードではそれが出来ないからやむをえず
「あがった」とやるのです。

師匠にこう言われちゃったのが九蔵。
田舎者が噺をする、というイメージでした。


話が少し飛びますが、八代目正蔵と六代目円生は
晩年仲たがいしてました。

円生が昭和天皇の前で噺をしたころから態度がでかく
疎遠になっていったとは正蔵の説です。

円生が真打昇進問題で楽語協会を飛びだしたのですが
ま、イチャモンをつけて自分が思うような協会を作ろう
としたようです。

正蔵の弟子、照蔵をさして、あんなに下手が真打か
と言ったのですから正蔵も怒った。
真打は修業の年月によるのが暗黙の了解だったから。

(たしかに当時は下手でした)

いろいろあって現在も円生一門は協会に戻れないのです。


彦六になって少しで正蔵も亡くなります。

そのとき、正蔵の喧嘩相手の円生一門に移ったのが
上記九蔵です。(現、好楽)

喧嘩相手へ行くか・・・