語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【食】こんなに危ない豚肉&内臓の生食 ~規制やむなし~

2015年06月23日 | 医療・保健・福祉・介護
 (1)厚生労働省は、6月12日から、生食用豚肉と内臓の販売・提供も禁止した。
 2011年、「焼肉酒家えびす」の集団食中毒事件が起きた(患者数181人、死亡者5人、うち6歳の男児2人)。これがきっかけで生食用牛の肝臓(牛のレバ刺し)が提供・販売禁止になった。
 このたび、禁止の対象が牛から豚へ広がったわけだ。
 じつは、豚レバーを提供する店が、2012年の80店から2013年には190店に増えた【厚労省調査】。牛レバーの代替物として豚レバーを提供するようになったからだ。

 (2)生の豚肉や内臓は、食中毒の危険もさりながら、E型肝炎に感染する危険性もあるのだ。
 E型肝炎に感染すると、死に至ることもある。
 それを知らずに平然と食べるのは、提供する店も問題であるにせよ、命知らずと呼ばねばならない。

 (3)厚労省は、豚肉や豚の内臓を食べる習慣は日本になかったから、あえて規制する必要性はない、と考えていた。しかし、これ以上、豚の肉や内臓を生食する習慣が広がると、犠牲者が出る危険性が高まるとして規制に踏み切った。
 「生食文化の崩壊」という意見もあるが、肉の生食文化など日本には根づいていない。
 野菜、魚、卵などは日本の生食文化と言えるが、肉や内臓を生で食べ始めたのは最近のことだ。

 (4)特にテレビの影響が大きい。マスコミは美味しさの表現を決めたがる傾向が強い。
   「柔らかい」
   「口の中に入れたらとろけてしまった」
   「噛まなくていい」
 要するに、「柔らかい=美味しい」のだ。「肉は柔らかくなくてはいけない」という思いが消費者に強くなり、行き着いた先が「生食」なのだ。

 (5)問題は、食にどんなリスクがあるのかを知らない消費者が多いことだ。リスクを伝えようとしないマスコミが多いことだ。
 そして、消費者は概して食のリスクを聞きたがらない。
 どんな食材にどんな効果があるのかを、ことさら大げさに扱うマスコミは、食のリスクになると、ことさら小さく扱う。

 (6)政治以前に、一般生活に係る報道が偏りすぎている。そのため、
   「飲食店で提供されるものに危険なものはない」
   「市場に流通しているものは、国が安全だと認めたものばかりだ」
などと勘違いする消費者が出てくる。

 (7)「食は自己責任だ。国が規制するものではない」という意見もある。実はしかし、食というものは昔から「自分の責任で食べるもの」なのだ。
 国が定めている基準は、いかなるものも、あくまで安全の目安にすぎない。「国の基準を守っているものはすべて安全だ」などという保証はない。

 (8)今の時代は、いいことばかり、耳当たりのいいことばかりしか情報提供されない。そうなればリスクを知らせる方法は規制しかない。規制が多くなることを歓迎しているわけではないにしても。
 厚労省は、ハンバーグの危険性は「業者も消費者も百も承知している」として表示規制すらやっていない。
 しかし、ハンバーグの危険性を知っている消費者は少ない。
 「ハンバーグは中まで十分加熱しなければならない」と規制しなければならない日は、そう遠くない。

□垣田達哉(消費者問題研究所代表)「規制やむなし。こんなに危ない豚肉&内臓の生食」(「週刊金曜日」2015年6月19日号)
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【詩歌】エミリー・ディキンソン「傷ついた鹿は一番高く躍り上がると」

2015年06月22日 | 詩歌
【詩歌】エミリー・ディキンソン「傷ついた鹿は一番高く躍り上がると」

 傷ついた鹿は一番高く躍り上がると
 狩人のいうのを聞いたことがある
 それはただ死の法悦にすぎなく
 やがて叢(くさむら)は静かになる

 砕かれた岩はいずみをほとばしる
 踏まれた鋼は跳ねかえす
 頬は病に冒されると
 かえって紅くなる

 陽気は苦悩のよろい
 なかでそれは注意ぶかく守っている
 だれかが血を見付けて
 “傷ついている”と叫ばないように

 A wounded deer leaps highest,
 I've heard the hunter tell;
 'Tis but the ecstasy of death,
 And then the brake is still.

 The smitten rock that gushes,
 The trampled steel that springs:
 A cheek is always redder
 Just where the hectic stings!

 Mirth is the mail of anguish,
 In which it caution arm,
 Lest anybody spy the blood
 And "You're hurt" exclaim!

□エミリー・ディキンソン「傷ついた鹿は一番高く躍り上がると」(『ディキンソン・フロスト・サンドバーグ詩集 ~世界詩人全集12~』、新潮社、1968)
□亀井俊介編『対訳 ディキンソン詩集 ~アメリカ詩人選(3)』(岩波文庫、1998)
□MABEL LOOMS TODD & T.W.HIGGINSON “Collected Poem of EMILY DICKINSON”,Crown Publishers,Inc.1982
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 【参考】
【詩歌】エミリー・ディキンソン「声高く戦うのは勇ましい」
【詩歌】エミリー・ディキンソン「もし駒鳥たちがやってくるころ」
【詩歌】エミリー・ディキンソン「成功はすばらしく思われる」





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【佐藤優】ロシアが警戒する日本とウクライナの「接近」 ~あれかこれか~

2015年06月22日 | ●佐藤優
 (1)安倍首相は、6月6日、キエフ(ウクライナ)を訪問し、ポロシェンコ大統領と会談した。日本の首相がウクライナを訪問するのは、史上初。安倍政権がウクライナを重視している、というシグナルを国際社会に送っている。

 (2)<首相は会談後の共同記者発表で、「力による現状変更を決して認めず、法の支配、主権、領土の一体性を重視していく」と述べ、ロシアによるクリミア併合を認めない考えを強調した。
 日本側の説明によると、首相はポロシェンコ氏との会談で「日本はG7の連帯を重視している。制裁措置を維持しつつ、対話と圧力を通じ、ロシアが親ロ派に対して建設的役割を果たすよう働きかけている」とも述べたという。>【注1】
 「対話と圧力を通じ」という、日本が北朝鮮に対して用いるフレーズを用いたことがロシア側を刺激している。
 ペスコフ・ロシア大統領報道官は、安倍首相のウクライナ訪問について「2ヶ国間の話」と述べ、2ヶ国間問題として静観する姿勢を示している。
 ただし、世耕弘成・官房副長官が6日、キエフで行われた記者ブリーフィングで「われわれには共通の隣国がある。その隣国は、ウクライナにとってはクリミア併合やウクライナ東部の問題があり、日本にとっては北方領土問題を生じている」というポロシェンコ大統領発言をあえて紹介したことに対して、日本がクリミア問題と北方領土問題をリンケージし、対露批判を強めるのではないか、と軽快している。

 (3)安倍首相は、6月8日、G7サミット終了後に、ミュンヘン(ドイツ)で「北方領土問題を前に進めるため、プーチン大統領の訪日を本年の適切な時期に実現したい」と述べた。
 安倍政権は、一方においてロシアに敵対し、他方においてロシアを誘う錯綜したシグナルを送っているわけだ。このことにクレムリン(露大統領府)は当惑しているはずだ。

 (4)ポロシェンコ大統領は、ロシアとの関係を改善する意思がないらしい。それは、オデッサ州知事にグルジアのサーカシビリ前大統領を任命したことからも明らかだ。
 <オデッサ州では親ロシア派が根強く、ポロシェンコ政権は反露姿勢の鮮明なサーカシビリ氏の起用で抑え込みを図る狙いとみられる。ただ、外国の元国家指導者を地方首長に据える異例の人事には、現地の親露派だけでなく、親政権派からの反発を予測する見方もある。
 サーカシビリ氏は2004~13年にジョージア大統領を務めた。急進的親欧米派として汚職対策などを評価された一方、08年のロシアとの軍事衝突では開戦責任を問う声が出た。
 ジョージアでは職権乱用罪などで訴追されており、事実上の国外亡命中。今年2月からポロシェンコ大統領の顧問を務めていた。>【注2】

 (5)「1人の人間が2つの椅子に同時に座ることはできない」という俚諺がロシアにはある。
 安倍首相も、近い将来、2つの椅子(ロシアとウクライナ)のうちどちらか一つを選択せざるを得なくなる。

 【注1】記事「「力による変更、認めぬ」 安倍首相、クリミア問題で ウクライナ訪問」(朝日新聞デジタル 2015年6月7日)
 【注2】記事「ウクライナ、ジョージア元大統領を南部の州知事に任命」(産経ニュース 2015年5月30日)

□佐藤優「ロシアが警戒する日本との「接近」 ~佐藤優の人間観察 第117回~」(「週刊現代」2015年6月27日号)
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 【参考】
【佐藤優】【沖縄】知事訪米を機に変わった米国の「安保マフィア」
【佐藤優】ハワイ州知事の「消極的対応」は本当か? ~沖縄~
【佐藤優】米国をとるかロシアをとるか ~日本の「曖昧戦術」~
【佐藤優】エジプトで「死刑の嵐」が吹き荒れている
【佐藤優】エリートには貧困が見えない ~貧困対策は教育~
【佐藤優】バチカンの果たす「役割」 ~米国・キューバ関係~
【佐藤優】日米安保(2) ~改訂のない適用範囲拡大は無理筋~
【佐藤優】日米安保(1) ~安倍首相の米国議会演説~
【佐藤優】日米安保(1) ~安倍首相の米国議会演説~
【佐藤優】外相の認識を問う ~プーチンからの「シグナル」~
【佐藤優】ヒラリーとオバマの「大きな違い」
【佐藤優】「自殺願望」で片付けるには重すぎる ~ドイツ機墜落~
【佐藤優】【沖縄】キャラウェイ高等弁務官と菅官房長官 ~「自治は神話」~
【佐藤優】戦勝70周年で甦ったソ連の「独裁者」 ~帝国主義の復活~
【佐藤優】明らかになったロシアの新たな「核戦略」 ~ミハイル・ワニン~
【佐藤優】北方領土返還の布石となるか ~鳩山元首相のクリミア訪問~
【佐藤優】米軍による日本への深刻な主権侵害 ~山城議長への私人逮捕~
【佐藤優】米大使襲撃の背景 ~韓国の空気~
【佐藤優】暗殺された「反プーチン」政治家の過去 ~ボリス・ネムツォフ~
【佐藤優】ウクライナ問題に新たな枠組み ~独・仏・露と怒れる米国~
【佐藤優】守られなかった「停戦合意」 ~ウクライナ~
【佐藤優】【ピケティ】『21世紀の資本』が避けている論点
【ピケティ】本では手薄な問題(旧植民地ほか) ~佐藤優によるインタビュー~
【佐藤優】優先順序は「イスラム国」かウクライナか ~ドイツの判断~
【佐藤優】ヨルダン政府に仕掛けた情報戦 ~「イスラム国」~
【佐藤優】ウクライナによる「歴史の見直し」をロシアが警戒 ~戦後70年~
【佐藤優】国際情勢の見方や分析 ~モサドとロシア対外諜報庁(SVR)~
【佐藤優】「イスラム国」が世界革命に本気で着手した
【佐藤優】「イスラム国」の正体 ~国家の新しいあり方~
【佐藤優】スンニー派とシーア派 ~「イスラム国」で中東が大混乱(4)~
【佐藤優】サウジアラビア ~「イスラム国」で中東が大混乱(3)~
【佐藤優】米国とイランの接近  ~「イスラム国」で中東が大混乱(2)~
【佐藤優】シリア問題 ~「イスラム国」で中東が大混乱(1)~
【佐藤優】イスラム過激派による自爆テロをどう理解するか ~『邪宗門』~
【佐藤優】の実践ゼミ(抄)
【佐藤優】の略歴
【佐藤優】表面的情報に惑わされるな ~英諜報機関トップによる警告~
【佐藤優】世界各地のテロリストが「大規模テロ」に走る理由
【佐藤優】ロシアが中立国へ送った「シグナル」 ~ペーテル・フルトクビスト~
【佐藤優】戦争の時代としての21世紀
【佐藤優】「拷問」を行わない諜報機関はない ~CIA尋問官のリンチ~
【佐藤優】米国の「人種差別」は終わっていない ~白人至上主義~
【佐藤優】【原発】推進を図るロシア ~セルゲイ・キリエンコ~
【佐藤優】【沖縄】辺野古への新基地建設は絶対に不可能だ
【佐藤優】沖縄の人の間で急速に広がる「変化」の本質 ~民族問題~
【佐藤優】「イスラム国」という組織の本質 ~アブバクル・バグダディ~
【佐藤優】ウクライナ東部 選挙で選ばれた「謎の男」 ~アレクサンドル・ザハルチェンコ~
【佐藤優】ロシアの隣国フィンランドの「処世術」 ~冷戦時代も今も~
【佐藤優】さりげなくテレビに出た「対日工作担当」 ~アナートリー・コーシキン~
【佐藤優】外交オンチの福田元首相 ~中国政府が示した「条件」~
【佐藤優】この機会に「国名表記」を変えるべき理由 ~ギオルギ・マルグベラシビリ~
【佐藤優】安倍政権の孤立主義的外交 ~米国は中東の泥沼へ再び~
【佐藤優】安倍政権の消極的外交 ~プーチンの勝利~
【佐藤優】ロシアはウクライナで「勝った」のか ~セルゲイ・ラブロフ~
【佐藤優】貪欲な資本主義へ抵抗の芽 ~揺らぐ国民国家~
【佐藤優】スコットランド「独立運動」は終わらず
「森訪露」で浮かび上がった路線対立
【佐藤優】イスラエルとパレスチナ、戦いの「発端」 ~サレフ・アル=アールーリ~
【佐藤優】水面下で進むアメリカvs.ドイツの「スパイ戦」
【佐藤優】ロシアの「報復」 ~日本が対象から外された理由~
【佐藤優】ウクライナ政権の「ネオナチ」と「任侠団体」 ~ビタリー・クリチコ~
【佐藤優】東西冷戦を終わらせた現実主義者の死 ~シェワルナゼ~
【佐藤優】日本は「戦争ができる」国になったのか ~閣議決定の限界~
【ウクライナ】内戦に米国の傭兵が関与 ~CIA~
【佐藤優】日本が「軍事貢献」を要求される日 ~イラクの過激派~
【佐藤優】イランがイラク情勢を懸念する理由 ~ハサン・ロウハニ~
【佐藤優】新・帝国時代の到来を端的に示すG7コミュニケ
【佐藤優】集団的自衛権、憲法改正 ~ウクライナから沖縄へ(4)~ 
【佐藤優】スコットランド、ベルギー、沖縄 ~ウクライナから沖縄へ(3)~ 
【佐藤優】遠隔地ナショナリズム ~ウクライナから沖縄へ(2)~
【佐藤優】ユニエイト教会 ~ウクライナから沖縄へ(1)~ 



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【詩歌】エミリー・ディキンソン「声高く戦うのは勇ましい」

2015年06月21日 | 詩歌
 傷ついた鹿は一番高く躍り上がると
 狩人のいうのを聞いたことがある
 それはただ死の法悦にすぎなく
 やがて叢(くさむら)は静かになる

 砕かれた岩はいずみをほとばしる
 踏まれた鋼は跳ねかえす
 頬は病に冒されると
 かえって紅くなる

 陽気は苦悩のよろい
 なかでそれは注意ぶかく守っている
 だれかが血を見付けて
 “傷ついている”と叫ばないように

 A wounded deer leaps highest,
 I've heard the hunter tell;
 'Tis but the ecstasy of death,
 And then the brake is still.

 The smitten rock that gushes,
 The trampled steel that springs:
 A cheek is always redder
 Just where the hectic stings!

 Mirth is the mail of anguish,
 In which it caution arm,
 Lest anybody spy the blood
 And "You're hurt" exclaim!

□エミリー・ディキンソン「」(『ディキンソン・フロスト・サンドバーグ詩集 ~世界詩人全集12~』、新潮社、1968)
□亀井俊介編『対訳 ディキンソン詩集 ~アメリカ詩人選(3)』(岩波文庫、1998)
□MABEL LOOMS TODD & T.W.HIGGINSON “Collected Poem of EMILY DICKINSON”,Crown Publishers,Inc.1982
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 【参考】
【詩歌】エミリー・ディキンソン「声高く戦うのは勇ましい」
【詩歌】エミリー・ディキンソン「もし駒鳥たちがやってくるころ」
【詩歌】エミリー・ディキンソン「成功はすばらしく思われる」





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【労働】の世界がダブルスピーク化 ~『1984年』ふたたび~

2015年06月21日 | 批評・思想
 (1)派遣労働の最大の問題点は、労働契約を結ぶ雇い主(派遣会社)と働いている会社(派遣先)が別であるため、職場の労働条件改善を求めても「うちの社員じゃないから」と責任回避されてしまう点だ。
 このように労働権を行使できない働き手が恒常化しないよう、国際的に派遣労働は臨時的な仕事に限られてきた。
 日本でも、派遣社員が一定の年数を超えたら、派遣先は直接雇用を申し入れることで臨時性を保とうとしてきた。
 だが、改正案では、3年たったら別の派遣社員に取り替えれば派遣社員を雇い続けられる方式に切り替える。
 一方、日本では、欧米では当たり前の同一労働同一賃金原則がない。このため、正社員と同じような仕事をしても派遣会社の社員であることを理由にした賃金差が認められてきた。おかげで、日本の派遣会社は、派遣会社のコストと利益を上乗せしてもなお、派遣先の正社員の人件費より安い派遣料で派遣社員を提供できる。その結果、正社員の仕事は派遣に置き換えられてきた

 (2)維新の党は、自公と取り引きした。野党と共同提案していた「同一労働同一賃金推進法案」を一部修正し、これを可決することを見返りに、自公が提案する労働者派遣法改正案の採決に出席することを同意した。
 つまり、3年ごとにクビにする道をひらく制度に同意したのだ。
 仕事がなければ賃金はこないのだが、「賃金が平等だから、仕事なんかなくてもいいよね」というわけだ。

 (3)(2)のような奇妙な話法を「ダブルスピーク」という。実際とは逆の言葉で受け手の印象を操作し、本質をすり替えるのだ。
 別の例を挙げよう。
 6月4日、参議院会館の講堂で、JR東労組の女性フォーラムが開かれ、250人が参集した。
  (a)会社・・・・女性の採用が増え、アベノミクスの「女性が輝く」政策に乗って、会社は「女性管理職3割」を目標に掲げている。
  (b)参加女性・・・・男女共用トイレの職場はまだ多い。家族に配慮した転勤希望も無視されがちだ。体調が悪いときの休暇も十分には取れない。「輝け」といいつつ、本当に輝いて働けるための環境整備は後回しだ。

 (3)ダブルスピークは、ジョージ・オーウェル『1984年』(1949年刊)の中の
    ・平和省=永久に戦争を続けるための軍事機関
    ・真理省=真理を覆い隠すための歴史や記録の改竄機関
 などといった政府の欺瞞の手口をヒントに生まれた言葉だ。
 「同一労働同一賃金法」を理由に3年ごとに失業させる制度を通してしまう手法や、「女性が輝く」を掲げて女性から「活躍」を絞り出す手法は、まさにダブりスピークだ。
 こうした手口は、枚挙にいとまがない。
    ・リストラ=大量解雇
    ・ワークシェアリング=正社員をパートや派遣に切り替えて人件費を下げること
 『1984年』は、30年遅れで日本の労働界に出現した。
 賃上げや解雇だけでなく、ダブルスピークという新しい脅威も今後の労働運動の課題となる。

□竹宮三恵子「ジョージ・オーウェルもびっくり ダブルスピーク化する労働の世界 ~竹宮三恵子の経済私考~」(「週刊金曜日」2015年6月12日号)
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 【参考】
【労働】派遣労働の待遇悪化 ~「改正労働者派遣法」案~
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【詩歌】エミリー・ディキンソン「もし駒鳥たちがやってくるころ」

2015年06月20日 | 詩歌
 もし駒鳥たちがやってくるころ
 わたしが生きていなかったら
 記念のパン屑をひとつ
 赤いネクタイをした者にあげて下さい

 もしわたしがよく眠っていて
 あなたにお礼が言えなくても
 固い石の唇で
 言おうとしているのを知って下さい

 If I shouldn't be alive
 When the robins come,
 Give the one in red cravat
 A memorial crumb.

 If I couldn't thank you,
 Being just asleep,
 You will know I'm trying
 With my granite lip!

□エミリー・ディキンソン「もし駒鳥たちがやってくるころ」(『ディキンソン・フロスト・サンドバーグ詩集 ~世界詩人全集12~』、新潮社、1968)
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【労働】派遣労働の待遇悪化 ~「改正労働者派遣法」案~

2015年06月20日 | 社会
 (1)今国会で「改正労働者派遣法」案が審議中。目玉は、業務別に設けていた派遣受け入れ期間の制限撤廃だ。

 (2)必要な専門スキルを持った人材を自社で育てるには時間がかかる。突発的な事情が発生して、急遽人材を増やさねばならないが、採用が追い付かない・・・・。
 派遣法は、こうした事情でえ採用難に陥った企業の人材不足を一時的に補うために、派遣社員を活用する観点から定められた。派遣社員の活用はあくまで急場しのぎであって、その間に必要な人材を自社で採用・育成せよ、というものだ。
 そのため、かつては派遣社員を活用できる業務そのものが制限されていた。しかし、改正を重ね、今は建設業務、警備業務、医療業務など一部の業務を除き、原則として自由化された。
 また、ソフトウェア開発、OA機器の操作、財務処理など専門的知識や技術が必要とされる26種類の専門業は派遣受け入れ期間の制限がない。その他の一般業務は、派遣受け入れ期間の制限がある(最長3年)。

 (3)しかし、IT化により26業務の専門性がだんだん薄れてきた。特別採用が困難な業務とは言えなくなってきた。
 今や、派遣社員が会社に常駐し、正社員の椅子がどんどん減っている会社も少なくない。
 そこで、「派遣社員は急場しのぎの人材」という本来の法律の趣旨をはっきりさせるために、今回の改正では
  (a)専門26業務と一般業務の区分を廃止し、
  (b)すべての業務で派遣社員一人が働くことができる期間を最長3年に制限する(3年ルール)を設定する
ことになった。
 
 (4)問題点は、すべての業務で派遣社員が3年ごとに雇い止めとなるリスクが発生することだ。
 同じ派遣先(<例>金曜日商事)で働き続けるためには、派遣社員Aさんは、
  <例>3年ごとにX課からY課へ、さらにZ課へ・・・・と違う部署を渡り歩く必要がある。
 現行派遣法の一般業務では、派遣社員Aさんが3年働いた後は、そのポストで別の派遣社員Bさんが働くことはできなかった。
 ところが改正派遣法では、派遣社員Aさんが3年働いた後は、そのポストで別の派遣社員Bさんが働くことができるのだ。派遣社員の顔を変えれば、派遣先は同じポストで派遣社員を活用し続けることができる、ということだ。
 もし、「別の派遣社員に着てもらえば、ポスト探しの手間が省ける」と派遣先が考えるならば、派遣社員Aさんは金曜日商事を去らねばならない。

 (5)派遣先と無期雇用契約を結んだ場合、つまり派遣会社のいわゆる正社員になっている場合、3年ルールの対象外となり、同じポストで3年を超えて働き続けることは可能だ。
 しかし、派遣会社の正社員化が進むことは期待できない。
 改正法案の新3年ルールは、3年ごとに派遣先を渡り歩く派遣労働者の派遣先の“渡り鳥化”を進める規制強化になってしまいそうだ。

□稲毛由佳(社会保険労務士・ジャーナリスト)「派遣労働の待遇悪化につながる「改正労働者派遣法」案のポイント解説」(「週刊金曜日」2015年6月12日号)
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【詩歌】エミリー・ディキンソン「成功はすばらしく思われる」

2015年06月19日 | 詩歌
 成功はすばらしく思われる
 いちども成功しない人たちには
 蜜の味がわかるには
 はげしい飢えがいる

 今日旗をうばった
 深紅の部隊のだれひとり
 勝利の意味をはっきりと
 告げることはできない

 いま敗れて死にかけている
 あの聞こえない耳に痛ましくはっきりと
 遠くの歓呼の声が湧きあがる
 兵士のように 

 Success is counted sweetest
 By those who ne'er succeed.
 To comprehend a nectar
 Requires sorest need.

 Not one of all the purple host
 Who took the flag to-day
 Can tell the definition,
 So clear, of victory,

 As he, defeated, dying,
 On whose forbidden ear
 The distant strains of triumph
 Break, agonized and clear.

 *

 エミリー・エリザベス・ディキンソン(Emily Elizabeth Dickinson)は1830年12月10日生、1886年5月15日没。残した詩作品は1,700篇以上。
 生前は無名だったが、今や、「ウォルト・ホイットマン(Walter Whitman)と並んで、アメリカを代表する詩人であることに、異論をはさむ人はほとんどいないであろう」【亀井俊介】。

□エミリー・ディキンソン「成功はすばらしく思われる」(『ディキンソン・フロスト・サンドバーグ詩集 ~世界詩人全集12~』、新潮社、1968)
□亀井俊介編『対訳 ディキンソン詩集 ~アメリカ詩人選(3)』(岩波文庫、1998)
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【メディア】安倍首相の「人身売買」発言 ~騙しのテクニック~

2015年06月19日 | 批評・思想
 (1)「ゴーマニズム宣言」の小林よしのりは、『戦争論』(1998年)でネット右翼を作ったなどと言われているが、「右に寄らせすぎたと言うなら、真ん中まで戻す戦いをする」と語ったという【2015年3月31日付け「朝日新聞」夕刊】
 その「戦い」の一つに『SAPIO』2015年6月号の連載における問題提起がある。
 連載の本題に入る前の冒頭2ページで、安倍晋三・首相の「人身売買」発言のからくりを暴いている。

 (2)3月27日付け「ワシントン・ポスト」(紙面および電子版)は、安倍首相との単独インタビュー記事を掲載した。
 「歴史修正主義者と呼ばれることもあるようだが」という問いに、首相の方から「慰安婦問題」に言及し、
   「人身売買( human trafficking )の犠牲となり、筆舌に尽くしがたい辛苦を経験した方々のことを思うと心が痛む」
といった。英文での報道だったが、後日、安倍首相自身も「人身売買」という単語を用いたと認め、明確になった。

 (3)その後、「慰安婦問題」を「人身売買( human trafficking )」の語で論じることの適否が、国内ではほとんど行われていない。
 一方で、同紙の報道とほぼ同時に、安倍首相の米国両院合同会議で演説することが正式に決定した旨、一斉に報道された。
 4月29日の同演説に係る米国議会の反応は総じて好意的だった。歴史修正主義者ではないか、という批判の声はわずかだった。
 米下院は、2007年に「慰安婦問題」認識うぃ重視する決議をしている。なぜ様変わりとなったのか。
 この点について、小林よしのりは、「人身売買」という語を用いた安倍首相の戦略が成功した結果だ、と分析している。

 (4)日本国内では、「慰安婦」について戦前の娼婦のイメージが強い。前借金などによる年期制に縛られていた状況を「人身売買」と表現することもある。
 安倍首相は、相変わらず「『慰安婦』を強制連行した証拠はなく」一種の商行為だった、という従来の主張を繰り返したにすぎない・・・・と多くのマスコミには受け止められた。新機軸の内容ではなく、議論は必要ではない、とされた。

 (5)だが、小林よしのりは言う。
 米国で「人身売買」は黒人奴隷を意味し、「前借金で娘を業者に売る行為」は欧米では「奴隷制」になり、売春をさせる場を提供すると「性奴隷」となる。「つまり、安倍首相はアメリカで慰安婦は『性奴隷』だったと(略)認めたから、米議会で演説できたのだ」
 小林は、さらに言う。
 「それにしても外務官僚は巧妙な言葉のマジックを使うものだ。自国民を騙すのがうまい!」
 マスコミも、簡単に騙されていることに気づいているのか、疑わしい。
 小林は、最後に強調する。
 「アメリカで安倍首相が認めてしまった見解なのだから」、中学歴史教科書にまた「従軍慰安婦」の記述が「復活するかもしれぬ」

□高嶋伸欣(琉球大学名誉教授)「「人身売買」首相発言 騙しのテクニックを暴いた小林よしのり」(「週刊金曜日」2015年6月12日号)
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【詩歌】中村真生子「やがて、いつか」

2015年06月18日 | 詩歌
 少しずつ
 別れるための
 準備をしなくては
 と思った。

 まだ元気なうちに
 気づいたことに
 感謝する。

 そして・・・・
 やがて、いつか。

 少しずつ
 還るための
 準備をしなくては
 と思った。

 まだ元気なうちに
 気づいたことに
 感謝する。

 そして・・・・
 やがて、いつか。

□中村真生子「やがて、いつか」(『メルヘンの木』(祐園、2005))
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 【参考】
【詩歌】中村真生子「叶わなかった思い」
【詩歌】中村真生子「永くて遠い神」
【詩歌】中村真生子「自分育て」
【詩歌】中村真生子「語る」
【詩歌】中村真生子「蠢く」
【詩歌】中村真生子「メルヘンの木」
【本】中村真生子『メルヘンの木』

        山陰柴犬「かれん」(写真提供:中村真生子さん)
      

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【堤未果】地方の介護現場を完全に無視 ~高齢者の「移住」提言~

2015年06月18日 | 医療・保健・福祉・介護
 (1)有識者会議の「日本創成会議」は、団塊世代が75歳以上になる「’25年問題」をふまえ、
    高齢者を元気なうちに東京から全国41地域へ移住させる
という提言をまとめた。不足する施設やサービスの奪い合いを防ぎ、地方の活性化につなげるのが狙いだ、という。

 (2)(1)の提言に対する疑問点は多い。
 <例>同会議が移住先として選定した地域は、雇用を生むという利点はあるものの、医療や在宅サービスの現状が考慮されていない。
 同会議は、地方には東京より多くの受け入れ枠がある、という。だが、同会議のメンバーは果たして地方の介護現場を視察したのだろうか?

 (3)地方では、報酬が安すぎて介護スタッフが集まらず、閉鎖したり、施設を建てても開所が大幅に遅れる、といった問題が多い。施設数イコール受け入れ枠と容易に考えるのは危険だ。  
 介護業界の民間企業参入が拡大する一方、政府が介護報酬を切り下げたニュースはまだホットだ。
 今回の介護報酬切り下げの結果、介護事業所や有料老人ホームの倒産が急増、現時点では過去最悪のペースで増加中だ【東京商工リサーチ】。
 政府は更なる段階的介護報酬切り下げを行う意向だ。しかし、中小の介護施設が大手に淘汰されていくことが、地元に密着した地域医療に与える負の影響は小さくない。

 (4)厚労省は、人手不足解消に、海外から移民を受け入れる、という。
 しかし、言葉の壁、社会保障費の問題、業界全体の報酬低下リスクなどをふまえると、これも長期的解決策とは言いがたい。
 介護業界に人材が集まらない最大の原因は報酬だ。報酬体系を見直し、若者を呼びこむ施策とセットで導入しないと、本末転倒になってしまう。

 (5)都心から地方へ高齢者が移住した場合、特別養護老人ホーム入所枠の、地域内での奪い合いの問題もある。
 政府は、近年「施設介護ではなく在宅介護へ」と促す政策を推進しているが、自治体で総量が規制されている特別養護老人ホームの不足問題をどうするか。現実的対策が必要だ。

 (6)そもそも、政府と日本創成会議は、若年層から中年世代までが暮らしやすくなるよう地方を活性化させることを目指していたはずだ。いつのまに、「地方活性化」と「高齢者福祉」という二つの異なる政策が混在してしまったのか。 

 (7)人間は、加齢に伴い、住み慣れた環境や家族のそばで暮らしたい、と願う。
 高齢になってからの急激な環境変化でえ体調を崩すケースも少なくない。
   「施設が足りないから地方へどうぞ」
だけでは、自発的に移住するインセンティブとしては弱い。
 日本創成会議は、この提言をまとめる過程のなかで、当事者や現場の声をどれくらい聞いたのか。

 (8)介護ビジネスの波は、確実に世界で広がっている。
 日本同様高齢化が進むドイツでは、国内の施設費用が支払えない高齢者の多くが、3分の1の費用で済むポーランドやアジアの国に移住している。
 日本も、確実にこの流れの方へ向いている。
 今年3月、東南アジア最大の病院チェーン「IHHヘルスケア」が日本の介護老人福祉施設5ヶ所の買収計画を発表した。経営者が外国人となったとき、果たして国の目は行き届くのか。
 世界で最速で超高齢社会となる日本で、高齢者の「移住」のような政策を実施するには、今よりずっと慎重な議論が要請される。

□堤未果「地方の介護現場を完全に無視した高齢者の「移住」提言 ~ジャーナリストの目 第256回~」(「週刊現代」2015年6月27日号)
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 【参考】
【堤未果】本当に患者のためか疑問 ~国民健康保険法の改正~
【堤未果】サービス残業は絶対なくならない ~残業代ゼロ法案~
【堤未果】医師不足に拍車をかける国家戦略特区
【堤未果】「イスラム国」掃討と膨れあがる米の軍事費 ~いつか来た道~
【堤未果】格差大国アメリカの後を追う日本 ~金融緩和と年金改革~
【堤未果】米国社会の変質 ~ミズーリ州の武装警察~
【米国】国民皆保険という美名の裏で大増税開始 ~オバマケア~
【食】中国の鶏肉問題--流通のグローバル化で食の安全はますます困難に
【堤未果】「水道の民営化」が招く社会インフラ大崩壊 ~価格高騰に水質低下~
【堤未果】「社会保障のための増税」のウソ ~来るべき医療崩壊~
【堤未果】世界が危惧する日本のジャーナリズム ~「監視大国」米国以下~
【堤未果】アベノミクスと米国経済の危うい共通点
国の鶏肉問題--流通のグローバル化で食の安全はますます困難に」
【政治】国家戦略特区法の危険性
【米国】と日本における民営化の悲惨 ~株式会社化する国家~  




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【詩歌】中村真生子「叶わなかった思い」

2015年06月17日 | 詩歌
 叶わなかった思いが
 陽炎のようにゆれている。
 ゆらゆらと。

 叶わなかった思いは
 高く高く天へと昇る。

 叶わなかった思いは
 星となり
 夜空を照らす。

 叶わなかった思いは
 空を埋め
 今日も輝く。

 叶わなかった思いは
 あなたの心。

 叶わなかった思いは
 私の心。

 叶わなかった思いも
 美しい。

□中村真生子「叶わなかった思い」(『メルヘンの木』(祐園、2005))
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 【参考】
【詩歌】中村真生子「永くて遠い神」
【詩歌】中村真生子「自分育て」
【詩歌】中村真生子「語る」
【詩歌】中村真生子「蠢く」
【詩歌】中村真生子「メルヘンの木」
【本】中村真生子『メルヘンの木』

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【古賀茂明】「信念」を問われる政治家 ~違憲な安保法制~

2015年06月17日 | 社会
 (1)6月4日、憲法審査会でハプニングが起きた。
 参考人からの意見聴取で、与党が推薦した長谷部恭男・早大教授が、集団的自衛権の行使を容認している安保法案を「憲法違反」と明言したのだ。
 むろん、まともな憲法学者が違憲だというのは当たり前のことで、それ自体は何らニュース性はない。
 では、なぜ大事件として扱われるのだろうか。

 (2)実は、野党とマスコミの都合で「そもそも違憲論」がかすんできている。
  (a)野党・・・・集団的自衛権を認めたいと考えるタカ派議員を多く抱える民主党や維新の党は、タカ派議員の反発を怖れて、違憲論議は形だけにとどめていた。
  (b)大手新聞・・・・軽減税率の対象に新聞を入れてもらいたい、という下心があり、政府に本気で反対することができない。そこで、そもそも違憲だ、という論調は弱め、今国会での成立を目指すのでは議論が不十分だ、という「拙速論」に傾斜していた。

 (3)与党推薦の学者が堂々と「違憲論」を述べたことで、民主も維新もこれを追求せざるをえなくなり、「違憲論」を前面に出し始めた。
 ここで矢面に立つのが、中谷元・防衛相だ。同相は、これまで
   「解釈の変更はもう限界にきており・・・・」
   「政治家として解釈のテクニックで騙したくない。・・・・『集団的自衛権は行使できない』と言った以上は、『本当はできる』とは言えません」
などと、憲法改正でなく、憲法解釈を変更することで集団的自衛権行使を容認することには反対・・・・という立場を明確にしていた。
 今回、政治家としての「信念」を問われる形になった同相は、
   「昨年の閣議決定は、行政府による裁量の範囲内であると考えまして、私はこれをもって憲法違反にはならないという考えに至っている」
と自らの変節を正直に認めてしまった。

 (4)中谷防衛相と好対照なのが、安倍首相の「ポツダム宣言」発言だ。
 同宣言は、太平洋戦争を日本が世界征服を目指した戦争だ、とした上で、一部の軍国主義者を戦争犯罪者として糾弾する一方、一般国民を戦犯に騙された被害者だ、と位置づけている。
 侵略戦争だ、という位置づけに係る認識を問われた首相は、同宣言の
   「その部分を詳らかに読んでいないので、論評は差し控えたい」
と発言した。むろん、その部分を読んでいないわけはないし、手元に同宣言がなくても、侵略戦争だ、という認識は、首相であれば持っていなければならない。
 首相はしかし、これまで、「A級戦犯は犯罪人ではない」などと述べ、騙された国民より軍国主義者の側に立っていた。それが首相の「信念」なのだ。

 (5)後日、首相は、ポツダム宣言受諾の事実は認めたものの、自らの口から「侵略戦争」という言葉を発することはなかった。むろん、戦犯が犯罪人だとも言わなかった。
   「信念」を簡単に捨てた防衛相
   姑息に逃げ回りながら、外には言えない「信念」を隠し通そうとする首相
 政治家として信頼できないのは、どちらも同じ。
 こんな人たちに、安保法制という「刃物」を与えたらどうなるか。
 「侵略戦争」から70年経って、国民は再び騙されるのか。

□古賀茂明「「信念」を問われる政治家 ~官々愕々第159回~」(「週刊現代」2015年6月27日号)
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 【参考】
【古賀茂明】機能不全の3点セット ~戦争法案を止めるには~
【古賀茂明】維新が復活する日
【古賀茂明】戦争法案審議の傲慢と欺瞞 ~官僚のレトリック~
【古賀茂明】「再エネ」産業が終わる日 ~電源構成の政府案~
【古賀茂明】「増税先送り」「賃金増」のまやかし ~報道をどうチェックするか~
【古賀茂明】週末や平日夜間に開催 ~地方議会の改革~
【古賀茂明】原発再稼働も上からの目線で「粛々と」 ~菅官房長官~
【古賀茂明】テレビコメンテーターの種類 ~テレ朝問題(7)~
【報道】古賀氏ら降板の裏に新事実 ~テレ朝問題(6)~
【古賀茂明】役立たずの「情報監視審査会」 ~国民は知らぬがホトケ~
【報道】ジャーナリズムの役目と現状 ~テレ朝問題(5)~
【古賀茂明】氏を視聴者の7割が支持 ~テレ朝問題(4)~
【古賀茂明】氏、何があったかを全部話す ~テレ朝「報ステ」問題(3)~
【古賀茂明】氏に係る官邸の圧力 ~テレ朝「報道ステーション」(2)~
【古賀茂明】氏に対するバッシング ~テレ朝「報道ステーション」問題~
【古賀茂明】これが「美しい国」なのか ~安倍政権がめざすカジノ大国~
【古賀茂明】原発廃炉と新増設とはセット ~「重要なベースロード電源」論~
【古賀茂明】改革逆行国会 ~安倍政権の官僚優遇~
【古賀茂明】安部総理の「大嘘」の大罪 ~汚染水~
【古賀茂明】「政治とカネ」を監視するシステム ~マイナンバーの使い方~
【古賀茂明】南アとアパルトヘイト ~曽野綾子と産経新聞~
【古賀茂明】報道自粛に抗する声明
【古賀茂明】「戦争実現国会」への動き
【古賀茂明】日本人を見捨てた安倍首相 ~二つのウソ~
【古賀茂明】盗人猛々しい安倍政権とテレビ局
【古賀茂明】安倍政権が露骨な沖縄バッシングを行っている
【古賀茂明】官僚の暴走 ~経産省と防衛省~
【古賀茂明】安倍政権が、官僚主導によって再び動き出す
【古賀茂明】自民党の圧力文書 ~表現の自由を侵害~
【古賀茂明】自民党が犯した最大の罪 ~自民党若手政治家による自己批判~
【古賀茂明】解散と安倍政権の暴走 ~傾向と対策~
【古賀茂明】解散と安倍政権の暴走
【古賀茂明】文書通信交通滞在費と維新の法案
【古賀茂明】宮沢経産相は「官僚の守護神」 ~原発再稼働~
【古賀茂明】再生エネルギー買い取り停止の裏で
【古賀茂明】女性活用に本気でない安部政権
【古賀茂明】【原発】中間貯蔵施設で官僚焼け太り
【古賀茂明】御嶽山で多数の死者が出た背景 ~政治家の都合、官僚と学者の利権~
【古賀茂明】従順な小渕大臣と暴走する官僚 ~原発再稼働~
【古賀茂明】イスラム国との戦争 ~集団的自衛権~
【古賀茂明】「地方創生」は地方衰退への近道 ~虚構のアベノミクス~
【古賀茂明】【原発】原子力ムラの最終兵器
【古賀茂明】【原発】凍らない凍土壁に税金を投入し続けたわけ
【古賀茂明】【原発】勝俣恒久・元東電会長らの起訴 ~検察審査会~
【古賀茂明】安倍政権の武器輸出 ~時代遅れの「正義の味方」~
【古賀茂明】またも折れそうな第三の矢 ~医薬品ネット販売解禁の大嘘~
【古賀茂明】「1年後の夏」に向けた布石 ~集団的自衛権~
【古賀茂明】法人減税で浮き彫りにされる本当の支配者 ~官僚と経団連~
【古賀茂明】都議会「暴言問題」の真実 ~記者クラブによる隠蔽~
古賀茂明】集団的自衛権とワールドカップ
【古賀茂明】野党再編のカギは「戦争」
【古賀茂明】電力会社の歪んだ「競争」 ~税金をもらって商売~
【原発】【古賀茂明】規制委員会人事とメディアの責任
【古賀茂明】医師と官僚の癒着の構造
【古賀茂明】電力会社「値上げ救済」の愚 ~経営難は自業自得~
【古賀茂明】竹富町「教科書問題」の本質 ~原発推進教科書~
【古賀茂明】安部総理の「11本の矢」 ~戦争国家への道~
【古賀茂明】理研は利権 ~文科官僚~
【古賀茂明】「武器・原発・外国人」が成長戦略 ~アベノミクスの今~
【古賀茂明】マイナンバーを政治資金の監視に ~渡辺・猪瀬問題~
【古賀茂明】東電を絶対に潰さずに銀行を守る ~新再建計画~
【古賀茂明】「避難計画」なき原発再稼働
【古賀茂明】「建設バブル」の本当の問題 ~公共事業中毒の悪循環経済~  
【古賀茂明】安倍政権の戦争準備 ~恐怖の3点セット~
【原発】【古賀茂明】利権構造が完全復活 ~東日本大震災3年~
【古賀茂明】アベノミクスの限界 ~笑いの止まらない経産省~
【古賀茂明】労働者派遣法改正前にすべきこと
【古賀茂明】時代遅れな、あまりにも時代遅れな ~安部政権のエネルギー戦略~
【古賀茂明】森元首相の二枚舌 ~オリンピックの政治的利用~
【古賀茂明】若者を虜にする「安部の詐術」 ~脱出の道は一つ~

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【波止場日記抄】6月16日

2015年06月16日 | ●エリック・ホッファー
 礼儀の正しさはある程度の客観性と相互の妥協がなければ成り立たない。
 Good manners are inconceivable without a degree of objectivity.

□エリック・ホッファー(田中淳訳)『波止場日記』(みすず書房、1971)
□Eric Hoffer : Working and Thinking on the Waterfront / A JOURNAL : June 1958-May 1959 (HARPER & ROW, PUBLISHERS, NEW YORK, EVANSTON, AND LONDON)
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 【参考】
【波止場日記抄】6月15日
【波止場日記抄】6月13日
【波止場日記抄】6月5日
【波止場日記抄】6月4日
【波止場日記抄】6月2日
【波止場日記抄】6月1日
書評:『波止場日記』

    

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【佐藤優】【沖縄】知事訪米を機に変わった米国の「安保マフィア」

2015年06月16日 | ●佐藤優
 (1)5月27日から6月4日、翁長雄志・沖縄県知事が米国を訪問した。
 日本の中央政府は、翁長訪米が失敗だった、という印象を醸し出そうとしている。
 <菅義偉官房長官は4日の記者会見で、翁長知事が一連の訪米日程を終えたことについて、「知事が時間をかけて米国まで行ってきたのだから、辺野古移設は唯一の解決策であるということも認識して帰ってこられたんじゃないか」と発言した。>【注1】
 翁長知事が「辺野古移設は唯一の解決策であるということも認識して帰ってこられたんじゃないか」・・・・と菅官房長官が本気で思っているなら、菅官房長官の分析能力は基準に達していない。官房長官がこの程度の認識しか持っていない中央政府の良識に期待しても無駄だ。

 (2)今回興味深いのは、普段は沖縄に「同情的」な素振りをする朝日新聞が、冷淡な姿勢を露骨に示していることだ。
 <米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の辺野古移設反対を訴えようとした知事を待っていたのは、米政府のかたくなな対応だった。県は世論を喚起する一定の成果があったとするが、苦い現実に直面した訪米となった。
 「国と国との関係なので、中堅どころが『わかりました』と言うわけにはいかず、結論的には良い形にならなかった。だが、これだけ話をさせてもらったのは大きな結果だ」
 翁長知事は5日夜、到着した那覇空港で記者団にこう語った。ワシントンでは国務省のヤング日本部長、国防総省のアバクロンビー次官補代理代行に「辺野古反対」を訴えたが、「唯一の解決策」とする米側とは平行線。日米両政府の「壁」の厚さが浮き彫りとなった。>【注2】
 沖縄県は「世論を喚起する一定の成果があった」と肯定的評価をしているのに対し、朝日紙は「苦い現実に直面した」と否定的評価を下している。
 <県が「成果」と胸を張るのが、ジョン・マケイン上院軍事委員長(共和党)との会談だった。基地政策に影響力を持つ重鎮で、「辺野古反対」への理解は引き出せなかったものの「対話の継続」では一致。翁長氏は「画期的なこと」と自画自賛した。
 (中略)政治家らの反応は総じて厳しかった。会談時に協力的と受け止められるような発言をした議員が、すぐに「辺野古(移設)が唯一の解決策」とするコメントを出す一幕もあった。同行県議はこう漏らした。「沖縄問題への無関心や誤った見方が多いのを痛感した。だが、それを知ったこともまた成果だ」>【注3】
 
 (3)日本人植民者の視座に立つ朝日紙は、翁長訪米に冷淡な見方を終始示している。これに対し、沖縄の新聞は現実を等身大で評価している。
 3日、公式日程をすべて終えた翁長知事は、ワシントン市内で記者会見をした。
 <知事は米政府当局者ら会談相手に沖縄の基地問題への理解が深まったと総括した上で「来る前に比べれば大きな上乗せがあった。それを糧にして、一歩一歩前に進んでいきたい」と述べ、移設阻止への決意を新たにした。
 一方、翁長雄志知事と米国務省のヤング日本部長、国防総省のアバクロンビー副次官補代行が会談した後、米国務省は声明を発表し、辺野古移設を推進する方針を強調した。
 翁長知事は「日米両政府が『辺野古が唯一』だと言うので、必ずやり遂げられると信じている人が多いが、実際はいろんな理由で(移設)工事はなかなか進まないというのを理解していただいた」と訪米の成果を強調した。上院軍事委員会のマケイン委員長と対話を継続することで一致したことを挙げ、今後も粘り強く米側と直接交渉する意向をあらためて示した。>【注4】
 成果あるいは訪米の意義を整理すると、
  (a)沖縄県民の直接選挙によって選出された翁長知事が、ワシントンの米国政治エリート(政府高官・上下院議員・シンクタンク関係者)に沖縄の声を直接伝えることができた。
  (b)米国の沖縄系同胞が翁長知事を強く支持した。

 (4)ワシントン入りする前の5月29日(日本時間30日)、翁長知事はイゲ・ハワイ知事と会談した。同日、ホノルルで記者会見した翁長知事は、次のように述べた。
 <前半は交流の話をし、後半は基地の話をした。一つ違うのは、基地問題は州知事の直接的な権限ではない点。だが同じウチナーにルーツを持つ者として、沖縄の今の基地問題の現状を理解いただきたいと説明した。先方は日米両政府の問題ではあるが、ワシントンDCで頑張ってくださいと。在米海兵隊2700人のハワイ移設は、日米両政府が決めれば積極的に受け入れたいとのことだった。>【注5】
 重要なのは、翁長知事の立場を理解した上でイゲ知事が「ワシントンDCで頑張ってください」と激励したことだ。
 ハワイ州には沖縄出身者が多い。彼らは沖縄人としてのアイデンティティを強く持っている。一方、日本人としてのアイデンティティは、無いか、あっても希薄だ。
 イゲ知事は、ハワイ州の公式ウェブサイトにも「沖縄系米国人の初めての知事」と記され、沖縄人としてのアイデンティティを明確に持つ政治家だ。イゲ知事は、沖縄人の民意を代表する翁長知事を最大限に支持し、沖縄人の国際連帯を推進している。

 (5)翁長知事は、5月27日(日本時間30日)、ハワイで同州選出のヒロノ上院議員、ガバット下院議員と相次いで会談し、辺野古新基地建設の撤回に向けて協力を求めた。
 <会談後の知事によると、ヒロノ氏は「日本政府の対応に問題があるようだ。もっと(沖縄の)話を聞くべきだ」と述べ、新基地建設阻止を掲げる県の立場に理解を
示した。ガバッド氏は「沖縄の言うことはとても理解できる。米議会でも話していきたい」と述べ、議会でも取り上げていく考えを示した。
 ヒロノ氏は翁長知事に対し「力強く訴えてもらいたい」と激励した。>【注6】
 今回の翁長訪米の最大の成果は、
    沖縄にとって死活的に重要な事柄については、沖縄人自身が決定する。
という沖縄の自己決定権に係る認識が、国際的広がりを持つようになったことだ。、

 (6)翁長知事訪米をきっかけに、米国の「日米安保マフィア」の対応にも変化が出ている。
 <米クリントン政権で普天間返還の日米合意を主導したジョセフ・ナイ元国防次官補(現・米ハーバード大教授)は本紙取材に「沖縄の人々の支持が得られないなら、われわれ、米政府はおそらく再検討しなければならないだろう」と述べ、地元同意のない辺野古移設を再検討すべきだとの見解を示した。>【注7】
 ナイ教授やリチャード・アーミテージ・元国務副長官は現実主義者だ。所与の条件下で、米国が安定的に沖縄で基地を使用することを考えている。
 日本政府は、辺野古新基地建設を沖縄人の血を流してでも強行する気構えだ。
 しかし、そんなことになれば、沖縄の反中央政府に対する姿勢が、反米に転化し、嘉手納基地の使用に支障が出る。そのことを米国の「日米安保マフィア」が真剣に懸念し始めている。

 【注1】記事「「辺野古反対」米に直談判 翁長知事、当局者と会談」(朝日新聞デジタル 2015年6月5日)
 【注2】記事「「辺野古NO」通じず、米の冷遇実感 沖縄知事が帰国」(朝日新聞デジタル 2015年6月5日)
 【注3】前掲記事。
 【注4】記事「知事訪米が終了 新基地阻止、直接交渉継続へ」(琉球新報電子版 2015年6月5日)
 【注5】2015年5月31日付け琉球新報
 【注6】記事「辺野古移設阻止へ協力要請 翁長知事が米議員と会談」(琉球新報電子版 2015年5月28日)
 【注7】記事「辺野古悲観論再び 元米高官、政治環境の変化指摘」(琉球新報電子版 2015年5月28日)

□佐藤優「知事訪米を機に変わった米国の「安保マフィア」」 ~佐藤優の飛耳長目 第118回~」(「週刊金曜日」2015年6月12日号)
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 【参考】
【佐藤優】ハワイ州知事の「消極的対応」は本当か? ~沖縄~
【佐藤優】米国をとるかロシアをとるか ~日本の「曖昧戦術」~
【佐藤優】エジプトで「死刑の嵐」が吹き荒れている
【佐藤優】エリートには貧困が見えない ~貧困対策は教育~
【佐藤優】バチカンの果たす「役割」 ~米国・キューバ関係~
【佐藤優】日米安保(2) ~改訂のない適用範囲拡大は無理筋~
【佐藤優】日米安保(1) ~安倍首相の米国議会演説~
【佐藤優】日米安保(1) ~安倍首相の米国議会演説~
【佐藤優】外相の認識を問う ~プーチンからの「シグナル」~
【佐藤優】ヒラリーとオバマの「大きな違い」
【佐藤優】「自殺願望」で片付けるには重すぎる ~ドイツ機墜落~
【佐藤優】【沖縄】キャラウェイ高等弁務官と菅官房長官 ~「自治は神話」~
【佐藤優】戦勝70周年で甦ったソ連の「独裁者」 ~帝国主義の復活~
【佐藤優】明らかになったロシアの新たな「核戦略」 ~ミハイル・ワニン~
【佐藤優】北方領土返還の布石となるか ~鳩山元首相のクリミア訪問~
【佐藤優】米軍による日本への深刻な主権侵害 ~山城議長への私人逮捕~
【佐藤優】米大使襲撃の背景 ~韓国の空気~
【佐藤優】暗殺された「反プーチン」政治家の過去 ~ボリス・ネムツォフ~
【佐藤優】ウクライナ問題に新たな枠組み ~独・仏・露と怒れる米国~
【佐藤優】守られなかった「停戦合意」 ~ウクライナ~
【佐藤優】【ピケティ】『21世紀の資本』が避けている論点
【ピケティ】本では手薄な問題(旧植民地ほか) ~佐藤優によるインタビュー~
【佐藤優】優先順序は「イスラム国」かウクライナか ~ドイツの判断~
【佐藤優】ヨルダン政府に仕掛けた情報戦 ~「イスラム国」~
【佐藤優】ウクライナによる「歴史の見直し」をロシアが警戒 ~戦後70年~
【佐藤優】国際情勢の見方や分析 ~モサドとロシア対外諜報庁(SVR)~
【佐藤優】「イスラム国」が世界革命に本気で着手した
【佐藤優】「イスラム国」の正体 ~国家の新しいあり方~
【佐藤優】スンニー派とシーア派 ~「イスラム国」で中東が大混乱(4)~
【佐藤優】サウジアラビア ~「イスラム国」で中東が大混乱(3)~
【佐藤優】米国とイランの接近  ~「イスラム国」で中東が大混乱(2)~
【佐藤優】シリア問題 ~「イスラム国」で中東が大混乱(1)~
【佐藤優】イスラム過激派による自爆テロをどう理解するか ~『邪宗門』~
【佐藤優】の実践ゼミ(抄)
【佐藤優】の略歴
【佐藤優】表面的情報に惑わされるな ~英諜報機関トップによる警告~
【佐藤優】世界各地のテロリストが「大規模テロ」に走る理由
【佐藤優】ロシアが中立国へ送った「シグナル」 ~ペーテル・フルトクビスト~
【佐藤優】戦争の時代としての21世紀
【佐藤優】「拷問」を行わない諜報機関はない ~CIA尋問官のリンチ~
【佐藤優】米国の「人種差別」は終わっていない ~白人至上主義~
【佐藤優】【原発】推進を図るロシア ~セルゲイ・キリエンコ~
【佐藤優】【沖縄】辺野古への新基地建設は絶対に不可能だ
【佐藤優】沖縄の人の間で急速に広がる「変化」の本質 ~民族問題~
【佐藤優】「イスラム国」という組織の本質 ~アブバクル・バグダディ~
【佐藤優】ウクライナ東部 選挙で選ばれた「謎の男」 ~アレクサンドル・ザハルチェンコ~
【佐藤優】ロシアの隣国フィンランドの「処世術」 ~冷戦時代も今も~
【佐藤優】さりげなくテレビに出た「対日工作担当」 ~アナートリー・コーシキン~
【佐藤優】外交オンチの福田元首相 ~中国政府が示した「条件」~
【佐藤優】この機会に「国名表記」を変えるべき理由 ~ギオルギ・マルグベラシビリ~
【佐藤優】安倍政権の孤立主義的外交 ~米国は中東の泥沼へ再び~
【佐藤優】安倍政権の消極的外交 ~プーチンの勝利~
【佐藤優】ロシアはウクライナで「勝った」のか ~セルゲイ・ラブロフ~
【佐藤優】貪欲な資本主義へ抵抗の芽 ~揺らぐ国民国家~
【佐藤優】スコットランド「独立運動」は終わらず
「森訪露」で浮かび上がった路線対立
【佐藤優】イスラエルとパレスチナ、戦いの「発端」 ~サレフ・アル=アールーリ~
【佐藤優】水面下で進むアメリカvs.ドイツの「スパイ戦」
【佐藤優】ロシアの「報復」 ~日本が対象から外された理由~
【佐藤優】ウクライナ政権の「ネオナチ」と「任侠団体」 ~ビタリー・クリチコ~
【佐藤優】東西冷戦を終わらせた現実主義者の死 ~シェワルナゼ~
【佐藤優】日本は「戦争ができる」国になったのか ~閣議決定の限界~
【ウクライナ】内戦に米国の傭兵が関与 ~CIA~
【佐藤優】日本が「軍事貢献」を要求される日 ~イラクの過激派~
【佐藤優】イランがイラク情勢を懸念する理由 ~ハサン・ロウハニ~
【佐藤優】新・帝国時代の到来を端的に示すG7コミュニケ
【佐藤優】集団的自衛権、憲法改正 ~ウクライナから沖縄へ(4)~ 
【佐藤優】スコットランド、ベルギー、沖縄 ~ウクライナから沖縄へ(3)~ 
【佐藤優】遠隔地ナショナリズム ~ウクライナから沖縄へ(2)~
【佐藤優】ユニエイト教会 ~ウクライナから沖縄へ(1)~ 

      花菖蒲(火の国)
    


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