味園博之のブログ-文武両道「空手道と南洲翁遺訓」他古典から学ぼう

平成の今蘇る、現代版薩摩の郷中教育 
文武両道 「空手道」と『南洲翁遺訓』を紹介するブログ

大行は細謹を顧みず。

2015-11-03 10:03:20 | ブログ
第2502号 27.11.03(火)
.
大行は細謹を顧みず。『史記』 
.
 大きな事を行う時には、瑣細な事には顧慮しない。640
.
 解説を読み、少し疑義があるなと思ったら(項羽記)と書いてあります。項羽ならそうであろうと思いました。
 そこで、大きな事を行う時こそ、瑣細なことには配慮するものです。
.
 この度は荘内南洲会水野先生、結構な物をご恵送賜りまして、誠に有り難うございました。今年の2月28日、荘内南洲会の先生方をお迎えしての交流会で『南洲翁遺訓』を発表するなど、ご協力いただいた方々へ、直接お配りしました。
.
 昨日、午後4時に自宅を出たものですから、すぐ暗くなり、西田町へ辿りつくのが大変でした。何回も通った道なのですが、道路の変更、周囲の建物がかわるなどして、別世界を走っているみたいでした。
.
 市來出身の73歳の老人が、宮崎まで走り事故を起こしたのはつい最近でした。今度は76歳の空手道師範が事故を起こしたとなると、立て続けに二人としてギネスに載ると思い、慎重に運転し、交差点では信号ヨシ、歩行者ナシと大声を出し、無事自宅へ帰り着きました。
.
 この所、車運転は決まったコースしか走らないものですから、たまには昔通った所も通らなければならないな、と思った次第でした。時代に取り残されてしまうからです。ただ、何時間走っても文献を録音したカセットテープを35本・70時間分持参していますので、勉強をしていることになります。
.
 元気の秘訣はとにかく動くこと、書籍の筆写が最高だと思います。そして代償を求めないこと、だと思います。病院の薬を飲む必要はありません。私はそのようにしています。

------------------ 
『臥牛菅実秀』(第40回)
.
 実秀はこの話を聞いたとき、自分の貧乏生活を思い浮べて、大いに共感したことであろう。
 実秀はこのように貧困に耐えてきた人だけに逆境を恐れない強さがあった。
 維新前後の混乱期に、世襲という温室の中に育った重臣たちは、ひたすら変化を恐れ、目前の危険をさけることばかりを考えていたのに対して、実秀の考えることは積極果敢で、きわだって対照的であったのも、実秀には、変化も危険も逆境も恐れない強さが、腹の底にあったからであろう。

-------------------
『論語』(第435)
.
 子曰はく、性は相近し、習へば相遠し。
.
 孔子が言うには、『人間の生れ得た本性は大体似たり寄ったりの近いものだが、其後の習慣教養で善悪賢愚の遠い隔たりが出来る。心すべきは環境と教育である。
.
 これは416で書いた「教え有りて類なし」という言葉と相通じると思います。

-------------
『農士道』(第317回)
.
 例えば清浄潔白といふ徳目を以て見るも、食膳に着く前には必ず手を洗ふという一事のみを取って比較したならば、西洋人の方が我国人よりも清潔を好むということにさへなるであろう。之を他に比喩を取っていふならば、若し人間の顔を分析的に観て眼が横に二つ、鼻が縦に一つといふ風に研究したならば、恐らくは誰の顔も同じものを有してゐるといふ事になるであろう。更に人間全体の成分を分析して、酸素が幾等、水素が幾等、燐酸が幾等と計量したならば、聖人君子の身体も、大悪罪人の身体も、大した違いはないことになるであろう。甲という人間、乙という人間の相違特徴は、かく機械的に分析せざる、全体としての生きた、あるがままの相(すがた)に存する。
---------------