ハリ天狗の日々奮戦

天狗のごとく山を駆け、野を走る(かな^^;)。 東京は西の端・青梅発、全国行き。日々鍼を打つランニング鍼灸師の奮戦記。

第13回日本山岳耐久レース(総括&データ)

2005年10月11日 | 大会レポート

 昨年の惨敗がきっかけとなり、自分でも驚くほど1年間、継続して「この日のために」頑張ってきた。やったことのなかった筋トレもしっかり。50歳代を迎えるにあたり、カラダの根本から鍛え直そうと決意し、過去最強と思える自分ができあがりつつあった。
 今年前半の様々なレース、練習、山ラン・・・順調に進んできた。ケガや故障もあったが、これも無事クリア。最後のツメも悪天候で予定変更はあったものの、かなり満足のいくもので締めくくれた。体重も5キロ、体脂肪も5~6%絞り、おかげで上りのスピードにかなりの手応え。台風17号の影響の風雨の中、すべる下り坂もばっちりこなせた。最終的な休養も十分。レース前、こんなにも思い通りに、色々な面で準備できたことはなかった。当然ながら、手応え十分で、自信もしっかり根付いていたのは確か。
 ・・・ので、妻にも(今年は初めて応援に来てくれると言うことだったので)ゴールタイムは相当な数字を告げ、早くから待機してもらっていたのに…。現実はそう甘いものではなかった。

▼スタートはいつも通り、最前列より。中学校の門を先頭集団で通過するとしっかり写真に残る。インターネットで応援してくれている家族に、元気にスタートしたよと知らせる意味で、ここ数年はスーパーダッシュ。しかし、今年はぬかるんだ校庭に足を取られて出遅れる。 
 全コースをとにかくリラックスして走ることを目指し、前半飛ばしすぎぬように我慢が続く。それでも上りでの心拍数は170を越える。練習で走るときは、せいぜい150台で上る。すると、上りきったところで息も切れずにすぐに走り出せるのだ。苦しくはないのだが左腕の「スントt6」の数字は高い。必死で下げようとスピードも落とそうと試みるものの、流れに乗ってしまっていてなかなか下がらない。落としすぎる不安もあるからだ。第1チェックポイントまでで調子を測る。指標にしていたタイムは3時間15分。一昨年11時間を切ったときよりも遅めの設定。それでも20キロ近くでケイレンに襲われる。早くもゼッケンを止めていた安全ピンをはずす。
▼第1チェックポイントの浅間峠(22.66キロ地点・3時間21分23秒・112位)を目標より6分程遅れて通過。焦りはない。しかし、いつもの手応えがないままに時間が過ぎていく。雨でぬかるんだまるで田んぼのような泥道のせいなのか、単に力がないだけなのか・・・。まだ大丈夫、まだチャンスはある、何度も自分に言い聞かせながら走るものの、スピードは×。通過タイムの目安にしていた三頭山手前の35キロポスト。一応自分の中でのギリギリ許容範囲内。三頭山山頂は6時間ちょうど。苦しい所だがあきらめはない。下りで滑って危ういところで巨木に助けられる。鞘口峠からゴールまで、最終練習では4時間ちょっとで走れている。神が舞い降りてくれれば・・・。チャンスはまだまだ。必ず力は出る、そう唱えながら走る。が、力が出ていないことは明らか。このあたりから、次々と目標値を下げながらのレースとなってしまった。
▼第2チェックポイントの月夜見第2駐車場(42.09キロ地点・7時間08分32秒・102位)、少しは甦りの兆しありか。昨年はここからの下りで10数メートルを滑り落ちるというアクシデントがあった。しかし、今年はコース取りも研究してばっちり。惣岳山・御前山の上りも必死でこなすが、自分で感じられるキレがない。しかも数回、安全ピンを使ってケイレンを鎮めなければならなかった。得意の大岳山の上りに入っても力は弱い。2人に抜かれる。ここで抜かれることはめったになかったのに。大岳山の岩場の下りは足がすくんでしまい、どうしようもない情けなさに肩を落とす。
▼第3チェックポイントの長尾平(58キロ地点・10時間29分17秒・98位)。とうとう時間的な目標は消え去る。せめて総合二桁台のゴールを目指そう。とにかく1年間の総決算なのだから。日の出山への途中、初めて気持ち悪くなり、少々嘔吐。急な糖分摂取の影響か。胸も焼ける。金比羅尾根は最後の力を振り絞る。あふれるばかりの力は出るあてもなくなったが、それでも前を追う。妻と次女が早くからゴールで待ちかまえてくれている。すっかり「走れメロス」の主人公と化した。残り1.5キロ。携帯で妻に間もなくゴールの連絡を取る。10時間前半のタイムで年代別優勝のイメージは、跡形もなく消え去った。
▼ゴール(71.5キロ・12時間12分57秒・97位)! 悔しさいっぱいだが、今日はこれで精一杯であったことも確か。目標修正ばかりの一日だったが、よく切れずに最後まで走り切れた。それだけは満足。一応、年代別で初めてのメダルをもらえたのだし、迎えてくれた妻と次女も喜んでくれた。
▼最低でも自己ベスト更新(10時間53分)という最後の望みが風前の灯火となったときからは、実は相当に力が抜けた。でも、実力そのもの。何が足らなかったのか、修正点はどこにあるのか・・・。レース終了後(10日)、今年あれこれと山ラン指南をしていただいたFさんと色々話しながら探り続けた。自分では気づいていない落とし穴が確かにあるはず。これから激しく、一人反省会を盛大に開催し、早くも来年に向けて戦略を練ることにしようか。・・・って、実はこれが楽しみなのでは。

-----------------------------------------------------------------------------
◆天候:雨・気温13度~19度
◆記録:12時間12分57秒・総合97位・50歳代の部3位
          (2018名出走・1111名完走・55%)
◆最高心拍数176bpm 平均心拍数142bpm
◆総標高(上り)4286m  (下り)4297m
◆ウエア:
 上→ロングTシャツ
 下→モニター当選のカッパ4DMロングタイツ
 頭→娘から誕生日にもらったバンダナ
◆シューズ:モントレイル・マサイ
※最終的には履き心地を最優先。
ソールはシューグーで補修
◆装備:ライト
ミオ5・LED3・手持ちスポットライト
◆水分と補給食:
    水2リットル+お茶(ジュアールティ0.25リットル)
      +グリコCCD1袋+メダリスト1袋(1リットル用)
    トップテン3.5本
    パワージェル(アンケートに答えてもらう)1個
    アミノバイタルスーパースポーツ(ゼリータイプ)1袋
    カロリーメイトゼリー1袋
    スニッカーズ(チョコ)1本
    薄皮まんじゅう(こしあん)2個
    ぬれおかき(一口タイプ)2個
    サラダせんべい1枚
    ミックスナッツ+レーズン少々 
    サプリメント「リカメン」10粒
    (疲労緩和・集中力持続等の効能も?
      受付時に本部より依頼された。人体実験)
    ※月夜見で水1.5リットル補給→0.9リットル余る
    ※以上が口に入れたもの。

◆朝食:
 豚汁にお餅2個
 ロールケーキ5分の4本
 プロテイン牛乳・コーヒー
◆昼食:
 あんぱん1個
 アミノゼリー1袋
 大福2個
 栄養ドリンク2本
◆レース当日朝の体調:
 すこぶる良好
 体重61.2キロ(この1年で最軽量)
◆レース後:体重60.2キロ
-----------------------------------------------------------------------------

▼今回は、ゴールに次女も来てくれていて、色々な人のゴールシーンにものすごく感動していた。翌日の表彰式にもついてきて、それぞれの努力の証の一部を目に焼き付け、夜にはかなり気持ちを新たに私も頑張ろうと戻っていった(注:一人暮らし中)。全く、運動はいやだといっていた子だが、最近一人でも走り始め、来年は青梅マラソンにも出場する。本日22歳の誕生日だったが、ちょうどいいタイミングで、大勢の人の極限で頑張る姿が相当の刺激(プレゼント)になったよう。今年、自分がこんなに入れ込んでいなければ、こういった機会も訪れなかったかも・・・。そう思うと、嬉しい気持ちもジワジワとわいてきた。持ち帰った山耐での初メダルも、やっぱりこれはこれで自分へのご褒美だったと。副賞bagにいただいたグレゴリーのバッグは、3人の娘達にとってはあこがれの逸品だったもよう(グレゴリーって山ザックばかりだと思っていたらとんでもない)。・・・で、娘にプレゼント・・・ではなく、いつも気持ちよく応援してくれている妻に取られたのではなく、しっかりプレゼント!

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする