ハリ天狗の日々奮戦

天狗のごとく山を駆け、野を走る(かな^^;)。 東京は西の端・青梅発、全国行き。日々鍼を打つランニング鍼灸師の奮戦記。

嗚呼、大波来たりて大田原

2015年11月24日 | 日々奮戦


【スペシャル】

当たり前と言ってしまえばそれまでだけど、何の気負いも欲もなく、変な緊張感も緩みもなく、久し振りに静かな気持ちで迎えたシーズン最初のフルマラソン。天候が怪しいけどそんなこともスルー。
スタート前にやけに人なつこい若者とタイムを見ないで走る件についてのヤイノヤイノがかなり楽しかった。

そしてスタート。本日、妻には出来ればアベレージ4分半、ゴールは3時間一桁台とは告げていた。これまでの練習と結果の蓄積からみれば、相当なホラを吹いているということ。
だけど、今、一生懸命研究中の走り方がもしうまく行けば、、、。取らぬ狸の何とやらだ。

心拍数は140台で進みたい。タイムは見ないけど心拍と時々のペース管理はする。
周りの流れに乗って気持ちよく進む序盤。心拍計が時々あるスタート直後の誤作動でとんでもない数値を出している。
ちょっと速いかなぁと思っていたら、正常に戻った心拍計は150を超えている。ペースも4分20秒くらい。
出だしはもっともっと遅くていいつもりだった。必死でスピードを落とす。心拍140台まで落とす。


【5km付近】

そして体幹をうまく使えるよう、オリジナルテーピング実験。手首を内旋しやすいように巻いてある。(「外旋しやすいように」の誤り!)
8年前くらいに出会った古武術の甲野善紀さんからいただいたヒントで山の上りは楽になっていた。いったんあの時点まで戻り、そこから芋づる式に巡り会った骨ストレッチの松村卓氏の理論を自分流に解釈して実践するのがこの日の最大テーマだ。
とにかくハセツネの時と同様、筋力を使うな!このイメージだ。上手に体重移動、重心移動。足の中指に意識を。

そうやって走りながら感覚を研ぎ澄ませる。これまでの骨盤前傾だけではダメだ。着地は重要。
5km過ぎあたりから、とってもいい感覚に包まれ出した。
10km、雨も落ちて来たけどフワフワととても柔らかく走れている。この感じが続くのならどこまでも行けるような気さえしてくる。何も考えずにこんな風に走れるようにならないとダメだよな、そう言い聞かせつつ今感じている感触をひたすらインプット。
下りベースの前半からそろそろ上りも入ってくる。15km手前の下り坂はフニャフニャと上りはハセツネを思い出し、手の指をしっかりとある形にそろえて走る(虎拉ぎ)。
約14km、24km、34kmと預けたスペシャルドリンクの最初。リボンをつけただけだとやっぱり目立たない。指定のテーブルを行ったり来たり。係の人も一緒に探してくれてようやくありつく。
ここは甘酒+Mag-on。これがヤクルトみたいで美味い!元気モリモリ。以後ほぼペース一定でいい感じ。
折り返してすれ違う区間も友人達とエールを交わしつつ安定して進む。
その後、後ろにずっと聞こえていたペタペタとかなり大きな足音の青年に声をかけられた。
ずっといい感じですねぇ。後ろに付かせてもらってもいいですか?
そりゃ、礼儀正しく頼まれたとあっては断る理由もない。二言三言言葉を交わしつつハリ天先行。そう言えば、しばらく前から小集団をいつも引っ張っている感じだった。ここからは彼だけが付いてくる。
東京でサブスリーを狙いたいとか。もう少しスピードが必要だね。
この時の感じだと3時間10分前後のペース。
24km先の2回目のスペシャルがまた時間を食ってしまった。Mag-onウォーター+Mag-onジェルだ。後ろにピタリ付いてきていた彼もずいぶん前に行ってしまった。
本気でタイム狙うには痛い手際の悪さ。ふだんスペシャルなんて置かないからなぁ。
しっかり美味しい給水後ピッチを戻す。感覚的には変わっていないのだけど、ずっと緩い上りになっていてペースが落ちている。この感じだとタイムを狙うにはもう少し踏ん張りが必要か。でも30kmまでは我慢だ。風も出てきていて股関節周りが少々きつい。再び彼に追いついて前を走ってあげる。

さて、雨風は相変わらずだけどそれ程気にはならない。ま、ちょっと冷えては来てるかなぁ、、、くらいの感覚はあった。ところがところが、ちっとも悪夢だなんて思っていなかったけど、次第次第にいやぁな感覚が下腹に湧きだしてきた。ミニウェーブ程度だからと少しスピードを落としてやり過ごす。
それでもそれが二度三度となるとイライラしてきた。よし、仕方ないトイレに行こう。決断したのはいいけどずっと畑道が続きトイレがない。う〜ん。どうするどうする。
我慢に我慢を重ね、何ごともないかのような顔とフォームをキープして進む。否応なしにタイムはジリピン。
30km手前くらいだったか。ついにトイレマーク出現。よし、あそこだ。
・・・と、数メートル先を走っていた選手が入ってしまった。待つか、いやじっと立っているだけじゃかえって冷えるぞ。大丈夫だ。前に進もう。
って、勇気ある選択をして進み出し、調子が戻ったかなというところで今度は大波だ!
グワーン。こりゃまいった。

ようやくトイレにありつけたのは33km過ぎ。しゃがむのつらい。なんて言ってはおられず。
しかし、もっとまいったのは濡れた手袋をしたままペーパーを取ろうとしたこと。ベタベタと張り付いてしまってこれが最悪。焦る、ペーパーがはがれない、益々焦る、益々はがれない。無限ループ突入!

ま、何とか、何とかなって、すっきりとトイレ脱出。最初の異変の時にさっさと行っておけばよかった。
体は一気に軽くなってペースアップ。少しでも取り戻そう。もう30km過ぎてエネルギーも解放なのだ。
だがしかし!この日のハリ天のお腹はそんなことを許してはくれなかった。さらにハムストもさっきのトイレでしゃがんだ時からすっかり調子が狂って、、、けいれんが襲ってきた。
こんなで安全ピンは投入できないぜ。
ペース落とす。ダメだ。そしてまたシクシク、ザブーン。ウェーブだ。再びトイレ、トイレ、トイレ。
あ〜あ、終わってしまったよ。
何となくすっきりしないお腹をうらみつつ、トボトボのJogモード。女性二人が務める3時間半ペースメーカーと共に大集団がワッシワッシと抜いていく。その後も30分切りを目指す選手が次々後ろから襲いかかって来る。

せめてフォームだけは崩さないよう、この日のテーマだけは忘れないよう最後の仕上げ。
妻・ハリマネとさんぽ夫人・みなちゃんが競技場入り口で手を振ってくれる。寒い中待たせちまったぜ。しょうがないけど、ごめんごめんだ。


【ビッグウェーブ来ちゃってさぁ、、、って嬉しそうな顔するな!】

トラックはしっかりと走ってゴールイン。ザッと記録を見返したここ15年くらいでは断トツワースト。
なかなか甘い夢は見させてもらえないな。





【地元青梅トレラン部哲太社長はPB。ハリ天はPP】

ただ、このビッグウェーブさえ除けば、初レースとなったOnの「Cloudracer」は絶好調で足のトラブルも一切なかったし、研究中の走り方は相当な手応えあり。
その証拠に、一夜明けた今朝、最近では珍しくレース翌朝のJogに出かけてみた。だいたい筋肉痛が極端に少なかったからだ。特に太もも前面とふくらはぎがまるで無傷のよう。願っていた通りの展開だ。
そのかわりに両ハムストと股関節周りはよ〜く使った感ありの筋肉痛。それでも階段さっさと上り降り出来るし、なんだか嬉しくなってご機嫌なのだ。
この感触の続きは常夏の島へと持って行くのだ。

緑風堂鍼灸院WEBSITE
ハリ天狗マネージャーの笑顔いっぱい!

コメント
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