【写真は歌舞伎座前通過時】
【20km~25km】21:51<1:48:09>
せっかく大東京は銀座のど真ん中へやって来たのに、徐々に徐々にトーンダウンしているのは明か。
感覚的にはちっとも落ちていないペースのはずなのに、時計を確認するたびに愕然と。1kmごとにこの繰り返しになってきている。
21km 4:23(146)
22km 4:16(153)あわてて頑張ってみた
23km 4:20(152)
24km 4:26(149)
25km 4:24(148)
寒さも半端じゃなく、あれっと見上げれば・・雪? いや、みぞれだ。記録マニアは1kmごとに時計のラップ計測ボタンを押しているのだけど、何でもない右手人差し指での一押しが、けっこう苦しい。ちゃんと押せているのかどうか何度も確かめるよう。
冷たい冷たい雨の中、沿道の応援は本当に温かく頭が下がる思い。さっき結び直したシューズのヒモは蝶結びじゃないし、きちんと挟み込めていないから、時折パチンパチンと足首を打つ。
そうだ、沿道の応援の人で手が動きそうな人に頼んで締めてもらおうか、どうしようか。ずっとそういう望みを抱きつつ、声かけやすそうな人を探しながら走っていた区間。
最初に思いつけばよかったなぁ。あのあたりの方がランナー風の応援の人が多かった気がする。
そうは思いつつも三度立ち止まる勇気を振り絞れず、放置!
【25km~30km】22:34<2:10:43>
全然苦しくもないのに、もう明らかに足が前に出ていない。変だなぁ、ではなく変。
コースは下町風情が匂ってきたかと思うと、浅草雷門へと進む。ここもテレビで観ていたとおり大変賑やかな応援だ。なのに肝心の自分の元気がなくなってきている。
目標ペースを維持できないのがもどかしく、だけどどうあがこうが一向にペースが上がらなくなっているのは事実。あきらめたくはないけど、もう完全にアウトオブ・・・。ストンと15秒以上も落ちてしまった。
26km 4:32(145)
27km 4:29(142)
28km 4:34(146)
29km 4:29(147)
30km 4:27(151)
もう一人の自分に上からその走りを観察させてみれば、一見何も問題はなさそうなのだ。ピッチは落ちていないはずだし、手はかじかんでいるけど腕の振りも悪くない。
ただ、時間がかかり過ぎているだけ。
あきらめないという意思表示のためだけに、ペースがそろった若者と併走。
【30km~35km】23:32<2:34:15>
30kmを過ぎたら投入しようと握りしめていたベスパプロ。ところが握っている感触がなくなっていて、手を開くことも逆に強く握ることも出来なくなっている。ただ落とさないためだけ。
右手を使って封を切ろうにも全然力が入らない。噛みきってやると思いっきり歯を食いしばると、高価なベスパが勢いよく高く宙に飛び出した。もったいなぃ。その後も上手く飲めず、こんなことで苦労している自分がやけに滑稽。
股関節付近と足裏がジンジンしていて、足のどこで着地しているのかがよくわからない。ちょっとでも気を緩めると・・・寒い。
31km 4:35(149)
32km 4:39(149)
33km 4:42(142)
34km 4:45(149)
35km 4:50(152)
33.3km。ここでは女将さんの大声援。おたぽんたさん、のまダッシュさんもいらしたかな?
ここはもっと勢いよく元気に通り過ぎたかった。なんだかペースダウンしているのが恥ずかしくって、軽く手を振りこそこそと通り過ぎてしまった感じ。あ~あ、もったいない。
しかし、この後は歌舞伎座が待っている。ハリマネも多分到着しているに違いない。
なんか気合いを入れ直さないといけないと、スタート前からずっと被ったままだったビニールポンチョを破って脱ぎ捨てる。どうだ! でも寒さこたえる。
左に曲がりいよいよ歌舞伎座。知り合いの顔が並ぶ。
キティちゃん、ご存知歌舞伎役者に扮したそ~さん、防護服突貫さん、カメラを構えた我がハリマネ。大声援にこたえてハイタッチを交わし、風のように走り去った(つもり)。
少し先ではmiyaさんの声援も。
あの寒空の下、本当にありがたい応援でした。
【35km~40km】28:10<3:02:25>
ずっと、平坦だったけど、このあたりから橋を渡るのにアップダウンが繰り返される。
青梅マラソンコースの坂に比べたらへにもならない勾配だ・・ってわかっているけど、またまた俄然ペースが落ちてきていて気分はブルー。
しかも、またまたトイレだ。寒いしトイレに何度もというのは避けたくて、今日は水分も控えめだ。
なのに、まただ。ちょっとうんざりした気分で、意気消沈。予想ゴールタイムの計算も面倒になってしまった。
36km 5:13(147)
37km 5:16(混乱)
38km 5:29(144)
39km 6:37(138)再びトイレ
40km 5:34(136)
【写真提供はsasashinさん。左靴紐無残】
今回はしっかり準備したのになぁ。寒い寒いと思うけど、しっかり走れる人はなんじゃこんなものだ。ハリ天、こういう寒さには強かったはずなのに。こりゃ減量がこたえたか。見かけより高い体脂肪が身体を守ってくれていたのに、そぎ落としてしまったのが裏目に出たか。
でも、それもこれも結果論。仕方ない。みんな実力のうちなのだ。
さらに、でも。こうして目標を立て、一生懸命頑張ってきたと胸張って言えるのは久し振りのことだ。ここ数年はいつも結果オーライ。それでいいのだって威張っていたけど、やっぱり気張って気張って迎えたレースは気持ちいい。残念な結果になってしまいそうだけど、ちっとも努力の花は咲かなかったけど、ここまで出来る限りの力を尽くしてきたという「過程」が本当に大事なんだぞっ、そんな声が、負け惜しみでなくスーッと入り込んでくる。これが今回の財産か。
ちょうど冬季オリンピックの期間中だった。4年間このレースのためにひたすら努力を重ねてきて、ほんの小さなミスのためわずか数秒でレース終了っていう選手だっていた。結果だけじゃ何も語れない。
ずっとずっとそんなことが頭の中をグルグル回り続けていた。
【40km~Goal】12:17<3:14:42>
41.195km 6:52(136)
あと1km 5:28(134)
あと1kmだって言ったって、もう力なんて湧いてこない。歓喜のゴールはかなりイメージできていたのに、ハラハラハラハラ~。単なるイメージで終わってしまった。ならば、じっくりとここまでの道のりを振り返りつつのゴールだ。3時間14分42秒。涙のかけらもない。
出直して、また秋にチャレンジだ。
肩にかけてもらったフィニッシャータオルがありがたかった。ずらりと並んだボランティアの方々が「お疲れ様!」「お帰りなさい」「おめでとうございます!」次々に満面の笑みで言葉をかけてくれる。肩からずり落ちそうになるタオルを、何気なくサッとかけ直してあげる光景を次々と目の当たりにした時には、一瞬涙がこぼれたハリ天なのでした。