東京マラソン、どうでした?
そう尋ねられるたびに、う~ん、まず出てくる言葉は「しびれました」の一言。
それだけじゃ、走らない人には何がなんだかわからない。しびれたと言われてもただ苦笑い。
【スタート前】
新宿駅の改札を抜けたところからその人波に酔いそうになりながら、ようやくガード下の閑静な場所を確保。
これで一息つけた朝。
いざ出陣。
この日最初の会話は大リーガーさんと。
その後の荷物預け→スタートエリアへの移動もどこをどう歩いているのか全く分からなくなっていたけど、スムースな進行経路の案内準備は大変だったろうなぁと。
ウロウロ移動しつつ45分前にスタートエリアへ。すでに前方から何列もの人垣が出来てはいたけど、おぉ、割といい位置だ。ここか、ここがスタートラインか。感無量。
続々と人が集まってきていて、その身体から発散されるエネルギーで思ったほど寒さは感じない。
富士登山競走で配布されるビニール袋ポンチョを着用しているし安心。
スタートまで時間がありすぎて飽きるかと思ったが、とんでもない。
車道から見上げるそびえ立つ都庁ビルの景観に圧倒され、呆然と眺め尽くす。何度も何度も。勝負レースだからカメラはおいてきたけど、やっぱり持ってくれば・・・とほんのちょっぴり後悔も。それほどに雨に煙る景観はフォトジェニック!
すぐ後ろにいたノビさんと時々話をしながらでスタート時間はどんどん迫る。【ざんくろうさん撮影のスタート前↓】
セレモニー開始。気分急上昇。ポップな音が当然のように気持ちを高ぶらせてくれる。
石原都知事の登壇。話が短くてよかったな。グリークラブの君が代がビルにこだまする。すごい。
やがて9時ジャスト。車椅子の部スタート。あと10分だ。
するとそれまであまり感じなかった寒さが一気にやってきた。ビニールに被われていないアームウォーマー部分がしっとりと冷たい。震えがやってきた。武者震いではない本当の寒さによる震えだ。一気にトイレにも行きたくなってきて落ち着かなくなった。
カウントダウン。3分前。列がぐいと前に進み出した。と、後方からTWさん。話をして気が紛れ、尿意も大丈夫だろう。と、言い聞かせる。
【スタート~5km】22:31<0:22:31>
そして、9時10分、スタート。道路いっぱいに広がった選手が一斉に津波と化す様は圧巻。
両脇のミサイル砲のような筒からは勢いよく紙吹雪が吹き出され、一瞬視界は雪景色。思わず叫び声をあげてしまう。テレビで観ていた以上の迫力。この瞬間を味わえることの幸せが実感となって体中を駆け巡る。
【ざんくろうさん撮影!この1枚が欲しかった。サンクスです】
この日を目指してきた練習と減量の日々が、それこそドラマ仕立てのように思い出される。しっかりと準備が出来てよかった、心からそう思えた瞬間でもあった。
【もう1枚、ざんくろうさんより】
さぁ、しかし勝負はこれからだ。自分との勝負だ。
01km 4:37
02km 4:06
03km 5:30 まさかのトイレ
04km 4:08
05km 4:10
5kmまでは一気の下り坂、気をつけて走れというが稼ぎ所であることも確か。持ち主の心境を読み取るのかSUUNTOの心拍計(発信器)はいきなりとんでもない数値を示し、舞い上がっている。
自分を信じるというより、この心拍数こそうそをつかないので一番の頼りなのに。
1kmなんてあっという間、歌舞伎町を抜け、ばたばたしつつも確実に賽は投げられた。
が、やっぱり緊急事態は収まってはくれていなかった。走る振動で早くもおしっこ苦悶の始まりだ。
いくつかのトイレ看板をやり過ごしてはいたが、レース序盤、前方スタートのためトイレの混雑は全くなさそう。
3km手前、ついに決断。仮設トイレに駆け込む。さんざん我慢していたせいかいつまでたっても終わらない、出きらない。焦る焦る~。なんと早くも借金1分半!
でも超すっきりで戦列復帰。当然のように、「慌てるな慌てるな」と呪文を繰り返す。1kmごと2~3秒でも縮めていけばいいのだ。頼りの心拍数はようやく正常に戻る。スピードアップしたいけど160拍を越えてはいけない。
距離表示は1kmごとにあるので、チェックマニアには安心コース。飛び出したにもかかわらずトイレ騒動直後の3km通過は14分11秒。でもすぐに4分10秒前後のペースに戻れて一安心。
5km給水ポイントには山トピ仲間のherorinさんがボランティア参加しているはず。両側給水なので走路の真ん中を走りながら左右をキョロキョロ。お互い同時にちゃんとアイコンタクトできた!
何気ない一瞬だけど嬉しい瞬間。どうもありがとう。
【5km~10km】20:59<0:43:30>
1kmごとのラップと平均心拍数()
06km 4:06(158)
07km 4:13(158)
08km 4:12(159)
09km 4:14(157)
10km 4:12(156)
早く借金を返したいと焦りつつも、心拍数の言うことをよく聞いて走れている感じ。ただ寒い。まだ身体が温まらない感覚。
10km手前ではお約束通り、昔長女の友達、今ハリ天の友達の稲毛のこっしーが追いついてきた。たくましく安定したいい走りだ。スタートライン通過まで6分かかったという。キロ4分ほどで走ってきていた。
行け行けと尻をたたくが、しばらく色々話しながら日比谷公園脇を併走。10kmのマットはほぼ一緒に通過。
【10km~15km】21:00<1:04:30>
こっしーを見送るも非常にいい感じで走れていて、10m程後方につけたまま折り返しまで。
11km 4:12(159)
12km 4:10(158)
13km 4:10(159)
14km 4:14(153)
15km 4:13(155)
雨は激しく、そして冷たいけど身体はよく動く感覚にようやく。喉の渇きは全く感じないし、トイレが不安で給水は一回飛ばしで一口ずつって感じ。
もう少しペースを上げたい余裕はあるけど、このコンディションだし無理は禁物。じっと我慢の子。15km通過はぎりぎりサブスリーペース位までは挽回。なんだかこのまま行けそうな予感。
【15km~20km】21:48<1:26:18>
最初の15km折り返すと途端に向かい風。一気に寒さ強烈襲来。だけど気力十分。スキージャンプじゃないけど(やったことないからわからない)向かい風に乗れって感覚だ。ピッチは揺るぎない。もう4~5km一緒に走ってきているペースがそろっているランナーが何人かいて、実に走りやすい。
16km 4:08(149)
17km 4:48(149)まさかのヒモほどけ
18km 4:14(155)
19km 4:15(157)
20km 4:18(146)
さて、17km区間のラップがた落ちに注目です。
なんとこれまでに数え切れないほどのロードレースに出場していて、一度も経験のないシューズのヒモがほどけるというアクシデント発生です。
向かい風の中、何故か心拍数も低く安定し、気合い更に乗ってきた瞬間。何かが落ちた音がしたような・・。視線を落とすと左足のヒモが絡まっているではないですか。無視しようかと思ったものの、ピタンピタンと足に絡みつくので、こりゃダメだ。中央分離帯に移動ししゃがみ込んで結び直そう。
所がここで問題発生。雨に濡れたグローブ、冷え切った手は思いっきりかじかんでいてヒモを結ぶどころではないのです。ようやくヒモの両端をつまみシューズの脇に押し込むだけで再スタート。
でも、ダメですよね。すぐにまた足に絡みつきます。えぇい、うっとおしいヤツだ!
まだ、先は長い。このままじゃ気が散って走れない。
再度中央分離帯に足をかけ、ヒモ結びに集中します。でも蝶結びなんてとても無理。とっさに方針変更でなんとか固結びに成功。余った部分が多少邪魔だけど、これ以上の時間は取られたくない。再々スタート。
しかし、さっきまで共にいいリズムを刻んでいたランナー達の姿は全く見えません。当たり前ですががっくりです。
ちょっと痛すぎる約45秒(SUUNTO解析より)。すぐに同じペースに戻せていたけど、ぎくしゃくしているのは明か。かなり動揺している自分が見えていた。
21km 4:23(146)
中間点通過は 1時間31分01秒。嗚呼あぁ~・・・。
心拍数も落ちてきている。何か変な感じ。バテたのとは違う変な感じ。
※簡単に、一気にと思って書き始めたら、なんだ長くなってます。ので、後半戦はまた明日~。