JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

偏屈で理屈っぽい青春?

2009年10月18日 | m-o

今日はなんだかみょうに暑い感じがしましたが、風が無かったせいですかねぇ?

昨夜帰宅するとショッキングなニュースが入ってきました。
「加藤和彦さん自殺」
というものでありましたが、何があったんですかねぇ?いや、何があろうと自殺はいけません。

 ♪ 胸にしみる 空のかがやき
   今日も遠くながめ 涙をながす
    悲しくて 悲しくて
    とてもやりきれない
    このやるせない モヤモヤを
    だれか 告げようか ...♪

もし、心にモヤモヤがあったら、死を選ぶ前に、誰かに告げてほしかったなぁ

 つばさのない鳥がとぶには
 愛の空が
 必要だった
 二人は
 しあわせすぎて
 こわかった
 ときどきおたがいに
 しっかりつかまっていないと
 不安になった
         (寺山修司『かもめ』より)

あらら、なんでいきなり寺山修司?
いえね、加藤氏の自殺の話はとりあえずおいといて、同じ歌がらみというわけではないのですが、先週に引き続き、今週の朝日新聞土曜版be『song うたの旅人』のお話をしようかと・・・

今週のsongは、あがた森魚の「赤色エレジー」でした。

そもそも、一郎と幸子の物語「赤色エレジー」は、以前も話題に上った漫画雑誌『ガロ』に連載されていた林静一の漫画でした。
あがた森魚は1971年3月20日に発行されたこの漫画の単行本を読んで、すぐに主題歌を作ろうと思ったんだそうで、
「林さん、ぜひとも一度会っていただけませんか」
二人は新宿の喫茶店で会うことになります。思いつめたような表情でギターを抱きかかえ現れたあがたは、挨拶もそろそろにギターをかき鳴らし
♪ 愛は愛とて何にいなる 男一郎 まこととて・・・♪
と、1番を歌い始めました。林さんは恥ずかしくてうつむいてしまったそうであります。
こうして「赤色エレジー」は、翌年の1972年4月25日、キングレコードの傍系レーベル、ベルウッドレコードから、あがた森魚デビューシングルとして発売されたのでした。

年代的には、私よりいくぶん歳が上の方が「ストライク!」といった感じでしょうが、まだまだ私の青春時代にも、四畳半、トイレ共同、そして同棲・・・このなんともアングラチックな世界は身近なものでありました。
「赤色エレジー」と「同棲時代」は、ある意味憧れで、「恋愛はいつも破局と隣り合わせでありながら、貧しくとも美しく、時に残酷なものだ。」みたいな、なんだか分からないものに恋いこがれていように思います。
じっさい私も・・・・・
おっと、また話がそれてしまそう、イカンイカン。

じつはこの記事を読んでいて、あがた森魚もさることながら、私が思わず懐かしく思ったのは、林静一氏のほうでありまして。
ほら、ロッテの「小梅」、あのイメージキャラクターを描かれた方です。

どことなく、夢二を思わせる作風でありますが、「赤色エレジー」も他のそれも、漫画はかなりドロ~~っとした(いやこれも時代背景かな)、重い作品だったように記憶しています。
私がひどく印象に残っているのは、おそらくこれもガロに掲載されたものだと思うのですが『巨大な魚』という短い漫画です。
何度読んでも意味がよくつかめず「なんじゃこりゃ」、そのくせ「いやいや、そこがこの手の漫画の良さなんだ」なんてね。(笑)

ともかく、「なんでもかんでも難しく難しく考えて悩みぬく、それが青春だ!」てな感覚があったんでしょうかねぇ、
とりあえず全てを否定して、創りだしてまた否定する、それの繰り返しこそが本来の想像を生み出すんだし、それがカッコイイ・・・・・
今思えば、ち~~っともカッコよくないんでありますが(笑)
「あれ?ひょっとして、この偏屈で理屈っぽい性格は・・・・そうだよ、みんなジャズ喫茶が悪い!」
って、まぁまぁ我ながらよく言いますよね。

あれ?また脱線した?
そうそう、「何故にそれで寺山修司か」でしたよね。

まっ、そんなこんなで、林静一林静一とたどっていったら、寺山修司の『邪宗門』にたどり着き、「そうだぁ、寺山修司の本には、林静一の絵が使われてたジャン」
ただ、それだけのことでした。チャンチャン。

さて、今日の一枚は、ディック・モーガンです。
といっても、この人は超マイナーなお人ですよねぇ、アルバム数も少ないし・・・・・
系統的にはバド・パウエル直系とも言われるんですが、どうでしょう?
でも、面白味はバツグンにあるピアニストだと思います。なんて言ったらいいかなぁ、実際に見たことはありませんが、なんとなく弾いている姿が見えてくるっていうか。
とか言いつつ、例のリヴァーサイド、キャノンボール・アダレイ新人発掘プロジェクト(笑)で、同レーベルから出した「AT THE SHOWBOAT」「SETTLIN' IN」・・・・そのくらいしか私も聴いてないんですけどね。

そんな私が言うのもなんですが、今日のアルバムは、聴く価値が充分にある一枚だと思います。唸りながらノリノリのライブ盤「AT THE SHOWBOAT」より、こちらの方が数段、いやそれ以上に私は好きです。

SEE WHAT I MEAN ? / DICK MORGAN
1960年10月31日録音
DICK MORGAN(p) KETER BETTS(b) BERTELL KNOX(ds)

1.ROCKS IN MY BED
2.LOVE FOR SALE
3.I'VE GROWN ACCUSTOMED TO YOUR FACE
4.WHEN LIGHTS ARE LOW
5.SEE WHAT I MEAN ?
6.LIL' DARLING
7.HOME
8.MEDITATION

おまけ、
日曜日ですので、恒例の『料理当番、本日の一品』です。

メインは、茄子、エリンギ、インゲンの豚ロース巻き(生姜ソース)と、ホタテの生ハム巻きゴマ焼き(トマトソース)、それに付け合わせは柿サラダです。(ほとんど、いただき物で賄いました。笑)
ビールにとても合いましたよ。