JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

優しいオヤジにご用心

2009年06月02日 | d-f

今日は朝から良い天気です。気温も思ったほど上がらなかったし風も心地よくて、先週の疲れがまだ抜けない私は、何処か公園の日陰のベンチででもお昼寝を決め込みたいところですが、不審者扱いされてもなんですし諦めました。(笑)

公園のベンチといえば、
昨日思わぬ拾い物をしましてね。
こう言うとなんだか良いものを見つけたような言い方ですが、そうではなくって、じつは昼休みにフラフラ歩いていた公園で、ベンチに置かれた携帯電話を発見したんです。

昔、私が約一年ほど飼っていた猫がおりまして、名は幸之助(雌だったんですけどね。笑)グレーのボデイにつぶらな瞳、それはもうカワイコチャンであったのですが、アパート住まいだったためにけっきょく最後は養子に出すことになってしまったのです。(シクシク)

いやいや、話はその「幸之助の可愛さ」ではなくて、出会いのことでありまして。
横浜のとある公園に遊びに行ったときでした。
帰り際、草むらの中から「ミャーミャー」という声が聞こえてきました。
「ありゃま、捨て猫だあ」
草むらに放置された段ボール箱の中には3,4匹のやっと目があいたばかりのような子猫が身を寄せ合っていました。
「まったくなぁ、こんなとこに捨てるこたぁないだろうに・・・・・でもごめんなぁ、俺んとこじゃ飼いたくても飼えんのよ」
しかたなくそのまま車に乗り込もうとすると、
「ミャ~~ミャ~~」
と一匹だけが段ボール箱を飛び出し、ヨロヨロと私の方へ寄ってくるのであります。
「だから、ダメなんだって・・・・・・」
このままにして車でひいたりしたら夢見が良くあれません。段ボール箱に戻そうと抱きかかえたその瞬間です。つぶらな瞳を見つめてしまったんですねぇ
「ミャ~~」
こうなってしまうと、私ゃどうにもダメなんでありまして・・・・・連れ帰ってきてしまったと、そんなことなんです。

話を戻しますと、
公園のベンチに無造作に置かれた携帯電話。そのまま気づかなければ良かったんですが、気付いてしまったんですねぇ、しかも手に取ってしまった。
まわりを見ても忘れたらしき人はおらず、ましてちょっと水を浴びておりましたからそうとうの時間が経っている様子、そっとベンチに戻して知らん顔してくりゃよかったんですよ。よかったんですが、ほら、幸之助の「ミャ~~」といっしょでありまして・・・・
「誰かがここに置き忘れたのかなぁ、いやいや、誰かが何処かで拾ってここに置いたのかもしれない。いずれにせよ持ち主は困ってんだろうなぁ・・・・・」
いろんなことが頭の中を巡り、一度手にしてしまった責任みたいなものを感じてしまったのです。

そこで、しかたなしなし最寄りの交番へ。
ところが、
「只今、巡回中です。ご用のある方は右の電話で連絡下さい。」
との札が入り口にかかっていて、お巡りさんはその名のごとく巡回中、誰もいないじゃありませんか。
また、ここで私の人の良さというか、その電話を取ってしまったんですねぇ。(今の交番って表に付いているその電話の受話器を取るだけで、たぶん警察署の窓口だと思いますがすぐつながるようになってるんですね、ビックリ)
「あっそうですか、ではすぐに警官を向かわせますから、そこでお待ちいただけますか?」
「あ~~~はい」
待つこと約30分、パトカーが戻ってまいりました。
「いつまで待たせんだよぉ、俺にだって仕事があんだから、この貴重な30分をどうしてくれる!」
と言いたかったんですよ、言いたかったんですが、
「いやいや、わざわざ戻ってきていただくほどの事ではなかったんですが」
って、オイオイ(笑)
けっきょくは制服に弱い私がそこにはおるのであります。
優しそうなちょっとお年を召した方と、じつに笑顔が爽やかな若い方と、どちらも感じの良いお巡りさんでしたから
「まっいいか」

えっ?いったい今日は何を言いたいのかって?
だからですね、つまり、私は、捨て猫はほっておけない、落とし物もほっておけない、じつに気心の優しい男だと、まっそういうことですね。(笑)
だ・か・ら、
「そこの可愛いお嬢さん、おじさんならお付き合いしても大丈夫、安心だよぉ~~」
おいおい、そういうのが一番危ないんだっつうの
「やっぱし」

さて、今日の一枚は、カーティス・フラー&ベニー・ゴルゾン、ジャズテットです。
といっても、正式なジャズテット結成は翌年の事ですから、後付ネーミングなんですが。

1958年頃から頻繁に共演を繰り返したフラー、ゴルゾン、「BLUES ETTE」を筆頭に名演は数有りますけど、ジャズテットの最大の特長である三管フロント編成で始めて録音したのがこのアルバムだと思います。(自身がない。笑)
そんなことで、ジャズテットの名を後付けしたんでしょう。
私としては、アート・ファーマーがあっての、マッコイ・タイナーがいてのジャズテットという感覚は強いのですけどね。

ともかく、「BLUES ETTE」での二管が、リー・モーガンを加えた三管へとなり、トミー・フラナガンがウイントン・ケリーへ、ジミー・ギャリソンがポール・チェン・バースへと、ちょっと個性の違うメンバーで奏でられるゴルゾン・ハーモニーは、確実にジャズテットへと向かうその時であったわけで、三管になったその厚みを素直に楽しむ一枚ではないでしょうか。

関係のないことですが、「BLUES ETTE」「IMAGINATION」にギャリソンでしょ、同じく「IMAGINATION」と本家ジャズテット「MEET THE JAZZTET」にマッコイと、後のコルトレーン・カルテットのメンバーが、この数年にゴルゾン・ハーモニーと係わっているというあたりに個人的興味が湧いたりもしてきます。

私としての聴き所は、バラード「I'LL WALK ALONE」かな。

THE CUTIS FULLER JAZZTET
1959年8月25日録音
LEE MORGAN(tp) BENNY GOLSON(ts) CURTIS FULLER(tb) WYNTON KELLY(p) PAUL CHAMBERS(b) CHARLIE PERSIP(ds)

1.IT'S ALL RIGHT WITH ME
2.ARABIA
3.I'LL WALK ALONE
4.JUDY'S DILEMMA
5.WHEATLEITH HALL