JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

充実した午後

2006年06月10日 | g-i

一日に2回の更新というのは6ヶ月ぶりぐらいかもしれません。
まあ、いかに暇な一日を過ごしたかという証のようなものですが・・・(笑)

4日程まえに友人からDVDを借りてきました。
「返すのいつでもいいよ」と言われてはしたものの、借りっぱなしというわけにもいかず、酒疲れを癒すためにも
「ビデオ鑑賞会だぁ~!!」

借りてきたDVDは、「エド・サリヴァン・ショー」、友人は全18巻を買いそろえたそうで、うち2巻だけを借りてきたというわけです。
「ゴールデン・エイジ・オブ・ロック 5」には、大好きなジャニズ・ジョプリンが2曲、「ルーツ・オブ・ロック=R&B 4」には、シュープリームス、テンプテーションズがたっぷり収録されておりました。

シュープリームスのダイアナ・ロスを聴いているうちに、やっぱり思い出したのが、映画「LADY SINGS THE BLUES ビリー・ホリデイ物語/奇妙な果実」です。

「ビデオあったよなぁ」
2本のDVDを観た後は、「LADY SINGS THE BLUES ビリー・ホリデイ物語/奇妙な果実」まで観てしまいました。
自伝とはかなり内容が違うような気もしますが、ダイアナ・ロスの熱演はそれなりに楽しめます。ただ、全体になんとなく暗ーく描かれてしまうのは、黒人ミュージシャンを扱った映画には仕方のないことなのでしょうか? たしかにグレン・ミラーやベニー・グッドマンのように明るく描ける人生ではないかもしれませんけどね。

自伝のなかで、ビリー・ホリデイは、父の悲惨な死を経験し、初めて「STRANGE FRUIT  / 奇妙な果実」を客の前で歌ったときのことを、こんなふうにいっています。
「私は客がこの歌を嫌うのではないかと心配した。最初に私が歌ったとき、ああやっぱり歌ったのは間違いだった、心配していた通りのことが起こった、と思った。歌い終わっても、一つの拍手さえ起こらなかった。
そのうち一人の人が気の狂ったような拍手をはじめた。次に全部の人が手を叩いた。」
この後、コモドア・レコードに吹き込まれたこの曲は、ベスト・セラーとなります。

なんだか、午後はへんに充実した時間を過ごすことができました。O君、DVDありがとね、明日返します。

ということで、今日の2枚目は、ビリー・ホリデイ「奇妙な果実」であります。いかに私がヴォーカル・アルバムの所有枚数は少ないといっても、さすがにこれは持っています。
熱唱するのではなく、淡々と歌い上げているからこそ、この曲の意味がダイレクトに伝わってくるのでしょうね。とても悲しい曲です。

THE GREATEST INTERPRETATIONS OF BILLIE HOLIDAY
1939~1944年録音 
BILLIE HOLIDAY(vo) 他のパーソナルは省略
1.STRANGE FRUIT
2.YESTERDAYS
3.FINE AND MELLOW
4.I GOTTA RIGHT TO SING THE BLUES
5.HOW AM I TO KNOW?
6.MY OLD FLAME
7.I'LL GET BY
8.I COVER THE WATERFRONT
9.I'LL BE SEEING YOU
10.I'M YOURS
11.EMBRACEABLE YOU
12.AS TIME GOES BY
13.SHE'S FUNNY THAT WAY
14.LOVER COME BACK TO ME
15.I LOVE MY MAN
16.ON THE SUNNY SIDE OF THE STREET

『神薬』

2006年06月10日 | j-l

我が地方もついに梅雨入り、かと思ったら二日目に早くも中休みだそうで、今日は良い天気です。
なんだかバカにされたようですが、週末の貴重な晴れ間を活用しなければ・・・・・・・
ところが、おなかが痛いんです。へそを出したまま寝てしまったのか、はたまた連夜の不摂生の報いか、ひょっとして毒を盛られたか??????
今朝目覚めたときには、しっかり布団を掛けていましたし、バカ高い生命保険にも加入していない、これは間違いなく不摂生の報いでありましょう。

「いやあ、久しぶりに腹痛なんだけど」
「正露丸でも飲んどけば」
「は~い」

ということで、じつに数年ぶりにあの苦くて臭ーい『正露丸』を飲んでしまいました。

『正露丸』といえば、私はかなりの間、一種類の商品名だと思っておりました。
『正露丸』は、もともと『征露丸』が正しい字使いだったそうで、これは日露戦争時に開発されたため、ロシアを征するという意味で付けられた名だそうです。
それが、戦後「ソビエトに対して、これはよろしくなかろう」ってんで『正露丸』になったとか。

『征露丸』は、そもそも明治時代、陸軍の軍医だった戸塚機知(とつかみちとも)なる人物がクレオソート(ブナなどから取れる液体)を内服していた人の便から培養した大腸菌が、腸チフスを征圧することに偶然気づき、開発された薬だそうで、腸チフスに苦しんでいた戦場の兵士たちにあいだでは、『神薬』とまで呼ばれるほど効果が高い薬として重宝がられたそうです。

この効果が民間にも知れ渡り、政府が民間での販売を許可しました。何処かの製薬会社や製薬店が開発したものではなかったために、多くの製薬会社(店)が同じ『征露丸』の名称で販売することとなったというのが、『正露丸』が何種類もある原因だそうです。実際30種類あまりあるそうですよ。
だから、大幸薬品さんは「ラッパのマーク、ラッパのマーク」と強調されるのですね。
宣伝むなしく、今日私が飲んだのは、廣貫堂さんの『正露丸』でしたが

ではなぜ何処かのメーカーが商標権を取らなかったのか?じつは以前に訴訟は起きていたそうで、この時の最高裁の判断が「正露丸はすでに普通名詞、しかるに商標権にはあたらず」という判断を下したのだそうです。つまり、『正露丸』は、リンゴとか、酒とか、ジャズとかと同じ普通名詞だというわけ、ふむふむ、薬の名前にも歴史があるもんだ。

そんなことを調べていたら、『神薬』のおかげでしょうか、すっかり腹痛も治まってしまいました。めでたしめでたし(笑)

調子が良くなると不思議とお腹がすいてきます。
「よし、そば食いに行くぞ!!」
私が唯一、このあたりで美味しいと思っているそば屋さんです。店内には静かにジャズが流れ・・・・・・
今日はデューク・ジョーダンの「FLIGHT TO DENMZRK」がかかっておりました。
ということで、今日の一枚もデューク・ジョーダンであります。
「FLIGHT TO JORDAN」「FLIGHT TO DENMZRK」は、以前に紹介しておりますので、今日はジャズレーベル、シグナル時代の名盤を紹介します。残念ながら私が持っているのはサボイ盤。

シグナルは1955年発足、1年あまりで活動を中止してしまいますがその間、7作を発表、その内4作品にデューク・ジョーダンが参加しているという、いわば1年だけではありましたが彼はシグナルのハウス・ピアニスといってよい状態でした。
私はこのアルバムの「フライ・トゥ・ジョーダン」の入り方がとても好きで、必ずB面から聴くという悪い癖を持っておりました。♪ダバ・ダバ・ダバ・ダバ・ダバダバダ、ダッダーダ、ダッダーダ・・・・・♪を一度お試しください。
できとしては、どうだろう?トリオのほうがよいかな?
1曲目の「フォアキャスト」でのジョーダンのうなりが若干気になりますけど。

この写真は、左がシグナル、オリジナルの「TRIO & QUINTET」、右が「JAZZ LABORATORY VOL.1」であります。参考までに

TRIO & QUINTET / DUKE JORDAN
1955年10月10日(1~5), 11月20日(6~10)録音
DUKE JORDAN(p)
PERCY HEATH(b) ART BLAKEY(ds)
EDDIE BERT(tb) CECIL PAYNE(bs) [6~10]
1.FORECAST
2.SULTRY EVE
3.THEY CANT TAKE THAT AWAY FROM ME
4.NIGHT IN TUNISIA
5.SUMMERTIME
6.FLIGHT TO JORDAN
7.YWO LOVES
8.CU-BA
9.YESTERDAYS
10.SCOTCH BLUES