社会の荒廃 研究室(蜻蛉の眼鏡)

国連の女子差別撤廃条約に基づく男女共同参画を強行する女性独裁権力(フェミニズム)の社会病理に言及、コメント欄も充実。

どの分野にも当てはまる「正常化バイアス」 --台風接近、亀井大臣発言--

2009-10-07 12:00:36 | 事件、事故

 伊勢湾台風並みと言われている台風18号が接近している。8日朝には本州に上陸する可能性が極めて高い。進路に当たる周辺の住民は十分な注意と食糧備蓄などの準備が必要だが、果たしてどのくらいの人が台風被害を想定しているだろうか。被害に遭わなければ実感がわかないという危機管理に乏しい人も多いのではないだろうか。

 これは、「正常化バイアス」と呼ばれる心理で、社会心理学、災害心理学などで使用されている心理学用語だ。正常化の偏見、正常への偏向、日常性バイアスなど様々な呼称がある。

 例えば、津波警報が出て避難勧告が出されても、多くの人は「そんな大したことはないだろう」という何らかの安心感を抱いてしまい、本当に深刻になった場合に被害が拡大してしまうというものだ。それは台風や地震など自然災害で大きな被害が出たニュースなどを見ても、自分には関係ないだろうという、対岸の火事の意識で見てしまう人が多いことも同様だ。

 危機意識を過剰に煽ることも良くないが、危機意識が薄いのも問題だ。決して楽観視することなく的確な行動が求められる。

 ところで、鳩山政権が発足して1ヶ月近く経つが、ダム建設問題や為替相場に関する大臣発言など、決して順調な船出とは言えない様だ。そんな中、また新たな火種となりかねない発言が亀井静香金融・郵政改革担当相から飛び出した。

・「家族間殺人事件」増加で亀井担当相が経団連を批判 2009/10/06 00:07
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/309416/

 亀井静香金融・郵政改革担当相は5日、東京都内の講演で「日本で家族間の殺人事件が増えているのは(企業が)人間を人間として扱わなくなったためだ」と述べた。その上で日本経団連の御手洗冨士夫会長と会談した際に「そのことに責任を感じないとだめだ」と言ったというエピソードを披露し、経団連を批判した。
(一部引用)

 この発言を巡っては、ネット上でも賛否両論ある。犯罪は全て本人の責任だという否定的な意見から、今まで誰も言わなかっただけで妥当な指摘といった支持的意見まで、世論の見解も分かれているようだ。

 では、私はというと、亀井氏の発言にほぼ賛同する立場である。確かに、大企業から家族殺人に一気に結び付けてしまうのは論理が飛躍しすぎで説明不足の感は否めないが、フェミニズムによる権力主義が企業社会にも影響を及ぼしていることを考えれば、十分説明が出来る。

 そもそもフェミニズムは女性だけの権利を優先させ男性から権利を奪う思想である。それが基礎となって男女雇用機会均等法や育児介護休業法など女性労働優先の法律が出来ているのだから、企業もそれに合わせざるを得ない。ところがこれら法律を遵守していくには多額の経費がかかる。そのため雇用形態も終身雇用から非正規雇用などに切り替えて人件費を削減せざるを得なくなったというものだ。企業が人間を人間として扱わなくなったのも当然と言えば当然である。

 ところが、そうなると責任は企業ではなくフェミニズムではないかということになるのだが、そこは亀井氏も考えているのだと思う。真正面からフェミニズムを批判出来るような状況ではない現状だからこそ、矛先を企業に向けるしかないのだ。従って亀井氏は腹の中ではフェミニズムを批判しているものの、直接批判は出来ないから婉曲的批判として企業責任を指摘したのだと思う。

 フェミニズムの蔓延は全く衰える気配がない。だがこれについても多くの国民は知らぬ顔をしている。これも一種の「正常化バイアス」と言えるのではないだろうか。幾らフェミニズムの危険性を訴えても、「そこまで悲観的になることもないだろう」という意識でしか捉えられない人は依然として多い。だからフェミニズムの影響を感じずに過ぎてしまっている。従って、殺人や強姦などの事件が起きても非難の矛先を犯人に向けるだけで、そういう社会にしてしまったフェミニズムの責任を指摘する人はごく僅かしかいないのだ。

 巨大な台風や地震は家屋の倒壊や人命を脅かす物理的な被害をもたらす。しかしそれでも大半の人は「正常化バイアス」を抱いてしまうのだから、時計の短針のような目に見えない動きに相当するフェミニズムの蔓延に気付けと言っても無理なのかも知れない。だがその無理と思えることを我々は伝えていかなければならないのだと思う。

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