http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121128-00000063-mai-pol
滋賀県知事の嘉田由紀子氏が立ち上げた日本未来の党に対するマスコミの取り上げ方が過熱気味と感じるのは私だけだろうか。発足直後に小沢一郎率いる国民の生活が合流を決めた。事実上は小沢の隠れ蓑だという指摘もある。
・「未来」は嘉田氏をかついだ小沢氏隠し? 違いすぎる両者のカラー 2012.11.28
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20121128/plt1211281153005-n1.htm
たとえ小沢氏の隠れ蓑であるとしても、小沢氏は消費税増税に反対して民主党を離党したのだから、それだけ見れば評価出来ると言えるだろう。しかし問題は嘉田氏が掲げる政策の中身である。
・嘉田知事が示した「結集軸」【12衆院選】
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012112700882
滋賀県の嘉田由紀子知事が27日、新党結成に際して掲げた「政治の結集軸」は次の通り。
1、「卒原発」=原発のない再生可能エネルギー社会へ。原発稼働ゼロから全原発廃炉の道筋を創ります。
1、「活女性、子ども」=全員参加型社会へ。誰もが居場所のある社会を実現します。
1、「守暮らし」=安心・安全を実感できる社会へ。みなさんの生活に対する不安を取り除きます。
1、「脱増税」=家計の復活へ。消費増税の前に、徹底して無駄を削除します。
1、「脱官僚」=行政・司法の抜本改革の断行へ。国民・地域の立場に立った行政・司法に改めます。
1、「誇外交」=主権国家としての権利を堅持へ。食品の安全、医療制度を守り、品格ある外交を展開します。(2012/11/27-19:32)
この中で最も警戒すべきは「活女性、子ども」の政策である。これを見ただけで本ブログの常連読者であればすぐにフェミ政策であると気付くだろう。勿論フェミ女性団体はじめとするあらゆるフェミ勢力がこの政党を支持することは間違いない。恐らく選挙の候補者もフェミニストで固められるだろう。
従って、言うまでもなくこの政党は日本未来の党ではなく「女性のみの未来の党」だと言っても過言ではない。フェミ政策は男女共同参画社会の発足から10年以上、男女雇用機会均等法から数えれば20年以上にわたり男性を痛め続けてきた。その状況で更にフェミ政策を進めると宣言しているのだから「男性虐待継続党」と言ってもいいだろう。
しかも、この政党の掲げる脱原発の理念に関しても疑問がある。何故なら嘉田知事は先月に関西電力大飯原発を事実上容認する表明をしたばかりなのだ。
・大飯稼働「認めるしかない」滋賀知事が軌道修正
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20121016-OYT1T00721.htm
勿論、これについて嘉田氏に問い質したとしても、やむなく容認であって全面的に賛成ではないなどと言い訳するであろう。だがそうであれば、当時は稼動に否定的だった橋下徹大阪市長の姿勢まで批判しなくてもいいではないかということになる。結局はその時その時で国民に受けのいいことを言って、選挙の時だけ支持してもらえれば、当選すればあとはこっちのものだという汚い企みがあるとしか思えない。
一方、ネット上でも、この政党を支援する坂本龍一や茂木健一郎などの著名人の面々を見てもこの政党は反日左翼系に違いないという意見が目立つ。更には、大津のいじめ自殺事件の隠蔽に関与したとも言われている。
逆に、中日新聞の社説では、民意の良き受け皿になるようにと諸手を挙げてこの未来の党に好意的である。今や新聞が支持することは不正義で、新聞が批判したり隠したりすることの方が正義であるという考え方を世の中に広めていく必要があるかも知れない。
新聞、テレビは最大の反面教師といったところだろうか。
・「未来」は嘉田氏をかついだ小沢氏隠し? 違いすぎる両者のカラー 2012.11.28
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20121128/plt1211281153005-n1.htm
滋賀県の嘉田由紀子知事が、「卒原発」を掲げて「日本未来の党(未来)」結党を宣言し、小沢一郎代表率いる「国民の生活が第一(生活)」は合流を即断した。他の中小政党も加わり、100人規模の候補者擁立を目指すというが、経済や外交安保、社会保障などの政策は未知数のままだ。嘉田氏の独特な雰囲気で有権者の支持を集めるのか、選挙目当ての「救命ボート」や「小沢隠し」といった批判を浴びるのか。
「実態を見ると小沢新党だ。小沢氏は、評判が悪くなると目くらましをして新党をつくる手法で今まで生き残った。嘉田氏はオブラートにすぎない。『脱原発』も小沢氏には生き残りのための手段なのではないか」
自民党の高村正彦副総裁は、未来結党表明から一夜明けた28日午前、党本部で記者団にこう語った。
確かに、未来結党には、小沢氏の関与が指摘されている。10月中旬に嘉田氏と会談して党首就任を要請。11月中旬、石原慎太郎代表、橋下徹代表代行の「日本維新の会(維新)」が始動すると、水面下で調整を本格化し、先週24日の再会談で、新党結成を強く促したという。
嘉田氏は、支持者から「小沢氏とはカラーが違いすぎる」「無党派層の支持を失う」などと反対意見を受けたが、最終的に「卒原発への国民の期待を受け止めたい」と新党結党を決断した。
生活内部にも、嘉田氏を党首に担ぐことに不満もあったが、第3極での埋没感があるなか、「小沢氏が前面に立てばイメージダウンも懸念される。(小沢氏は裏方で)嘉田氏主導の形を取るしかない」(幹部)との意見が大勢を占めたという。
ただ、国政の課題は原発問題だけではない。
産経新聞社とFNNの最新世論調査(17、18日実施)で、衆院選で重視する争点を聞くと、「景気・経済対策」(33・6%)と、「医療・年金などの社会保障」(20・6%)を挙げる回答が上位で、「原発・エネルギー政策」は7・9%だった。
27日の結党会見で、嘉田氏は「卒原発」以外の政策を記者団から詰められると、「もう少し時間をいただきたい…」と防戦に追われた。公務を理由に会見は約40分で打ち切られ、慌ただしく会見場を後にした。
嘉田氏は知事を辞めないため、同党は衆院選後、国政の裏を知り尽くした小沢氏や亀井静香前国民新党代表らを中心に議会活動をしていくとみられる。この構図はまさに、鳩山由紀夫元首相を御輿(みこし)に担いで誕生した、民主、国民新党連立政権とほぼ同じだ。
有権者は、夢のような「公約」や「主張」に騙されることなく、各政党の本質を見極める必要がありそうだ。
・大飯稼働「認めるしかない」滋賀知事が軌道修正
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20121016-OYT1T00721.htm
滋賀県の嘉田由紀子知事は16日の定例記者会見で、関西電力大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)の稼働について「現状では認めるしかない」と述べ、従来の慎重姿勢を大きく軌道修正した。
橋下徹・大阪市長が稼働に否定的立場を取っていることについても「現実的とは思えない」と批判した。
嘉田知事は大飯原発の再稼働後も「安全基準は暫定的で、一刻も早く再審査に臨んでほしい」などと主張していた。ある県幹部は「関電と原子力安全協定の締結に向けた協議を進めている今、再稼働の議論をしても仕方がないとの考えがあるようだ」と話した。
(2012年10月16日13時28分 読売新聞)
・【社説】「脱原発」新党 民意のよき受け皿に 2012年11月28日
http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2012112802000103.html
3・11後、初の総選挙なのに、大きな争点であるはずの「原発」の議論が欠けていた。嘉田由紀子滋賀県知事が脱原発の新党「日本未来の党」の結成を発表した。民意のよき受け皿になってほしい。
嘉田氏は「今のままでは投票する政党がないとの声を聞く。真の第三極をつくりたい」と述べた。
結集軸として脱原発を前面に打ち出し、地方、女性、子どもの視点を大切にするという。これまでの政治に希望を見いだせなかった人たちに、期待は膨らむはずだ。
十四の政党が乱立する次期衆院選に向け、各党はそれぞれ原発政策を掲げている。だが、スローガン的な公約が多く、今後の原発政策の進め方について、国民には違いが見えにくいのが実態だ。
嘉田氏は「原発のない再生可能エネルギー社会へ向け、原発稼働ゼロから全原発廃炉への道筋をつくる」と明言した。新党は、脱原発の民意を広く受け止める役割を発揮してほしい。
脱原発を重要公約に掲げる新党が登場しビジョンを示すことで、原発政策の議論が盛り上がることを期待したい。
嘉田氏の構想には、小沢一郎代表の「国民の生活が第一」、河村たかし名古屋市長が共同代表の「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」、谷岡郁子参院議員が共同代表の「みどりの風」が合流や連携に動きだしている。
石原慎太郎氏が代表の日本維新の会は、脱原発の姿勢が不鮮明になったと言わざるをえない。
注文もある。嘉田氏は「卒原発と言っており、卒業までに時間がかかる」と言う。「十年後をメドにすべての原発を廃止」の「国民の生活」や、「予定表を作って原発と決別」の「減税日本」などと最低限の調整は必要だ。
原発ゼロまでのスケジュールや代替エネルギー、電力供給地域の経済・雇用対策について、大きな枠組みとして統一的な考えを示せないものだろうか。そうでなければ、民意は戸惑う。
広範な民意の結集を考えるのなら、共産党や社民党とも協力を探ってはどうか。
琵琶湖博物館の学芸員でもあった嘉田氏は「経済性だけで原子力政策を推進することは、国家としての品格を失い、地球倫理上も許されない」と強調した。
原発事故後の日本は、一体どんな選択をするのか。どんな未来を築くのか。世界も注視する選挙なのである。