1.はじめに
本論考は前作「女性専用車両とフェミニズム」の要約(2~7)と、社会が今後目指すべき道(8~9)について解説したものである。
2.公共性の高いものに女性優遇があってよいのか
2001年5月に京王線に女性専用車両が導入されて以来、各地で拡大されている。深夜限定のものから、朝のラッシュ時限定のもの、土休日終日運行のものまでその範囲や目的は様々であるが、一律に男性と言うだけの理由で締め出しを行うこの政策は、男性に対する侮辱とも受け取れる強引な政策と言えよう。しかも、車両の増結等行うことなく車両の一部を女性専用にすれば、一般車両が混雑し、男性乗客の利便性が悪化することは明らかである。ところが、鉄道各社の利用者に対する調査によると、女性専用車両は男性、女性の何れにも好評であるとの見解を出している。女性専用車両というと、必ず理由として挙げられるのが痴漢防止であるが、導入されている時間帯が深夜であるケースや土休日を含む終日にわたって導入されているケースなどを見る限り、女性に特化した過剰サービスである意味合いが強いと考えられる。
3.痴漢対策というのは口実
女性専用車両について国土交通省や鉄道会社は、女性に対しては痴漢防止、男性に対しては冤罪防止という利点があると結論付けている。しかし、痴漢は車内だけで起きるわけではないので、たとえ車内で痴漢が減少しても、路上など痴漢が起きる場所が変われば何の意味もない。また冤罪に関しても、悪意を持った示談金目当ての女や不快を感じれば手当たり次第に男性を犯人呼ばわりすれば良いと考える安直な女性などに対しては何の防御にもならない。このように女性専用車両が痴漢対策というのは、極めて一部の効果にしかなり得ないのが実状である。女性専用車両が一般車両に比べすいている場合が多いことなどはその必要性が疑問視されている何よりの証ではないだろうか。
4.女性の特権意識が更なる不満を煽る
女性専用車両を利用する女性の意識にも問題がある。男性はオヤジ臭くて嫌だとか、男性と接触すること自体が嫌だとか、男性がいないのが安心だとか、男性の目を気にする必要はないなど、潜在的に男性を邪魔者扱いしているかのような女性の意識が目立つ。また車内で化粧や着替えを行ったり、飲食や座り込み、携帯電話をかけたりなどマナーの悪さが目立つのも、女性専用車両を特権的空間と捉えている女性の意識が垣間見える。
5.社会は女性だけの空間ではない
鉄道は国民生活に密着していて切り離すことの出来ない存在であり、利用者だけの問題ではない。皇位継承や相撲の土俵のように国民生活とかけ離れたものとは根本的に視点が違う。しかし昨今の潮流としては女人禁制は不当だが男子禁制(女性専用)は正当という傾向を感じる。その潮流に便乗して女性専用車両を定着させようというのは、女性だけの豊かな環境を求めたいと言う贅沢に等しい。女性専用車両の導入は、女性に好都合な環境が与えられればそれに多くの女性が甘んじてしまうといった、女性を甘やかす意識につながりかねない。今後こうした意識が発展すれば、社会の至る所に女性専用の空間が必要という風潮が蔓延してしまう。それは何も物理的な空間にとどまらず、あらゆる社会制度や慣習にまで及ぶ可能性は十分考えられる。しかしそうした社会環境は、男性を女性の都合のいい時だけ利用し、都合の悪い時は締め出すという御都合主義を一層強化させてしまうことになる。
6.男女間の対立構図が更なる混乱を生む
先述の、鉄道各社の利用者に対する調査について考察してみる。男性、女性共に女性専用車両には概ね賛成という結果だというが、そもそも女性専用車両を実際に導入した鉄道会社が、導入間もない時期に調査した結果に果たしてどれほどの信頼性があるだろうか。もし仮にこの結果が民意を正しく反映したものと解釈するならば、女性が優遇されるのは当たり前という意識を女性は強く持っているということになる。ならばそうした女性の意識のあり方そのものに異議を唱えるべきではないだろうか。
7.元凶は男女共同参画、フェミニズム
自分さえ良ければそれでいいという女性の意識が男性の反発を買い、社会のあらゆる場面で男女が対立する構図を作り上げてしまっている。そのような社会は更に息苦しい社会となるであろう。女性専用車両は、男女共同参画社会の名目でフェミニストと呼ばれる女性権力主義者を中心に進められている。しかし、露骨な女性優遇策が男女の感情対立を招くという大きな弊害について、連中はどこまで考えているのだろうか。そしてその弊害は、優遇される立場である女性に対する攻撃となって振り向けられるのだ。そんな政策は見せ掛けだけの甘い汁にしかなり得ない。
8.フェミニズムは人の心を破壊する
清楚で、純朴で、優しい女性ばかりであれば、誰も女性専用車両に反対しないのではないだろうか? しかし実際はどうだろう、女性だけの自由、権利ばかりを主張して男性に対しては何かと行動制限や意識改革ばかりを強いる。働く女性だけが美徳とされ、結婚しない女性や、すぐに離婚して慰謝料や養育費を容赦なく請求する女性ばかりを増やそうとする。その反面、家事育児など家庭生活を中心とする女性は税金を払わない無職者だと非難する。更に男性には意味もなく臭いだの汚いだのとある時には黴菌扱いし、自己中だの女性を理解しないだのとある時には未熟者扱いする。こうした風潮は、フェミニスト率いる男女共同参画が作り上げた結果だ。連中はあの手この手で女性の意識を腐敗させ、男性や家庭的な女性を敵視し見下していく。そうした歪んだ社会背景の下、我が物顔で女性専用車両に乗り込み、「臭い男がいなくて快適だ」などと乗車体験記を自身のブログ等で平然と公言するような心の乱れた女性が闊歩する現状であれば、反論が出るのは当然と言えよう。
9.フェミニズムを社会排除し、男女が慈愛心を持つ家族社会を取り戻せ
特殊な場合を除き、人は誰でも、父親と母親の営む家庭の下で生まれ育った。それは別に誰のためということではない。結婚して、家庭を築き、子供を設け、育児を通じて家族の絆を深め、父親と母親が更に成長して、子供達に親の培った知恵を受け継がせていく。これは人が人として生きる最も自然なことでありそして責務ではないだろうか。それを果たさぬ者は、自然破壊をしていることになってしまう。つまり、働く女性だけが自由奔放に生きられる社会を目指すフェミニズムは実に邪悪な自然破壊思想と言えるのではないだろうか。従って、このような思想を一刻も早く社会排除し、男女が互いに慈しみ、純粋な性愛を営むことが出来る家族社会を取り戻していく必要があるだろう。
10.おわりに
先頃、秋篠宮殿下様、紀子妃殿下様との間に男児の新宮様(後に悠仁様と命名)が誕生した。国民はそれを自分達のことであるかのように喜び、祝福した。新しい命の誕生はそれだけ素晴らしいものなのだと思う。それなのに、家庭での子育てよりも外で働くことを優先させて保育所の充実化を図り、それらの経費を税金で補ったり、しかも結婚するも子供を設けるのも女性の自己決定権であるなどとするフェミニズムの理念に、果たして命の尊さというものが感じられるだろうか。人の命を粗末にしているからこそ、女性専用車両という安易な発想も出てきてしまうのではないだろうか。
(H18.09.20.)