社会の荒廃 研究室(蜻蛉の眼鏡)

国連の女子差別撤廃条約に基づく男女共同参画を強行する女性独裁権力(フェミニズム)の社会病理に言及、コメント欄も充実。

女性専用車両とフェミニズム

2005-04-15 00:00:00 | 特集:女性専用車両

1.はじめに
 女性専用車両が各地で拡大している。それに伴い、この女性専用車両をめぐる論議も活発になっている。以下、様々な意見や政治的背景を基に、女性専用車両の社会的影響について考察したい。

2.安易な男性排除、女性の特権意識の増幅
 男性であるというだけで痴漢と同一視をして排除する、女性の都合だけで男性を自由に操作する、まさに女性による男性支配と言っても過言ではない。現在既に、女性のために男性が犠牲を払うのは当然と考える女性が一部存在する。この様な男性排除の産物は女性の特権意識を更に強化させてしまうことになりかねない。

3.賛成意見が目立つメディアの報道
 メディアの報道も女性専用車両に賛同する報道に偏っている。例えば「関西に比べ女性専用車両の浸透が遅れていた首都圏で、導入が一気に進む。」と最初から女性専用車両があるべき姿であるかのような表現をしたり、賛成する女性の意見を率先して報道して世論誘導をしているかのようだ。

4.賛成する女性の意見、バランス感覚乏しい
 女性専用車両に賛成する女性の意見として、「男性がいないから安心」などといった声をよく聞く。しかしこうした安易な意見を言ってしまうことにより、余計に女性は男性から不信感を持たれるのではないだろうか。もしこれが「女性がいないから安心」という男性の意見だったら、女性はどう感じるだろうか。

5.女性専用車両は痴漢対策にはならない
 女性専用車両は痴漢対策という意見をよく聞く。しかし、本当にそうだろうか。これまでに女性専用車両が導入されている西日本や名古屋の例では、導入後に痴漢件数は決して減少したとは言えない結果が出ている。また考え方一つで、女性専用車両を正当化することは以下の通りいくらでもできてしまう。
「導入後に痴漢件数が減少→ 女性専用車両の効果が表れた。」
「導入後に痴漢件数が増加→ 今まで黙っていた女性が声を上げるようになった。」
それに、いくら痴漢件数が減少したと言っても所詮は電車の中だけの話。路上など電車の外での痴漢が増加してしまえば全く効果はなく、根本的な解決にはならない。
 また、女性専用車両は男性が痴漢に疑われることなく冤罪防止にもつながる、という意見があるが、一般車両が女性に開放されている以上、効果は極めて薄い。

6.電車通勤でない人にも関係する
 女性専用車両があっても、自分は電車通勤ではないので関係ない、という人がいる。しかしそれは誤りで、女性専用車両は一つの社会問題として捉えなければいけない。何故なら、電車というのは公共の乗り物であり、国民生活と極めて関わりが深いからである。自分が利用者でなくても、身内に利用者がいるかも知れないし、何れ自分が利用者の立場になるかも知れないからだ。特に夫が通勤列車を利用しているという主婦にとっては実に複雑な心境ではないだろうか。

7.痴漢がいるから悪い、そこまでで思考停止ですか
 元を正せば痴漢がいるから悪いのだ、と考える人がいる。しかしここで問題なのは、痴漢が存在する原因にまで掘り下げた考察をしていないということである。痴漢が存在することを社会標準として女性専用車両が導入されたのだから、痴漢がいるから悪いと言うだけでは問題は解決しないばかりか、女性専用車両の更なる拡大を許してしまう。

8.痴漢は男女の連帯責任
 痴漢は男性が行うのだから、責任は男性が連帯で負うべきで、そのための女性専用車両により男性の利便性が悪化するのは当然だと考える人がいる。しかしこの考え方こそまさに男性だけに責任を押し付け、女性が責任逃れをするための都合のいい口実と言えよう。そもそも老若男女問わず同じ社会の中で干渉しながら生活しているのだから、連帯責任は国民全てにあると考えるのが妥当だろう。特に性的接触に関わる問題は、男女双方が互いに理解を深めることが重要であって、決して女性の意識だけを基準として男性に規制を加える手段はあるべき姿ではない。

9.女性専用車両が差別かどうか単純には断言できない
 「差別」に対する感じ方というのは人それぞれで、女性専用車両が存在するだけで差別と感じる人もいれば、現状の運用程度であれば問題ないと考えている人もいる。問題ないと考える人にいくら差別であると説明したところで、決して納得はしない。各個人の生活体験や世代間の違いがこうした感じ方の違いを生み出していると言えよう。

10.女性専用車両に賛成する男性の誤解
 女性専用車両には女性だけでなく、男性も過半数が賛成しているという。勿論この手の調査結果にどのくらいの信頼性や説得力があるかはともかくとして、特に男性の賛成意見に多いのが、痴漢防止のために一部が女性専用になるのは大したことではないというものである。例えば、10両編成の列車のうち1両が女性専用になったからといって、女性専用車両に女性が集中するだけで全体の混雑は以前と大差ないし、もとより女性の安全確保に男性が協力するのは「弱者の女性を守る」意味で当然のことではないかというものだ。しかし、現実には一般車両の混雑が想像を絶する程深刻であるという実際の利用者の声など、協力する男性の犠牲は思いの他大きく、とても許容範囲とは言えないのではないだろうか。また、自分と無関係な女性のために何故男性が犠牲にされるのかというのも疑問である。

11.団塊世代男性のプライドがあだに
 「弱者の女性を守る」、こうした主張は主に団塊世代の中高年男性など年配の男性に多いようだ。聞こえはいいし格好いい言葉かも知れない。確かに彼らの世代のように終身雇用制など安定した収入が保障され、一方で女性は結婚して妻となり家庭を守るといった安定した家族社会であれば、将来は良妻賢母となるべく大和撫子を日本男児が守ることは当然だという論法も成り立つかも知れない。しかし女性の社会進出に代表されるような女性の人生観の変化や、それを後押しする女性の権利、人権といった女性運動の影響で、女性が大和撫子の精神を忘れかけている現状、年配男性が誇りと思うような武士道の精神がかえって女性を傲慢にしてしまってはいないだろうか。

12.苦情に対する鉄道会社の回答マニュアル
 女性専用車両に関する苦情のメールや電話をした人の意見では、苦情が出ることを想定して予め対応マニュアルがあるのではないかという声を聞く。特にメールでの苦情は定型文が用意されていてそれが送り返されてくるだけなので意味がないと言う人もいる。この様に、予め苦情に対する用意が周到であったとするならば、それだけ女性専用車両という手段が不合理であるということと、その不合理な手段を是が非でもごり押ししなければならない別の理由が存在するように思えてならない。

13.男性専用はだめでも女性専用はOK?
 皇位継承権や相撲の土俵、それに女人禁制の山の話題など、男性中心の諸制度・施設に関しては男女平等を理由に変更を求める一方で、女性専用車両に代表される女性専用の諸制度・施設は次々と拡大されていく。こうした世間の動きに違和感を感じる人は決して少なくないだろう。しかしここで重要なのは、土俵や女性専用車両といった、個々の現状を一つ一つ取り上げ理屈をつけて正当化或いは否定するというのは大して意味がないということである。では何が重要なのだろうか。

14.女性専用車両を拡大する傾向が大きな問題
 今後、土俵や女性専用車両などの諸制度・施設はどう変わると予想されるだろうか。恐らく土俵などの女人禁制はなくなり、女性専用車両などの女性専用は増えていくと考える人が多いのではないだろうか。何故そう考えるのか。多くの人は、「時代の流れだから」と言うだろう。では「時代の流れ」とはどんな流れだろうか。

15.女性専用車両を推進する背後権力が「時代の流れ」を作る
 国土交通省のHP(*1)を見ると、女性専用車両は、「男女共同参画社会」の一環として国家政策として進められていることがわかる。つまり決して鉄道会社の自主判断ではないということだ。では男女共同参画社会とは一体何だろう。
 男女共同参画社会とは、女性が主婦として家事育児を担うことを中心とした生き方から、会社組織などの外部で男性と共に労働することを中心とする生き方へ変革していくための様々な支援の仕組みを指す。具体的には、女性の雇用促進(特に国会議員、公務員、医師、弁護士、教師など国家資格を要するような職業)、保育所等の外部育児施設の充実化、産休や育休など子育てをしながら仕事ができる環境の充実化、更に職場での女性の労働環境の充実化など、女性が働き易い環境を国家ぐるみで支援するものだ。女性専用車両もこうした活動の一環と位置付けられる。そしてこれらの政策はフェミニストと呼ばれる女性権力主義者を中心に進められている。

(*1)「女性専用車両 路線拡大モデル調査」報告書の概要について
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha03/15/151209_.html

16.フェミニズム(フェミニスト)とは?
 フェミニズムは女性解放論、女性権利拡張論などと一般的には訳されるが、この理念の問題点は、男女を対比して女性に全て優先権があるという考え方を基本としているところにある。本来、男女は互いの意識を尊重し譲り合い、歩み寄ることが大切であるはずなのにこの理念にはそれが感じられず、女性側が一方的に有利になる論調に偏ってしまうことが多い。女性専用車両という奇策が蔓延してしまうのもこの理念が根底にあるからではないだろうか。またこの理念を主張する者のことをフェミニストと言うが、彼女らは男性に対する敵対心、軽蔑心などの偏見を持っている。彼女らは自らの欲求のため、特定の事柄について男性より女性の方が劣勢であるとして、それが女性差別であると主張し改変を求める。また、女性は弱者であるとして男性より特別の保護を求める主張もする。
中でも、国会議員、公務員、医師、弁護士、教師など国家資格を要するような職業(以下、「専門職」と略す)における女性の登用にはフェミニストは躍起になっている。例えば国会議員の女性比率が日本では約10%だが、これ自体が彼女らは女性差別だと言う。そして国会議員の女性比率が高い欧米諸国の例と比較し、日本は男尊女卑が著しい国だとして、一人でも多くの女性議員を増やすことを主張する。

17.男性専用車両が出来ない理由、女性専用車両に特別料金が課されない理由
 女性専用車両に違和感を持つ人の中でも、男性専用車両も同時に設置されれば構わないと考える人や、或いは女性専用車両をグリーン車などの特別車と捉え、特別料金を課すのであれば構わないと考える人がいる。中には乗客数の男女比や階段の位置など利便性も考慮して男性専用と女性専用と一般用の配分をどうすべきか具体的な提案をしている意見も見かける。しかし、国土交通省の調査報告書(*2)にも記載があるように、男性専用車両や特別料金制には何れも否定的である。このことから、男性専用車両や特別料金制の女性専用車両は余程の革命的な政変でも起きない限り実現しないことが予想される。

(*2)女性専用車両に関する調査報告書
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha03/15/151209/02.pdf

「通勤時間帯の運用なので男性旅客が圧倒的に多いことを勘案し、男性専用車両の運用は考えていない。また、迷惑行為の被害者はほとんどが女性である。(21頁)」

「男性専用車両導入について、反対する女性参加者はいなかった。また、今回の試験導入におけるアンケート結果を見てから痴漢冤罪防止のために
設けるべきとの意見もあった。 これについては、鉄道会社側では留意しているものの現時点ではそれほどニーズが高いとは判断しておらず、導入は予定していない。(108頁)」

「男性からは、(中略)女性が女性専用車両に乗車せず一般車両を利用することについては、女性にとっての選択権であり、女性専用車両の利用者がいる限りは気にならないとされた。(112頁)」

「女性専用車両と一般車両に運賃格差をつけることについては、そういう考え方自体がそぐわないとの理由で女性全員が反対であった。(113頁)」
(以上、女性専用車両に関する調査報告書より)

18.女性専用車両は女性権力の証
 女性専用車両の女性乗客と一般車両の男性乗客とを比較し、女性には活気があり男性には精彩がないなど女性の優越感を誇示するかのような記事を目にしたことがある人もいるだろう。あたかも女性専用車両が女性の特権であるかのように感じさせる論調に嫌悪感を感じる男性も多いだろう。ではそこまでして女性専用車両を賞賛し定着させようという狙いはどこにあるのだろうか。そこには、誰も気付かない様な壮大な国家計画を孕んでいる様に思えてならない。

19.アファーマティブアクションとしての女性専用車両
 女性専用車両はアファーマティブアクション(優遇策)の一つと考えられる。アファーマティブアクションと言っても聞き慣れない人もいるかも知れない。簡単に説明すると、例えば従業員の採用試験などで、募集40人に対し男性100人女性20人が受験し、たまたま結果が上位40人は全て男性だったとする。この時、そのまま上位成績者を順に採用するなら40人全て男性となる。そこで、募集40人のうち予め女性専用枠として最低10人は女性を採用すると決めて、実際は上位30人と女性だけの上位10人を採用するというものである。勿論現実に企業や公務員試験などにおいてこうした手法が採られているかどうかはわからないし、必ず男性が上位の成績を収める保障などどこにもない。但しこのような手法が存在するのは確かで、海外では医師や弁護士などの国家試験や議員選挙などに適用されているケースがあるという。また日本でもこの手法を用いて女性医師や女性国会議員など専門職の女性を増やそうという意見がある。

20.女性専用枠の社会的認知
 アファーマティブアクションの適用の仕方は様々だが、必ず優遇と犠牲が発生するという点が最大の問題である。上記の例の場合、上位31位~40位の男性は採用に匹敵する成績であるにもかかわらず不採用となってしまう。またその代わりに採用された女性10人が「女性専用枠で採用になっただけだ」と周囲から思われ、かえって新たな差別や偏見を生み出してしまう可能性がある。そのため、この手法を安易に適用すべきではないとの指摘は多い。仮に適用されたとしても、公表するのではなく秘密裏に行われる場合が多いと思われる。しかしそれでは限界がある。そのよりもこの手法が市民権を得ることを考えた方が早い。だがそのためには、既成事実を作って広く世間に認知させる必要がある。そこで女性専用車両は、このアファーマティブアクションを広く世間に認知させるためには格好の材料と言えるのだ。男性専用車両の設置や女性専用車両に特別料金を課すことには一切否定的であったり、苦情に対する回答が形式的なのも、女性専用車両を世間に定着させ、アファーマティブアクションの広告塔にしたいというフェミニストの思惑が見え隠れする。

21.次々と拡大される女性専用
 女性専用車両が男女共同参画の一環であるというのは第15項で説明した通りだ。そして女性専用車両は車両編成にアファーマティブアクションを行った結果と考えられる。あとはこの状況を世間に認知させ、「女性専用は当たり前」という風潮を世間に浸透させていく。更に女性専用の多様な施設を拡大する。女性専用バス、タクシー、飛行機、女性専用休憩室、女性専用道路、女性専用エレベーター、エスカレーター、あげればきりがない。最早理由などなくても女性専用は次々と広がっていくだろう。勿論この間の反対意見はほとんど無視されるだろう。それどころか、やがて「女性専用が無ければ女性差別、人権侵害」という論調をフェミニストは呼び起こすだろう。現在検討中の人権擁護法が法制化されれば更にこうした動きに拍車がかかると考えられる。

22.フェミニストが支配する暗黒社会、「女性権力社会」へ
 そしてついに男女共同参画の根幹とも言うべき、専門職への女性登用を増やすための女性専用枠の登場である。国会議員をはじめ、公務員、医師、弁護士、教師などありとあらゆるものに女性専用枠を適用する。特にフェミニズムの勢力を左右する国会議員への女性専用枠の適用は真っ先に行われることだろう。こうして権力を持った女性を次々と増やし、フェミニストの勢力は益々拡大されていく。そして自身の私利私欲と男性に対する偏見だけで一方的な政策を繰り広げていくことが今まで以上に容易くなる。しかしその結果、人情味の欠片もない女性ばかりが増殖し、男性は虐げられ行き場を失っていくことだろう。それはまるで女性が集まる部屋では高級料理の盛大なパーティーが開かれている一方で、男性が集まる部屋ではひっそり静まり返って明日の飯の種に悩んでいるようなものだ。当然その様に歪められた社会は健全な社会からはほど遠く、欲望と支配、そして怨恨と犯罪だけが反復強化される暗黒の社会となるだろう。そしてわが国は既にその暗黒社会へ向かって坂を滑り落ちている最中なのだ。

23.おわりに
 以上、女性専用車両がもたらす様々な悪影響や社会変革について述べた。これを読んだ人の中には、「ちょっと考えすぎで被害妄想では?」と思った人もいるかも知れない。しかし、女性専用車両は単純に痴漢防止の救済策として独立してなされたものではなく、フェミニストの権力である男女共同参画の一環として進められていること、そして男女共同参画は政府の中枢である内閣府の男女共同参画局が中心となって運営され、各省庁に強い影響力をもたらしていることを知っておく必要がある。更に、男女共同参画の背後には国連の女子差別撤廃条約が控えているということも覚えておいて欲しい。今や世界がフェミニストによって支配されようとしていると言っても言い過ぎではないだろう。
(H17.04.15.)