何年か前の話。
日本語クラスに一人の女の子が、
お友だちと一緒に初めて来ました。
自分のことを「わたがし(綿花糖)」
と呼んでほしいと言っていました。
日本語は50音が読めるぐらい。
でも、2か月後には日本に行くのだという。
今思うと、
ワーキングホリデーを利用するつもりだったのな?
語学学校に入るのでもなく、
向こうでアルバイトをすると言っていたので。
かわいい女の子でした。
高校を出てから、
親元を離れて、
レストランで仕事をしているということでした。
でも、ちょっと様子がおかしい。
クラスが終わってもなかなか帰ろうとしない。
もう遅いから帰るように促すと、
帰りたくないのだという。
実は、
その時借りていたお部屋は、
間借りのような感じで、
ある家族と同居している感じなのだとか。
とても安い家賃だとのこと。
ところが、その夫婦の奥さんが、
最近出て行ってしまって、
その後、
そこの旦那さんは、
いつも彼女の部屋に入って来ようとするとか。
そして、家賃をただにするから、
洗濯や掃除をしたり、
身の回りの世話をしてほしいというらしい。
だから、帰りたくないのだという。
そりゃそうでしょう。
じゃあ、とにかく今晩はうちに泊めてあげるから、
今後のことはまた考えようと、
彼女をうちに泊めてあげました。
その晩、
彼女といろいろ話したら、
問題は、思っていた以上に深刻でした。
まずは、一旦実家に帰るように勧めたのですが、
両親は、彼女が小学校の時にすでに離婚しているとのこと。
家は二人姉妹だったのだけれど、
あるとき家に帰ると、
お母さんは妹だけを連れて、
家を出てしまっていたらしい。
その後、お母さんに会いに行ったり、
泊りに行ったりはするのだけれど、
お母さんはすでに他の男性と住んでいるので、
拒絶はされないけれども
長くはいられないということでした。
そして、お父さん。
優しいお父さんではあったけれど、
彼女が成長するにつれて、
AVを一緒に見ようとか、
シャワーを浴びていると、
洗ってあげようと
入って来ようとしたりとかするらしい。
そんなこんなで彼女も家にいられなくなり、
高校卒業と同時に家を出て、
外に部屋を借りて働いているのだとのこと。
心機一転やり直したくて、
日本に行って働きたいのだけれど、
なんのツテもないし、
まわりのお友だちも、
そんなんで行っても、
悪い男につかまって、
夜の仕事をさせられたりするだけだと言うのだとか。
一晩彼女を泊めてあげて、
今後のことを話し合いました。
彼女は、とりあえずお母さんのところに行くと言いました。
そしてお母さんに相談して、
とにかく今の借りているお部屋を出て、
新しいところを探すと、
また日本に行くことも含めて、
もう一度今後のことを考えると言っていました。
バイクに大きなカバンを積んで、
出て行く彼女を見ながら、
もっとできることがあったのではと、
心がざわつき、
しばらくは彼女のことばかり、
考える日々が続きました。
もう何年も前の話し。
どうしているのかな?
わたがしちゃん。
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