毎日のできごとの反省

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戦前反戦だった米国民が日本との和平に反対したと言うのは奇妙

2016-01-24 15:10:39 | 大東亜戦争

 竹田恒泰氏の「アメリカの戦争責任」には昭和20年6月のギャラップ調査によれば、「・・・アメリカが日本を占領せずに条件を付して降伏を容認すべきか、敵を完全に打ち負かすまで戦争を続けるべきかという質問に対して、約九対一の割合で『完全な勝利』が支持されている。アメリカ政府は、国民の真珠湾攻撃への恨みを煽って戦争に邁進してきた。アメリカ国民は真珠湾攻撃を恨んでいて、大統領には日本を叩き潰すことを望んでいた。」(P102)と書かれている。

 これは戦前のギャラップ調査が、欧州への戦争に参戦すべきか、と聞いた時の結果と真逆である。この両者を比較すると、実に奇妙な感に打たれる。戦前厭戦であったはずの国民が、真珠湾攻撃だけによって、ここまで正反対に国民感情が変化するものなのだろうか。実は元々米国民は好戦的なのではなかろうかと思わざるを得ない。

 米西戦争のきっかけになったメイン号爆沈にしても、マスコミが騒いだだけで、犯人がスペイン政府である、という証拠が全くなかったのは、当時も米国内でよく知られていたのである。ベトナム戦争への本格的介入となった、二度の北ベトナム魚雷艇による米駆逐艦攻撃と言う、トンキン湾事件も一度目は北の誤認によるもので、二度目は米軍によるやらせであった。

 ベトナム戦争も、突然戦争が始まったわけではなく、トンキン湾事件の何年も前から米軍は介入している。米国における、ベトナム反戦運動も、一気に起きたわけではなく、共産側が仕掛け、ベトナム戦争の勝利があり得ない、と分かって徐々に米国内に広がったものである。日本への無条件降伏要求と同じく、米国民の軽薄さと好戦的なことを示しているのに過ぎない。

 イラク戦争でも同じである。湾岸戦争と同じく、簡単に勝利が得られると米国民は支持し、正規戦が終わっても、いつまでたってもテロやゲリラ攻撃によって、米兵の死者が徐々に増えると、米国民の風向きは、徐々にイラクからの撤退を求めるようになった。ISとの戦いでも、オバマ大統領は、爆撃はするが、兵士の犠牲が出る可能性がある、地上軍の派遣はしない。米政府と米国民の軽薄さに気づいた結果生まれたのが、世界各地で発生するテロとISというテロ組織である。

 対日戦について言えば、従前より言うように、元々米国民は日本を潰すことを求めていたのであり、戦争の勝利が確実だと分かると、好戦的な本性をむき出しにしたのに過ぎない。硫黄島の戦いでも、苦戦であったことを隠し、米国旗を立てた四人の英雄を仕立てあげてキャンペーンをすると、戦時国債はよく売れたのである。