A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

深き霧の中から香り立つ音~ポーティスヘッド「サード」

2008年05月13日 23時17分57秒 | 素晴らしき変態音楽
エレクトロ・サウンドとヒップ・ホップやジャズ、ダブなどを織り交ぜた「トリップ・ホップ」というジャンルを確立させ、90年代に活躍したブリストル出身のユニット、ポーティスヘッド。方法論としてビョークに通じるところもあるが、彼らのとことんダウナーで霧に包まれたような映像的な音世界が気に入っていた。
もうとっくに解散したと思っていた彼らが復活、10年ぶりのアルバム「サード」をリリースした。「remix」誌の最新号はブリストル特集である。ブリストル・サウンドが今再び燃え上がっているらしい。ポップ・グループとその派生バンド、リップ・リグ&パニックやマキシマム・ジョイのアヴァンギャルドなダンスビート、マッシヴ・アタックやトリッキーといったエレクトロ・ダブやドラムンベースを生んだ街。様々な辺境音楽の影響を受けポーティスヘッドは登場した。vo.のベスの声は他の何とも違って深層心理に直接響いてくる独特の憂いを持っていた。
本作「サード」では彼らのトレードマークのひとつであったサンプラーによるビート・ループを極力使わず、生演奏中心に曲たちが奏でられている。その結果より肉感的で、かつインダストリアルな感触を持ったサウンドに生まれ変わった。ベスの声はアンニュイで相変わらず鬱屈としている。浮かれた世間に背を向けてリアルなロック・サウンドを追求する彼らの姿勢にUKロックの希望の光を見る気がする。
Portishead HP English

朧な夜
解放される
夢の中

亡霊のようにピントのずれたPVも秀逸である。



コメント
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