今や名実ともに世界を代表する映画監督になった感のあるコーエン兄弟。彼らの映画のファーゴ以前の最高傑作と言えば今回紹介する映画ミラーズ・クロッシング。俺がコーエン兄弟の監督作品で最も好きな作品だ。
本作はマフィア映画の分野に当たるが、その手の映画はクソ真面目な作品ばかり。しかし、本作も表面上はシリアスなドラマが展開されるが、コーエン兄弟作品なだけあって所々で笑わしてくれる。そして、それ以上に本作の優れたところは、登場人物たちのキャラクター設定。だいたいガブリエル・バーン演じる主人公のキャラクターからして、なかなか興味深い。それほど口数が多いわけでなく、何事にも怯えた素振りを見せずに、非常にクールで頭が良い。見た目はゴッドファーザーのアル・パチーノと被るような役柄のように思えたりする。ところがギャンブルが大好きで、競馬で負け続けて借金を重ねる。そして、見た目とは裏腹に喧嘩がやたら弱い。とにかくボコボコに殴られているし、カヨワイ女性の一発のパンチに思いっきり吹っ飛ばされてしまう有様。それでも敵対するマフィアのボス連中の間を上手いこと渡り歩くように、頭が良いからまだマシな方だと思いきや、よく考えれば周りがアホすぎるだけってか?
そして主人公だけでなく他の登場人物のキャラクター設定もなかなか楽しい。アイルランド系のマフィアのボスは老人でありながら、まるで体操選手のように運動神経が良い。そして、ターミネーターの如くマシンガンをぶっ放して自分を殺しにきたヒットマンを追いかけて返り討ちにするあたりは意外性があって笑える。そしてイタリア系のマフィアのボスは、人の見る目の無さに驚きと笑いを提供してくれる。ユダヤ系のノミ屋はとにかく笑えるぐらいに卑屈で卑怯者でホモ。他にもビックリするような奴らが登場するが、偏見、差別、知能、禿げ頭等を笑いのネタに取り入れてくるブラックジョークのセンスは流石はコーエン兄弟だ。
際立ったキャラクターの登場人物達の思惑が絡み合い、次々と意表をつく展開が楽しいストーリーの紹介をできるだけ簡単に。
禁酒法時代のアメリカの東部が舞台。町を仕切っているアイルランド系のマフィアのボスであるレオ(アルバート・フィニー)と彼の右腕であるトム(ガブリエル・バーン)は主従関係を超えて熱い信頼で結ばれている。しかしながら、レオは自分の女であるヴァーナ(マーシャ・ゲイ・ハーデン)がトムと関係を持っていたことを知らないでいた。
レオに対して、彼の部下であるが勢力を伸ばしつつあるイタリア系のマフィアであるジョニー(ジョン・ポリト)が自分が仕掛けたボクシングの八百長の邪魔をするバーニー(ジョン・タトゥーロ)を差し出せと迫ってくる。バーニーはヴァーナーの弟であり、その関係でバーニーはレオの庇護を受けていたのだ。レオはジョニーの要求をアッサリ拒否。しかし、そのことを切っ掛けにレオとジョニーの抗争が激化。そんな中でトムとヴァーナの仲がレオの知るところとなり、激怒したレオにトムは追い出されてしまう。
仕方なくトムは敵対していたジョニーを頼ることになるのだが、ジョニーからバーニーをミラーズ・クロッシング(森の十字路)で殺すように命令されてしまい・・・
ありきたりのギャングの抗争が描かれているが、男同士の友情、裏切り、欲望、葛藤等がテーマに含まれているだけに濃密なドラマが展開される。主人公のトムは頭が良いのか、ただ運が良いだけなのか観終わった後にふと考えさせられるが、その辺りの余韻を残すような終わり方が個人的には非常に気に入っている。果たしてトムの策略は最終的に成功したのか、失敗したのか!?その辺りに気をつけて本作を観れば、この映画の面白さがよくわかる。
人生の教訓めいた台詞が多いのも印象的だし、冒頭の方の森の中の上空を映すカメラワークが途中で抜群の効果を発揮させるし、次々と意表をつく展開がとにかく楽しい。ちょっと変わったギャング映画が観たい人、コーエン兄弟監督と聞いて興味が湧いた人、真面目さと笑いのサジ加減のバランスが絶妙な映画を観たい人等に今回はミラーズ・クロッシングをお勧め映画として挙げておこう
監督は前述したコーエン兄弟。個人的な贔屓目もあるがお勧め映画多数。前述したファーゴ、ゆるゆるの脱獄ムービーオー・ブラザー!、本作以上に個性的なキャラクターをした人物が多数でてくるビッグ・リボウスキ、迫力のある追走劇が見られるノーカントリー等が良いです。
本作はマフィア映画の分野に当たるが、その手の映画はクソ真面目な作品ばかり。しかし、本作も表面上はシリアスなドラマが展開されるが、コーエン兄弟作品なだけあって所々で笑わしてくれる。そして、それ以上に本作の優れたところは、登場人物たちのキャラクター設定。だいたいガブリエル・バーン演じる主人公のキャラクターからして、なかなか興味深い。それほど口数が多いわけでなく、何事にも怯えた素振りを見せずに、非常にクールで頭が良い。見た目はゴッドファーザーのアル・パチーノと被るような役柄のように思えたりする。ところがギャンブルが大好きで、競馬で負け続けて借金を重ねる。そして、見た目とは裏腹に喧嘩がやたら弱い。とにかくボコボコに殴られているし、カヨワイ女性の一発のパンチに思いっきり吹っ飛ばされてしまう有様。それでも敵対するマフィアのボス連中の間を上手いこと渡り歩くように、頭が良いからまだマシな方だと思いきや、よく考えれば周りがアホすぎるだけってか?
そして主人公だけでなく他の登場人物のキャラクター設定もなかなか楽しい。アイルランド系のマフィアのボスは老人でありながら、まるで体操選手のように運動神経が良い。そして、ターミネーターの如くマシンガンをぶっ放して自分を殺しにきたヒットマンを追いかけて返り討ちにするあたりは意外性があって笑える。そしてイタリア系のマフィアのボスは、人の見る目の無さに驚きと笑いを提供してくれる。ユダヤ系のノミ屋はとにかく笑えるぐらいに卑屈で卑怯者でホモ。他にもビックリするような奴らが登場するが、偏見、差別、知能、禿げ頭等を笑いのネタに取り入れてくるブラックジョークのセンスは流石はコーエン兄弟だ。
際立ったキャラクターの登場人物達の思惑が絡み合い、次々と意表をつく展開が楽しいストーリーの紹介をできるだけ簡単に。
禁酒法時代のアメリカの東部が舞台。町を仕切っているアイルランド系のマフィアのボスであるレオ(アルバート・フィニー)と彼の右腕であるトム(ガブリエル・バーン)は主従関係を超えて熱い信頼で結ばれている。しかしながら、レオは自分の女であるヴァーナ(マーシャ・ゲイ・ハーデン)がトムと関係を持っていたことを知らないでいた。
レオに対して、彼の部下であるが勢力を伸ばしつつあるイタリア系のマフィアであるジョニー(ジョン・ポリト)が自分が仕掛けたボクシングの八百長の邪魔をするバーニー(ジョン・タトゥーロ)を差し出せと迫ってくる。バーニーはヴァーナーの弟であり、その関係でバーニーはレオの庇護を受けていたのだ。レオはジョニーの要求をアッサリ拒否。しかし、そのことを切っ掛けにレオとジョニーの抗争が激化。そんな中でトムとヴァーナの仲がレオの知るところとなり、激怒したレオにトムは追い出されてしまう。
仕方なくトムは敵対していたジョニーを頼ることになるのだが、ジョニーからバーニーをミラーズ・クロッシング(森の十字路)で殺すように命令されてしまい・・・
ありきたりのギャングの抗争が描かれているが、男同士の友情、裏切り、欲望、葛藤等がテーマに含まれているだけに濃密なドラマが展開される。主人公のトムは頭が良いのか、ただ運が良いだけなのか観終わった後にふと考えさせられるが、その辺りの余韻を残すような終わり方が個人的には非常に気に入っている。果たしてトムの策略は最終的に成功したのか、失敗したのか!?その辺りに気をつけて本作を観れば、この映画の面白さがよくわかる。
人生の教訓めいた台詞が多いのも印象的だし、冒頭の方の森の中の上空を映すカメラワークが途中で抜群の効果を発揮させるし、次々と意表をつく展開がとにかく楽しい。ちょっと変わったギャング映画が観たい人、コーエン兄弟監督と聞いて興味が湧いた人、真面目さと笑いのサジ加減のバランスが絶妙な映画を観たい人等に今回はミラーズ・クロッシングをお勧め映画として挙げておこう
ミラーズ・クロッシング<スペシャル・エディション> [DVD] | |
ガブリエル・バーン,アルバート・フィニー,マーシャ・ゲイ・ハーデン,ジョン・タトゥーロ,ジョン・ポリト | |
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン |
監督は前述したコーエン兄弟。個人的な贔屓目もあるがお勧め映画多数。前述したファーゴ、ゆるゆるの脱獄ムービーオー・ブラザー!、本作以上に個性的なキャラクターをした人物が多数でてくるビッグ・リボウスキ、迫力のある追走劇が見られるノーカントリー等が良いです。
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