ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

ツマグロスケバ

2014年11月07日 | 動物:昆虫-カメムシ・セミ

 謙虚なスケバ

 11月になって沖縄も涼しくなった。私もタオルケットだった寝具が薄手の掛け布団に代わっている。気持ち良く眠れて、ぐっすり睡眠ができて幸せ。
 ぐっすり睡眠はたっぷり睡眠にもなって、この1週間は夜9~10時頃に寝て、朝5時頃に目覚めている。そして、まだ薄暗い6時半頃家を出ている。その時刻、車はライトを点ける。畑に着くのはだいたい10分後になるが、その時はもうライトは要らない。

 この時期、畑の虫の数も春夏に比べればずっと少ない。今目立っているのはサクナ(ボタンボウフウ)の花に群れているキンバエやキアシナガバチ、畑の上をくるくる回っているウスバキトンボ、相変わらず数の多いマダラバッタなどバッタの類。
 春夏にたくさんいたイモサルハムシ、ツツサルハムシ、ウリハムシなどのハムシ類、ホソヘリカメムシやクチブトゾウムシなどは、今は全く見えない。夏煩かったセミももういない。テントウムシの類も、探せばいると思うが目立たなくなった。全体に虫の数が少なくて、よって、この頃は「やあ、初めまして」とな る虫がほとんど見つからない。

 私の畑なっぴばるにやって来て「やあ、初めまして」なった虫、今年だけでもたくさんいる。何者か判ったものだけでも40種を超えている。ツマグロスケバもその中の一つ。初めテングスケバかと思って無視していたが、じっと動かずにいるのをよく見たらテングスケバとはどこか違う。謙虚なのだ、謙虚?・・・鼻が高くないということ。

 
 ツマグロスケバ(端黒透羽):半翅目の昆虫
 テングスケバ科 本州~九州、沖縄島、石垣島、西表島湾などに分布 方言名:不詳
 名前の由来は『沖縄昆虫野外観察図鑑』に「翅は透明で、前翅端に幅広い翅端に暗褐色紋があり」とあり、「翅は透明」からスケバ(透羽)、「前翅端に幅広い翅端に暗褐色紋があり」からツマグロ(端黒)とついたものだと思われる。
 体長は翅端まで11~15ミリ。アカメガシワの枝に多いとのことだが、各種樹木でも見られるとのこと。成虫の出現時期は5月から12月。
 テングスケバ科ではオキナワテングスケバが沖縄にいて、本種とよく似ているが、本種はオキナワテングスケバほど顔は尖っていないので区別できる。
 
 横から

 記:2014.11.4 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『学研生物図鑑』本間三郎編、株式会社学習研究社発行
 『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方』福田春夫、他著、株式会社南方新社社発行
 『琉球列島の鳴く虫たち』大城安弘著、鳴く虫会発行


クモヘリカメムシ

2014年11月07日 | 動物:昆虫-カメムシ・セミ

 細い脚

 女子に向かって「ブス」と言ったことも、「ブタ」と言ったことも、たぶん、小中学生の頃にはあったと思うが、「女子は愛する者」と思うようになった高校生以降はきっと無い。ただ、「ダイコンあし」と言ったことはあるかもしれない。しかし、私の言う「ダイコンあし」は褒め言葉だ。「ダイコンのように白いね」と捉えて欲しい。
  そもそも、今主流のアオクビダイコンはそう太くない。そう細くもないので「適度な太さの白い脚」を指して「ダイコンあし」と捉えて良い。そもそも、ゴボウのように細い脚よりはアオクビダイコン程度の脚の方がずっときれいだし色っぽい。
 私自身は痩せているが、私の好みとしては、女性は痩せているのも太っているのも良く無くて、中肉中背を好んでいる。私自身はスポーツをやらないが、アスリートのような筋肉質タイプの女性が理想だ。動くことを苦にしない人、畑仕事もやるだろう。

  細い脚というと、タレントでは誰がいるだろうか?テレビを観ないし、以前観ていた時も女性の脚に注意を向けたことがあまり無い(胸には注意を向けていた)ので、誰?といっても思い浮かばない。古い人なら、浅丘ルリ子とかだろうか。ファッションモデルの人には細い脚が多いかもしれないが、ファッションには全く興味の無い私なので、ファッションモデルの人を知らない。唯の一人も思い浮かばない。
 虫の世界には細い脚はいくらでもいる。特に蝿、蚊、虻、蜂の仲間にはわんさかいるので、ここではいちいち挙げないが、虫の中では比較的脚の太いカメムシの中にも細い脚の種がいた。その脚の細さからだと思われるが、名前に蜘蛛とついている。

 
 クモヘリカメムシ(蜘蛛縁亀虫):半翅目の昆虫
 ホソヘリカメムシ科 本州~南西諸島、中国、マレーシアなどに分布 方言名:フー
 名前の由来、カメムシは「頭部の突き出た形がカメに似ていることから」(広辞苑)、胴の横の部分に平たい縁(ヘリ)がついているのでヘリ。クモについては資料が無いが、体は細長く、脚も細長いことから見た目がクモに似ているといことであろう。
 体長は15~18ミリ。寄主はイネ科植物でメイシバ、タチスズメノヒエなどによく見られるとのことだが、イネ科作物の害虫としても知られているらしい。
 沖縄各地に普通に見られ、西表島、与那国島、尖閣諸島には近縁のタイワンクモヘリカメムシが分布するとのこと。成虫の出現は周年。
 
 横から

 記:2014.11.2 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『学研生物図鑑』本間三郎編、株式会社学習研究社発行
 『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方』福田春夫、他著、株式会社南方新社社発行
 『琉球列島の鳴く虫たち』大城安弘著、鳴く虫会発行


シロヘリクチブトカメムシ

2014年11月07日 | 動物:昆虫-カメムシ・セミ

 四角い顔

 名優渥美清といえばフーテンの寅、『男はつらいよ』が真っ先に思い浮かぶが、私が子供の頃、『泣いてたまるか』というテレビドラマがあって、子供の私にも人間の切なさが伝わるドラマで、渥美清といえばそれもまた思い出す。不細工な顔でいかにもモテない男が、電車の中で美女の大きなおっぱいを見て、つい触れてしまい、痴漢で警察に捕まってしまうという一話を覚えていて、おっぱいを見ている渥美清の目を思い出す。
 渥美清を不細工な顔と書いたが、形だけ見るとそうかもしれないが、味のある顔と言い換えても良い。魅力的な顔だ。渥美清といえば顔のどこかに目立つほくろがあったこと、目が細いこと、四角い顔であったということなども思い出す。

  顎がとても細くて、その分、口が小さくて、その小さな口の中に成長する歯が収まらなくて、それで歯並びが悪いのでは?と思われる人が最近の若い人たちの中に見たことがある。角張った立派な顎はモテないからという理由か、小さい頃から硬いものを食べなかったせいなのかは不明。渥美清の口が大きかったかどうかはよく覚えていないが、少なくとも顎は広く角張っていた。それで、顔の全体の形が四角く見えた。
 シロヘリクチブトカメムシも四角い顔をしている。彼の口をマジマジと見てはいない。何しろ小さいのでどこが口かもよく判らない。でも、その名前から想像するに、口は大きいと思われる。口が大きいから顔も四角くなったのかもしれない。

 
 シロヘリクチブトカメムシ(白縁口太亀虫):半翅目の昆虫
 カメムシ科 国内では九州~沖縄に分布 方言名:フー
 名前の由来は資料が無く不明。この種は私が頼りにしている文献『沖縄昆虫野外活用図鑑』に無く、ただ、キシモフリクチブトカメムシの頁に「クチブトカメムシの仲間としてシロヘリクチブトカメムシ・・・が記録されている」とのみある。私の写真を見ると、縁が白っぽい、で、シロヘリ。クチブトについては、キシモフリクチブトカメムシでも口太としたが、本種もまた、口が太いかどうか写真では確認できない。
 体長は12~15ミリ。出現時期について資料は無いが、キシモフリクチブトカメムシと同様だろうとし周年。寄主についても資料は無い。雑草に生息するとだけあった。
 
 追加:2016年8月に畑で撮った写真

 記:2014.11.2 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『学研生物図鑑』本間三郎編、株式会社学習研究社発行
 『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方』福田春夫、他著、株式会社南方新社社発行
 『琉球列島の鳴く虫たち』大城安弘著、鳴く虫会発行