謙虚なスケバ
11月になって沖縄も涼しくなった。私もタオルケットだった寝具が薄手の掛け布団に代わっている。気持ち良く眠れて、ぐっすり睡眠ができて幸せ。
ぐっすり睡眠はたっぷり睡眠にもなって、この1週間は夜9~10時頃に寝て、朝5時頃に目覚めている。そして、まだ薄暗い6時半頃家を出ている。その時刻、車はライトを点ける。畑に着くのはだいたい10分後になるが、その時はもうライトは要らない。
この時期、畑の虫の数も春夏に比べればずっと少ない。今目立っているのはサクナ(ボタンボウフウ)の花に群れているキンバエやキアシナガバチ、畑の上をくるくる回っているウスバキトンボ、相変わらず数の多いマダラバッタなどバッタの類。
春夏にたくさんいたイモサルハムシ、ツツサルハムシ、ウリハムシなどのハムシ類、ホソヘリカメムシやクチブトゾウムシなどは、今は全く見えない。夏煩かったセミももういない。テントウムシの類も、探せばいると思うが目立たなくなった。全体に虫の数が少なくて、よって、この頃は「やあ、初めまして」とな る虫がほとんど見つからない。
私の畑なっぴばるにやって来て「やあ、初めまして」なった虫、今年だけでもたくさんいる。何者か判ったものだけでも40種を超えている。ツマグロスケバもその中の一つ。初めテングスケバかと思って無視していたが、じっと動かずにいるのをよく見たらテングスケバとはどこか違う。謙虚なのだ、謙虚?・・・鼻が高くないということ。
ツマグロスケバ(端黒透羽):半翅目の昆虫
テングスケバ科 本州~九州、沖縄島、石垣島、西表島湾などに分布 方言名:不詳
名前の由来は『沖縄昆虫野外観察図鑑』に「翅は透明で、前翅端に幅広い翅端に暗褐色紋があり」とあり、「翅は透明」からスケバ(透羽)、「前翅端に幅広い翅端に暗褐色紋があり」からツマグロ(端黒)とついたものだと思われる。
体長は翅端まで11~15ミリ。アカメガシワの枝に多いとのことだが、各種樹木でも見られるとのこと。成虫の出現時期は5月から12月。
テングスケバ科ではオキナワテングスケバが沖縄にいて、本種とよく似ているが、本種はオキナワテングスケバほど顔は尖っていないので区別できる。
横から
記:2014.11.4 ガジ丸 →沖縄の動物目次
参考文献
『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
『いちむし』アクアコーラル企画発行
『学研生物図鑑』本間三郎編、株式会社学習研究社発行
『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方』福田春夫、他著、株式会社南方新社社発行
『琉球列島の鳴く虫たち』大城安弘著、鳴く虫会発行