goo blog サービス終了のお知らせ 

ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

キイロテントウ

2011年07月23日 | 動物:昆虫-甲虫目

 黄色は農夫の味方

  夏場の今は少ないが、年中通して職場の庭にテントウムシの類は多くいる。ナミテントウやナナホシテントウは見たこと無いが、ダンダラテントウは「またお前かよー」と嘆くほど見ている。キイロテントウやハイイロテントウもちょくちょく見る。
 テントウムシの多くは農作物の敵であるアブラムシや菌類を食べるので、益虫となっている。ダンダラテントウもキイロテントウもハイイロテントウも農夫の味方である。しかしながら、それらが多くいる職場の庭には農作物というものが無い。つまり、職場の庭では、彼らは益虫という役にはあまり立っていないと言える。

  私の畑には今(夏)、私の生きる糧である甘藷の他、ラッカセイ、ナス、トマト、ピーマン、ナーベーラー(ヘチマ)などが植えられていて益虫さんは大歓迎なのだが、テントウムシは一匹もいない。テントウムシ類は夏の暑さが苦手なのか、職場の庭でも夏場はあまり見ないので、今はまだいいとして、私の畑では年中通してテントウムシ類を見ない。冬場はキャベツ、レタス、ブロッコリー、春にはインゲン、ウズラマメ、エダマメ、トウモロコシなど植えていて、「どうぞ益虫さん、来てください」なのだが、一匹も来てくれたことは無い。お陰で、キャベツやインゲンなどは害虫の餌食となっている。

 今度、職場でキイロテントウやハイイロテントウを見つけたら、私の畑まで移住して貰おうかと考えている。車で30分程離れた場所への強制移住。もしかしたら生態系を壊すことになるかもしれないが、農夫の味方は素人農夫も助けて欲しい。

 
 キイロテントウ(黄色天道虫):甲虫目の昆虫
 テントウムシ科 本州以南、南西諸島、台湾、朝鮮に分布 方言名:グスーマヤグヮ
 テントウムシの由来は資料が無く不明。広辞苑に漢字表記があり、天道虫、瓢虫、紅娘などと充てられている。本種は体が黄色いのでキイロとつく。
 成虫、幼虫共にクワやブドウなどにつくウドンコ病の菌類を食べる。したがって益虫となる。成虫は夜間の灯火にも飛来するとのこと。
 体長4ミリ内外と小さなテントウムシ。小さいので気付きにくいが、草葉の中を気を付けて見れば、良く目にすることができる。成虫の出現時期は周年。
 
 交尾
 
 脱皮

 記:ガジ丸 2006.7.22 →沖縄の動物目次

 訂正加筆:2014.5.22

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行


ダンダラテントウ

2011年07月23日 | 動物:昆虫-甲虫目

 沖縄では多数派

 テントウムシという名は、テントウムシ科の甲虫の総称でもあるが、ナミテントウをも表す。で、ナミテントウは「並」という名の通り、日本では最も普通に見られるテントウムシとのこと。ナナホシテントウは、はっきりとした記憶は無いが、私が子供の頃、童話か漫画の主役だったかもしれない。その名前はナミテントウよりむしろ馴染み深い。倭国では「人家の近くでもよく見られ、人々に親しまれる」らしい。

 倭国で普通に見られ、あるいは人々に親しまれているナミテントウとナナホシテントウであるが、私 の生活する周辺では両者ともあまり見かけない。詳しく調査したわけではないが、そもそも、沖縄における生息数が両者とも少ないのかもしれない。
 私の周りにはまた、昆虫博士と呼べる者もいなくて、「お前の目は節穴か!ほら、そこにナミテントウ、そこにナナホシテントウがいるじゃないか」なんて教えてくれる人もいないので、本当に少ないのか、私の目が節穴なのかの判断がつかない。
 ただ、ダンダラテントウがたくさんいるということは判る。「あっ、テントウムシ」と思って、手にとって見ると、たいていダンダラテントウである。そしてその通り、『沖縄昆虫野外観察図鑑』にも「沖縄で最も普通に見られるテントウムシ」とあった。

 
 ダンダラテントウ(段だら天道):甲虫目の昆虫
 テントウムシ科 本州以南、南西諸島、朝鮮、他に分布 方言名:グスーマヤグヮ
 テントウムシの由来は資料が無く不明。ただ、「店頭虫とする説がある」と広辞苑にある。八百屋の店先にでも多く見られたのだろうか?段だらとは「段が幾つもあること」(広辞苑)で、模様がそのように見えるところからダンダラと付いたのであろう。
 その段だら、「斑紋は変化に富んでいる」とのことで、私も数種見ている。ところが、広辞苑に「ナミテントウは最も普通で、・・・色彩は様々で、赤の無地、赤地に多くの黒紋のあるもの、黒地に赤紋のあるものなどがある」とあった。ダンダラテントウもナミテントウも模様が様々ならどれがどっちか迷うのではないかと素人は思ってしまう。
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』に「沖縄で最も普通に見られるテントウムシ」とあった。その通り、職場の庭やアパートの庭で最もよく見るテントウムシ。
 体長4~7ミリ内外。成虫の出現時期は周年。寄主はアブラムシ類でアブラムシの天敵となる。野菜を食害するアブラムシを食ってくれる。よって、益虫。
 
 成虫2

 
 交尾
 
 蛹

 記:ガジ丸 2006.7.22 →沖縄の動物目次

 訂正加筆:2014.5.22

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行


ラミーカミキリ

2011年07月23日 | 動物:昆虫-甲虫目

 君は君で間違いない

 先週紹介したキボシカミキリの頁で、「昆虫には見た目似ているけど別種であったり、雄雌で違ったり、親子で違ったり、個体差もあったりして、何者か判別するのに難しいものが多くある。」と書いたが、それとは逆に、「君は君で間違いない」と容易く判別できる者も多くある。ラミーカミキリもその一つ。
 ラミーカミキリは数年前に四万十川を旅している時に見つけ、写真を撮った。見た目が特徴的なのですぐに何者か判明した。ただ、沖縄の昆虫図鑑には載っていない。私も沖縄では見たことがない。で、「ラミーカミキリは沖縄には生息しない、彼らにとって沖縄は暑すぎるのだ。」と勝手に断定する。・・・ところが、
  先週も紹介した昆虫学会の会員である矢頭治虫さんから、その写真と共に「ラミーカミキリは南方系の昆虫・・・」といった情報を得た。ということは、沖縄が暑すぎるからという私の推理は間違っている。では何故倭国にはいて沖縄にいないんだ?と考える。
 南方に流浪の人々がいた。彼らは足の向くまま気の向くまま旅を続け、ある日、船に乗った。その船は、途中の沖縄に立ち寄ることなく九州に辿り着いた。そして、彼らはそこに住み着いた。ということではないだろうか。テーゲーな推理だが。

 
 ラミーカミキリ(らみー天牛):甲虫目の昆虫
 カミキリムシ科 本州以南、種子島に分布 方言名:不詳
 ラミーはマレー語(rami)で植物の名前。広辞苑によると、「イラクサ科の多年生繊維植物。チョマの変種。」とのこと。これを寄主とすることからこの名がある。
 沖縄の昆虫を紹介しているどの文献にも本種の記載が無い。沖縄にはムクゲもノカラムシも多くあり、散歩の途中よく出会う。しかし、私もこれまで本種に出合ったことは、沖縄では無い。おそらく沖縄には分布しない。元々中国からやってきて、長崎から全国へ広まったとのことで、沖縄までは交通の便が悪かったということなのかもしれない。写真は数年前に四国を旅した折、四万十川を眺めながら歩いている時に見つけた。
 体長は8~17ミリ。成虫の出現は5月から7月。寄主とする植物はラミーの他、カラムシ、ムクゲ、ヤブマオなど。平地から低山地の林に生息とのこと。

 記:ガジ丸 2009.9.12 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『日本の甲虫』(株)北隆館発行


キボシカミキリ

2011年07月23日 | 動物:昆虫-甲虫目

 君は君だろうか?

 数ヶ月前に矢頭治虫さんという方からメールを頂いた。ガジ丸HPに載せてある写真の甲虫の一つが、「その名前の甲虫ではないと思いますよ。」といった内容のメール。矢頭治虫さんは日本甲虫学会の会員で、主にオサムシを専門にしているとのこと。
 私は正統派のウチナーンチュであり、物事をテーゲー(大概、大雑把といった意味)で捉える癖が身に染み付いている。それに加え、HPで昆虫を紹介しておきながら、昆虫について学問したことの無い素人である。「昆虫の同定って難しいですね。」と、少々開き直った返信をした。すると、虫に興味を持つ人は、私がそうであろうと期待していた通り優しいのであった。「昆虫の同定はプロでも難しいです。」との言葉を頂く。

  昆虫には見た目似ているけど別種であったり、雄雌で違ったり、親子で違ったり、個体差もあったりして、何者か判別するのに難しいものが多くある。キボシカミキリは、体の色模様が地域差に富んでいるとのこと。そのせいだと思うが、私が参考にしている図鑑の一つと、私の写真とが一致しなかった。で、迷ったのだが、別の図鑑と一致したので、プロでも難しい同定を「えいやっ!」と、やってしまった。そんなテーゲーを、優しい矢頭さんはきっと、「それでいいと思います。」と言ってくれるに違いない。

 
 キボシカミキリ(黄星天牛):甲虫目の昆虫
 カミキリムシ科 本州~琉球列島、台湾などに分布 方言名:カラジクェー
 ある文献にオキナワキボシカミキリと独立してあったが、『沖縄昆虫野外観察図鑑』によると、「近年まで奄美、沖縄、宮古のものはオキナワキボシカミキリという別種としていたが、現在では日本産は全て同種で、10亜種に分けられている。」とのこと。10亜種のうち、トカラ列島亜種、奄美諸島亜種、与論島・沖永良部島亜種、沖縄諸島・大東諸島亜種、宮古諸島亜種、八重山諸島亜種、与那国島亜種が琉球列島にあるとのこと。
 「首が長く、複眼は互いに近接」と体の特徴があったが、体の色模様については「地域差に富み」ということで、上記の通り「島ごとに亜種化」しているようだ。
 体長15~30ミリ内外、成虫の出現は4月から7月、寄主はアコウ、イヌビワ、ガジュマルなどのクワ科植物。幼虫も同じ植物に住む。リュウキュウクワカミキリ同様、シマグワの害虫とのこと。

 記:ガジ丸 2009.9.12 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『日本の甲虫』(株)北隆館発行


リュウキュウクワカミキリ

2011年07月23日 | 動物:昆虫-甲虫目

 芸術家のカミキリ

 20年ほど前の数年間、私は木工を趣味としていた。趣味の範囲を少々超えることもあったりして、木工を本職としている人たちと知合うことができた。彼らからは木工に関する様々なことを学んだ。切り方、組み方、磨き方、塗り方など。そして、材に関することも学んだ。材とは木材のこと、木工に使用する木材のこと。
 沖縄の木工材としては、その頃、リュウキュウマツが注目されていた。リュウキュウマツは大径材が入手しやすいという利点はあったが、油分が多く、乾燥した時に変形しやすいという欠点があった。県の施設に大型乾燥機が導入されて、その欠点をある程度和らげることができたらしい。で、リュウキュウマツの使用が増えたらしい。
  昔から木工材、家具材として利用されたのはセンダン。センダンは木肌、木目がとてもきれいで、加工しやすいとのこと。それについては、私も実体験して確認している。
 他に、「これは面白い」と思ったものがシマグワ、木工家の一人に見せて貰ったシマグワの材は、くねくねと曲がった穴がいくつも空いてて、それが面白い模様になっていた。穴の空いた原因を訊いた。「カミキリムシの幼虫に食われているんだ。」とのことであった。それからだいぶ経った2、3年前に、リュウキュウクワカミキリの存在を知る。

 
 リュウキュウクワカミキリ(琉球桑天牛):甲虫目の昆虫
 カミキリムシ科 沖縄島と奄美大島の特産種 方言名:カラジクェー
 カミキリムシの漢字、天牛は広辞苑にあった。広辞苑には他に髪切虫ともある。天の牛は想像しにくいが、髪切虫なら何となく解る。カミキリムシは顎が強いらしい、髪の毛をスッパリ切るほど、という意味であろうと思う。本種はクワを寄主とし、奄美諸島、沖縄群島に分布することからリュウキュウクワと付く。
 方言名のカラジクェーは『いちむし』(アクアコーラル企画発行)に「顎で髪の毛を切らせる遊びがあったことからカラジ(髪の毛)クェー(食う者)」とあった。
 体長は28~40ミリ内外、成虫はシマグワの樹皮を食べ、幼虫はシマグワの幹に潜入して、内部を食害する。八重山にはヤエヤマクワカミキリが生息する。
 
 顔

 記:ガジ丸 2009.9.3 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『日本の甲虫』(株)北隆館発行