沖縄では多数派
テントウムシという名は、テントウムシ科の甲虫の総称でもあるが、ナミテントウをも表す。で、ナミテントウは「並」という名の通り、日本では最も普通に見られるテントウムシとのこと。ナナホシテントウは、はっきりとした記憶は無いが、私が子供の頃、童話か漫画の主役だったかもしれない。その名前はナミテントウよりむしろ馴染み深い。倭国では「人家の近くでもよく見られ、人々に親しまれる」らしい。
倭国で普通に見られ、あるいは人々に親しまれているナミテントウとナナホシテントウであるが、私 の生活する周辺では両者ともあまり見かけない。詳しく調査したわけではないが、そもそも、沖縄における生息数が両者とも少ないのかもしれない。
私の周りにはまた、昆虫博士と呼べる者もいなくて、「お前の目は節穴か!ほら、そこにナミテントウ、そこにナナホシテントウがいるじゃないか」なんて教えてくれる人もいないので、本当に少ないのか、私の目が節穴なのかの判断がつかない。
ただ、ダンダラテントウがたくさんいるということは判る。「あっ、テントウムシ」と思って、手にとって見ると、たいていダンダラテントウである。そしてその通り、『沖縄昆虫野外観察図鑑』にも「沖縄で最も普通に見られるテントウムシ」とあった。
ダンダラテントウ(段だら天道):甲虫目の昆虫
テントウムシ科 本州以南、南西諸島、朝鮮、他に分布 方言名:グスーマヤグヮ
テントウムシの由来は資料が無く不明。ただ、「店頭虫とする説がある」と広辞苑にある。八百屋の店先にでも多く見られたのだろうか?段だらとは「段が幾つもあること」(広辞苑)で、模様がそのように見えるところからダンダラと付いたのであろう。
その段だら、「斑紋は変化に富んでいる」とのことで、私も数種見ている。ところが、広辞苑に「ナミテントウは最も普通で、・・・色彩は様々で、赤の無地、赤地に多くの黒紋のあるもの、黒地に赤紋のあるものなどがある」とあった。ダンダラテントウもナミテントウも模様が様々ならどれがどっちか迷うのではないかと素人は思ってしまう。
『沖縄昆虫野外観察図鑑』に「沖縄で最も普通に見られるテントウムシ」とあった。その通り、職場の庭やアパートの庭で最もよく見るテントウムシ。
体長4~7ミリ内外。成虫の出現時期は周年。寄主はアブラムシ類でアブラムシの天敵となる。野菜を食害するアブラムシを食ってくれる。よって、益虫。
成虫2
交尾
蛹
記:ガジ丸 2006.7.22 →沖縄の動物目次
訂正加筆:2014.5.22
参考文献
『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行