中国共産党の独裁体制や権力闘争に関するニュースは枚挙にいとまがないが、最近の出来事として北京、上海と並ぶ重要国家直轄市・重慶のトップである孫同市共産党委員会書記が解任され、後任に習近平国家主席の腹心とされる陳敏爾氏が選任されたと報じられている。孫氏は次世代のリーダー候補であり、習主席の跡目を担う一人と目されていた。孫氏の解任は市の委員会メンバーには全く知らされず、委員会の壇上から突然他の都市出身の陳氏が就任の挨拶をしたという。最高指導部が入れ替わる5年に1度の党大会を目前に控えての政治局員の異動は異例で、孫氏の今後の処遇が注目されているという。前回党大会の直前には薄熙来重慶市書記がスキャンダル絡みで失脚(無期懲役)したことはまだ記憶に新しい。これらに限らずベールに包まれた激しい権力闘争の闇の底は深い。
「天安門事件」で学生を支援するなど中国の民主化運動の象徴的存在で、国家転覆扇動罪などで服役中にノーベル平和賞を受賞した劉暁波氏が入院先の病院で死去した。死因は肝臓がんと言われるが、獄中での処遇に批判の目が注がれる中、政府筋はその遺骨について海に散骨するよう遺族に迫ったという。遺骨が人権派や反政府勢力の象徴となることを恐れ、政府の憂いを断つためだという。遺族は当初それに反対したが、結局海に散骨されたらしい。しかし真相は闇の中だ。
今日の新聞(朝日)によると、香港の有力英字新聞が習近平主席の最側近の親族による蓄財疑惑を報じた直後に記事を撤回し、電子版から削除したという。同紙は中国政府と密接な関係にあるネット通販大手に買収されており、その圧力によることが示唆されている。習主席側近の栗戦書氏は秋の党大会で最高指導部入りが有力視されており、その親族の蓄財疑惑は大痛手になる可能性があるというものだ。
・・・とまあ、今さらではないが中国の共産党独裁・権力闘争・秘密主義・暗黒体質は変わるところがない。
大相撲名古屋場所についてはもう2回も取り上げているが、これは早速取り上げざるを得ない。白鵬の1048勝到達である。
歴代2位の千代の富士1045勝及び同1位の魁皇1047勝の通算勝利数は今場所中に抜くことだろうとカウントダウンが続いていたが、それらを一気に抜き去って、⒔日目の昨日(21日)前人未踏の1048勝に到達した。それも前二者より圧倒的に早い場所数での到達である。
今日の新聞で白鳳の数々の記録を見て、改めてその凄さを認識した。以下は歴代1位の記録の数々である。
『通算勝利数(昨日達成)、幕内勝利数、横綱勝利数、優勝回数、全勝優勝回数、連続優勝、年間最多勝回数、横綱連続出場、横綱在位中の勝率』 連勝記録63は伝説の双葉山の69に次ぐ2位でこれはもう達成不可能であろうし、横綱昇進最年少記録も今さら北の湖(21歳2か月)を抜くことは出来ない。しかしこれだけの優れた記録を持つ白鵬は紛れもなく「平成の大横綱」と言って差し支えないだろうし、明治以降の相撲では「記憶の双葉山、記録の白鵬」として後世まで残るものと思う。