購読紙の昨日の読者投書欄に『中国人留学生 温かく鍛えて』というのがあった。現在中国で日本語教師をしている65歳の男性の投書である。 年齢的にも私が中国で日本語を教えていた頃とピッタリであり、概略以下のような投書の内容にも全く同感であった。
「先日、日本留学試験があり私の勤める日本語学校から80人が受験した。今回は東日本大震災の怖さや尖閣諸島問題で反日感情が高まっている中で、周囲の反対を乗り越えて留学を決意した特別の事情がある。それは日本の進んだ学術を習得し、日中友好にも役立ちたいという夢を持ち、その夢が変わらなかったのは日本の文化や習慣に深い理解があり、日本の学術に強い憧れがあったからである」というもので、日本の私たちに「留学生の意欲に応えるため、厳しくも温かく鍛えてやってください」と結んでいる。
翻って私に関係するところを取り上げてみると、昨年東日本大震災と原発事故が発生した時、私の教え子である中国人研修生が日本に9人いた。そして彼ら彼女らは例外なく中国にいる家族や知人から矢のような帰国の催促を受けたようだが、誰一人途中帰国する者はいなかった。慰問やメールなど励ましていた私にはそれがとても嬉しかった。
さらにその後、ほぼ入れ替わりに7人が日本にやって来た。ほとんどが両親などから引き止めに遭ったが、私の知る限り2人が来日を断念したものの、あとは強い信念で日本行きの夢を実現させている。先般尖閣諸島問題で中国国内で反日デモの嵐が吹き荒れた時も、親や友達からの心配の声に「日本はそんな国ではない。私たちは安全」となどと答えているようだ。
私も投書者が訴えるように、ぜひ日本に対する好意的な理解が変わらずに帰国して欲しいものと強く願っている。
[下は中国で反日デモが荒れていた時にも日本で明るく過ごした中国人研修生]
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