飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

ロシアを中心に旧ソ連・東欧に関するニュースや時事ネタを分かりやすく解説します。国際ニュースは意外と面白い!

ゴルバチョフ元ソ連大統領、メドベージェフ大統領の再選を予測!?

2011年07月26日 12時06分50秒 | Weblog
 来春のロシア大統領選でメドベージェフ大統領が再選され、プーチン首相は憲法裁判所長官になる!? ソ連最後の大統領を務めたゴルバチョフ氏は先週末、モスクワの中立系ラジオ局「エフォ・モスクブイ」(モスクワのこだま)のトーク番組に出演し、そう予測してみせた。果たしてこの見通しが当たるかどうか。

 ゴルバチョフ氏は現在80歳だが、今なお元気で政界の御意見番を務めている。年末の下院選挙、来春の大統領選を控え、ロシア政界の今後の展開を予測してもらおうというラジオ局の意向を受け、ベネジクトフ編集局長と対談した。

 ソ連崩壊後、度々大統領選に出馬しているゴルバチョフ氏だが、次回の大統領選には立候補しないと明言した。外国、とくに欧米では今だに人気があるが、国内では「ソ連を崩壊させた人物」と見られて人気に欠け、当選ラインをはるかに下回っている。

 話題は下院選の話になり、プーチン首相が党首を務める与党「統一ロシア」を支持するかと編集局長が尋ねた。ゴルバチョフ氏は「与党は我々を後ろに引っ張っており、少なくとも(社会の変化に)ブレーキをかけている」と述べ、支持しないと言い切った。

 さらに、同氏はプーチン氏が大統領に初当選した頃は支持したが、その後、プーチン大統領が州知事の公選制を廃止、大統領の任命制に変更したことを厳しく批判した。現在の大統領と首相との二人体制についても「当初は成果を期待したが、その持ち味は生かされていない。もはや二人体制は必要ない」と決めつけた。

 続けてメドベージェフ大統領について「才能があり、博学で、立派な法律家である」と持ち上げ、プーチン首相との二人体制で実力を伸ばしてきたと評価した。そして、来春の大統領選で再選される可能性をほのめかした。一方、プーチン氏に関しては憲法裁判所長官がふさわしいと述べ、大統領復帰説を間接的に否定した。

 与党「統一ロシア」最高幹部会のネベロフ責任書記は25日、ゴルバチョフ元大統領のラジオでの発言を厳しく批判した。専門家は与党が保守化したとのゴルバチョフ発言が有権者に与える影響を心配している、と分析している。

 ロシア政界でのゴルバチョフ氏の影響力は大きくないが、選挙の季節が本格化する直前の微妙な時期だけに、欧米メディアがこの発言を取り上げ、それが国内に影響を与えることを政権側は恐れているようだ。それはともかく、私としてはゴルバチョフ氏の予想が当たるかどうかに注目したい。
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