飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

ロシアを中心に旧ソ連・東欧に関するニュースや時事ネタを分かりやすく解説します。国際ニュースは意外と面白い!

プーチン大統領、民族政策で野党の積極的な協力を求める考え表明!

2012年08月26日 11時53分44秒 | Weblog

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プーチン大統領はロシアで民族主義が高揚し、民族同士の衝突が多発していることから、野党の協力を得て克服していく考えを表明した。反プーチン勢力が拡大し、国民の“プーチン離れ”が強まっているため、野党を積極的に取り込む方針とみられる。

 大統領は24日に開いた大統領付属の民族間関係評議会で演説し、この考えを明らかにした。この評議会は、大統領に就任後の6月に創設され、この日初会議が開かれた。大統領は会議の冒頭、「ロシアは米国に次いで世界で2番目の移民国家となり、民族間の問題をめぐる衝突が起きている」と述べ、移民を統合する状況を作る必要性を強調した。

 このため大統領は、民族間関係評議会に常任委員会を設置し、問題を多角的に検討する意向を示した。そして、関係閣僚を評議会に招くほか、市民社会、とりわけ野党と積極的に協力していく方針を明らかにした。そのうえで民族問題をオープンに協議するフォーラムにしたい考えだ。

 また、大統領は10年暮れにモスクワ・マネージ広場で起きたロシア系とカフカス系の民族衝突について「まず第一に、治安機関の不作為と官僚の無責任による」と指摘し、社会的な監視システムを作るため国会、地方議会などとの協力が必要だと述べた。

 ところで、コメルサント紙(電子版)は24日、6年後の次期大統領選で誰が選ばれるのか、とのレバダ・センターの世論調査結果を掲載した。それによると、プーチン大統領と答えた人は22%、メドベージェフ首相を上げた人は7%で、「第三の候補」と答えた人が49%にのぼった。約半数が2人以外の候補を考えているというショッキングな結果で、政治評論家のビノグラードフ氏は「国民がプーチン氏に飽きたため」と分析している。

 こうした国民感情を察知するのが得意なプーチン大統領だけに、なんとか野党を取り込みたいという思いがこの評議会での演説で出たのだろう。だが、形だけ取り入れようとしても、野党の協力は得られない。野党の考えにどれだけ歩み寄れるかが、3期目のプーチン大統領存続のカギではないだろうか。(この項おわり)


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