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ロンドン五輪が12日終了し、ロシアは金メダル獲得数で米国、中国、英国に次いで4位となった。ロシアは旧ソ連を含めて五輪でトップ3から脱落したのは初めてで、国民などから不満の声が上がっている。
ロシアのメダル獲得数は金24、銀25、銅33の計82で、北京五輪に比べ、金メダルが1個増え、全体でも9個多かった。だが金メダルの国別順位では地元・英国に次いで4位。ロシアは、なによりも世界トップ3から脱落したのがよっぽど悔しいらしく、プーチン大統領の右腕ともいわれるイワノフ大統領府長官は「失敗だった」と酷評した。
ある世論調査によると、ロンドン五輪の結果について「満足した」と答えた人は8%足らずで、「期待はずれだった」と答えた人が38%に上った。「アスリートは全力を出し切っていない。ロシアはもはやソ連時代のような“アスリート大国”ではない」という意見さえ出た。
その半面、銅メダルが33個と世界最多だったことから「それだけロシア・スポーツの裾野が広がっている」と評価する見方がある。他方、専門家に言わせると「チームの力がピークに届かなかったため」と、力不足を指摘する声も少なくない。
ロシアの力が全体的に落ちたのはなぜなのか。ソ連時代にボート選手だったプロストフ氏はモスコー・ニュース紙に対し「資金不足が原因だ。多くの資金が送り先にまで届かず、途中で盗まれたためだ」と語っている。五輪チーム向けの資金が誤用されたとの報告書も出ている。
一方、ミュトコ・スポーツ大臣は「選手は非常によくやった」と賞賛している。ただ、ボクシングなどの審判には不満で「どうしてそんなスコアが出せるのか。目が見えないのか」などと怒りをぶつけている。だが、大臣はプーチン大統領の信任が厚く、クビになることはないとみられている。
肝心のプーチン大統領は、お得意の柔道が初めて金メダルを3個も取ったことにご満悦で、わざわざ柔道選手たちの労をねぎらったほど。大統領は五輪終了後、メダル獲得数について「北京五輪よりメダルの数が9個上回ったのだから文句なく成功だ」と選手団を称えた。
プーチン大統領にとって今後最大の関心事は、自分が誘致した14年のソチ冬期五輪が成功裏に開催できるかどうかだろう。それに「大国ロシア」の全精力を傾けているといっても過言ではない。ここは一つ、大統領のお手並み拝見といこう。(この項おわり)