飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

ロシアを中心に旧ソ連・東欧に関するニュースや時事ネタを分かりやすく解説します。国際ニュースは意外と面白い!

ルシコフ・モスクワ市長、汚職めぐる名誉毀損訴訟でまた勝訴!

2009年12月03日 14時50分59秒 | Weblog
 モスクワ・ルシコフ市長の汚職を告発したネムツォフ元第一副首相をルシコフ市長が名誉毀損で訴えていた民事訴訟の判決言い渡しがモスクワ地区裁判所であった。裁判長はネムツォフ氏に50万ルーブル(約150万円)の支払いを命じた。ルシコフ市長は名誉毀損訴訟で一度も負けたことがないという。

 英字紙モスコー・ニュースによると、市長はネムツォフ氏のインタビューを掲載した有力経済紙コメルサントに対しても名誉毀損訴訟を起こしており、こちらについても裁判所は同じく50万ルーブルの支払いを命じた。

 ネムツォフ氏は市長の汚職問題を調査し、「ルシコフ・総括」と題する小冊子を出版。この中で市長を「泥棒であり、腐敗した役人」と決め付けたことなどが名誉毀損に当たるかどうかが裁判で争われた。

 判決言い渡し後、ネムツォフ氏は記者団に「裁判所が名誉毀損と判断したのは市長が指摘した7ヵ所中、1ヵ所だけ。私にとっては小さな勝利でもある」と述べた。続けて「今後は指摘された部分を小冊子から削除し、出版を続ける」と語り、市長の汚職告発を続けていく決意を示した。

 それにしても、ルシコフ市長が名誉毀損訴訟で負け知らずということに驚いた。市長は在任中の17年間に何十件もの訴訟を起こしたり、起こされたりしているわけだが、すべてで勝訴しているということだ。それだけ完璧に司法を抑えているともいえるからだ。だが、今回裁判所は市長が名誉毀損にあたるとした7ヵ所中、1ヵ所しか名誉毀損を認めなかったように、市長の神通力は確実に低下している。いつまでも独裁的権力を行使し続けることはできない。
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