ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『ザ・リング2』

2005-05-07 12:44:50 | 新作映画
------この映画、日本の中田秀夫監督がハリウッドに招かれて作ったんだよね。
清水崇監督に続いていよいよ真打ち登場ってわけだけど、どうだった?
「まず印象に残るのは、水の使い方。
サマラ=貞子は生きたまま井戸に入れられて、死んでも長くそこにいたわけだ。
そのため水へのこだわりがとても強い。
これは監督自身の説明なんだけど、
『日本というのは四方を水で囲まれている島国で
自然水害を経験していることで、水自体が‘死の象徴’となりうる』」

----なるほど、そう言えば中田監督は
『リング2』『仄暗い水の底から』でも水をたくさん使ってた。
「今回は、この水に苦しめられていたサマラが
水を押し戻す力を得てレイチェル、マックスに襲いかかる」

-----でも、それって西洋人には伝わりにくいのでは?
「いいところに気づいたね。
今回、ぼくがストーリーをあまり語らないのは、
この物語自体がアーレン・クルーガーによって書かれていて、
最初は前作のゴア・ヴァーヴィンスキーが撮る予定で降板。
急遽、中田監督に回ってきたといういきさつがあるからなんだ。
しかしアーレン・クルーガーはこの中田ホラーを実によく研究していると思う。
孤児、シングル・マザー、復讐心を抱いた霊、そして邪悪な水。
全編中田ホラーの要素で埋め尽くされている。
ハリウッドらしく『ポルターガイスト』を彷彿させるシーンもあったけど....」

-----えっ、スピルバーグの?
「いや、あれはトビー・フーパー(笑)。
でもそう思われてもあれは仕方ないよね。
製作(原案・脚本も)のスピルバーグが相当口を出したんじゃないかな。
それはさておき、このアーレン・クルーガーの言葉を引用すると、
『アメリカ・ホラーはどこか別の世界から何かがやってくるというものが多かった。
あるいはこれまで見たことがないような現象が起こったり。
日本人のクリエイターが凄いのは、
毎日見ることやものを、怖いものとして見せる手腕なんだ』」

-----ニャルほど、そのとおりだよね。
「そこまで言われたら、中田監督としても
思う存分、腕をふるわないわけにはいかないよね。
さてそこでだ。ジャパニーズ・ホラーの霊の怖さってなんだと思う?」

------う~ん。怨恨によるたたりかな?
「確かにかつてはそうだった。『四谷怪談』とか『番町皿屋敷』とかね。
でもいまの霊は特にその人への恨みがなくとも現れる。
『呪怨』がいい例で、そこにいるだけで祟られてしまう。
となると、ジャパニーズ・ホラーが他の国に比べて、より恐いのはなぜか?
それは霊の登場の仕方。
そう、『なにもしないでそこにいること』にある。
もちろん、貞子もいったん姿を現すと、
にじり寄ったり、追いかけたりはするけど、
基本は『ただそこにいる』ことが怖い。
この‘不穏な空気’を出すには、そうとうの演出力が必要だ。
以前にも言ったけど、これが『コックリさん』のダメなところ。
目をかーっと見開いて存在感ありすぎ。
本作ではサマラの特殊メイクを大御所リック・ベイカーが担当。
『私は最初の作品のサマラの最も怖ろしいシーンは
チラッと髪が見えたときに、その下に何があるのかわからないところだと思っていた。
自分自身の想像以上に恐いものはないからね』。
それに比べて『コックリさん』ときたら...」

-----それはもういいよ(笑)。
しかし今日は引用が多いなあ。
「プレスが充実していたからね。少しでも多く紹介しようと....。
音楽がドリームワークス音楽部門のヘッド、ハンス・ジマー、
そして特殊メイクがリック・ベイカー。
さらには『キャリー』のシシー・スペイセクもサマラの実母役で出演。
オスカー常連を従えてのメガホンは中田監督も嬉しかっただろうね。
ハリウッドらしいCGを使った派手なシーンもそつなくこなしてて、
世界に力を見せつけたって感じ。
今後も『the【EYE】』『out』のハリウッド・リメイクが
待機しているらしいよ」

(byえいwithフォーン)

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