ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『バレット』

2013-04-02 22:47:05 | 新作映画
(原題:Bullet to the Head)

 

----『バレット』って、
今年の初めから楽しみにしていなかった?
シルベスター・スタローンが好きってワケでもニャいのに…。
「うん。
正月に来た年賀状の中に、
ウォルター・ヒルの文字を見つけてからね」

----その人、監督だよね。
「そう。
主に80年代に活躍した人。
日本では『ザ・ドライバー』あたりから人気に火が付いて、
『ウォリアーズ』『ストリート・オブ・ファイヤー』
沸点に達したんじゃないかな。
でもその名が一般にまで広がったのは『48時間』かもしれない。
実は、この映画は
その『ザ・ドライバー』への出演を勧められ、、
『48時間』でもニック・ノルティの役をオファーされたこともある、
シルベスター・スタローンが
ついに、その伝説の監督とタッグを組んだ
とても意味ある作品なんだ。
なんでも周囲は
ウォルター・ヒルを偉大と認めながらも
歳をとりすぎているということで、
もっと若くてシャープな監督を使うようにと
彼にアドバイスしたらしいけどね」

----へぇ~っ。
スタローンはどう答えたの?
「歳をとりすぎていることに関しては
『俺だって同じさ』(笑)。
そして、もしウォルターが
監督をやらないようなら、この役を降りるとまで言ったらしい」

----それはスゴイ。
確か、これって殺し屋の話だよね。
「そう。
プロットはシンプル。
スタローン扮する殺し屋ジミー・ボノモは相棒ルイスと共に
いつもどおりの鮮やかな手口で、
依頼通りに元警官グリーリーを暗殺。
だが、依頼人の裏切りでルイスを失ってしまう。
そんな彼に近づいてきたのがグリーリーの元相棒だった刑事テイラー。
彼は暗殺の実行犯がジミーと知りながらも、
背後に潜む巨悪の匂いをかぎ取り、
捜査への協力を彼に依頼する。
しかし長年、裏道を歩むジミーにとって
それはありえないことだった…」

----でも結局、コンビを組むってワケだね。
ということは一種のバディムービー
「なんだけどね。
ただ、スタローンに言わせれば
アンチ・バディ・ムービーなのだとか。
理由はお互いのことを嫌っているから。
しかし、それがこの映画では物語の推進力として
功を奏していたと思う。
この映画、何がいいかって、
どのシーンも素直には終らない。
必ず<意外性>が用意されているんだ。
で、『えっ?』と思った瞬間に
次のシーンへ移る。
これじゃあ、飽きるはずはない」

----でも、それって脚本の巧さだよね?
「もちろん、それもあるけど、
ムダをそぎ落とした演出が生みだすリズムも
その脚本を生かしている。
ウォルター・ヒルは言う。
『アクション映画の監督というのは、
翌よかれと思ってやりすぎてしまうんだ(中略)。
(アクションシーンは)観客に、
もう少し見てみたいと思わせるくらいが、
ちょうどいいんだよ』

----ニャるほど。
「話は逸れるけど、
この『バレット』、
プレスが観音開きの8Pという体裁にしては、
中身が充実。
ウォルター・ヒルの貴重なコメントがいっぱい載っている。
たとえば、最近話題になったニコラス・ウィンディング・レフン監督の『ドライヴ』
あの作品には、
一般の人には分からないような点において、
自分の作品と同じモノが流れていることとか、
その自分はジャン=ピエール・メルヴィルからの影響を
ある程度受けていることなどをね。
そしてメルヴィルも
それ以前のアメリカ映画から大きな影響受けていることに言及した後、彼はこう続ける。
『そういった歴史の繋がりが映画をオモシロくしている』

----へぇ~っ。そうなると次作も楽しみだね。
「それがなんと、
ロバート・アルドリッチの『何がジェーンに起こったか?』のリメイクなんだそうな。
彼は、自分ほど
アルドリッチという人物や作品について考えた人間はいないと思うという。
珍しく、男性アクションじゃないし、
どんな映画になるか、キャスティングも含めて
見守っていきたいな」

                 
(byえいwithフォーン)

フォーンの一言「『エクスペンダブルズ2に続いて肉弾戦もあるらしいのニャ」なにこれ?

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは (ナドレック)
2013-04-03 02:45:26
ウォルター・ヒルの新作が公開されるんですか!
楽しみです
返信する
■ナドレックさん (えい)
2013-04-11 21:47:59
こんばんは。

ウォルター・ヒル。
懐かしい名前です。
あの頃はとても斬新に感じたのですが、
スタイリッシュなだけで空疎な最近のアクションを観るにつけ、
やはり基礎がしっかりしていたんだなと、
改めて感じさせられました
返信する

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