----これは観る前から期待していた映画だよね。
「うん。
監督がいま注目の石井裕也。
で、タイトルが『ハラがコレなんで』。
で、ヒロインが仲里依紗とくれば、
もう、これは観たくならない方がオカシイ」。
----だけど、普通のコメディとどう違うの?
「今回、観てみて再確認したんだけど、
この石井裕也監督というのは、
時代の捉え方、
そしてその中でどう生きていくか、
この二つに対しての
自分の立ち位置が実にはっきりしている。
この映画、
ヒロインは仲里依紗演じる光子。
妊娠9ヶ月でお腹の父親と別れ、
金もなければ家もない。
ある意味ギリギリの状態の彼女がどう生きていくか…
簡単に言うと、その生きざまと周囲の関係を描いたもの」
----ニャるほど。そういえば
『川の底からこんにちは』ではヒロインが“中の下”だったよね。
この監督と、都会のトレンディな生活は無縁みたい?
「うん。そういう意味でも作家性のある監督だね。
おそらくたとえば、T社あたりから頼まれたとしても
彼は、都会を舞台にしたベストセラーの映画化なんぞには手を出さない、
そんな気がする。
今回、ここで描かれるヒロインも、
“流れる雲を追いかけて”
子どもの頃に暮らしていた“長屋”にたどり着く。
口癖は『OK、大丈夫。私がなんとかする』。
ものごとが上手くいかないときには“とりあえず昼寝”。
で、“そのういちいい風がきっと吹く”」
----そんなにうまくいくわけないんじゃニャいの?
「実際はそうなんだろうけど、
彼女は、じたばた、あたふた焦ったりするのはみっともないと思っている。
光子の生き方の底にあるのは“粋かどうか”ということ。
これで思い出したのが、
この監督の前作『あぜ道のダンディ』。
あそこでも主人公は常に
自分の生き方に対する美学を持っていた。
今回のこの映画は、
頑張る女性がヒロイン。
つまり、『川の底からこんにちは』+『あぜ道のダンディ』で成り立っている。
これからの彼の長い(であろう)監督人生を考えると、
これはその到達点であり総決算、そんな気がするな」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「中村蒼も出ているのニャ」
※『いい風が吹いてないときは、昼寝が一番。
大丈夫、風向きが変わったら、
そん時ど~んと行けばいいんだから』は
座右の銘にしたい言葉だ度』
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最近「映画部族」というブログを始めたQuestと申します。何度かTBさせて頂きましたが、もしよろしければこれからもよろしくお願いします。
シンプルで無駄のない対話形式の映画評は、少ない言葉でいかにたくさんの情報を込められるかを試行錯誤している私にとって非常に勉強になります。
石井監督作品は初めて鑑賞したのですが、独特な感性と世界観を持った方ですね。他の作品も観たくなるような不思議な魔力を持った作品だったように思いました。おっしゃる通り、作家性の強い監督ですね。個人的には三池監督のような雑食性を身につけたら大化けするんじゃないのかな、と思ったりもしました(笑)
こちらこそよろしくお願いします。
この監督、
これで観たのは4本目なのですが、
作品によって
自分の中での評価に
かなりの差が生まれてしまいました。
もし、よろしかったら
『川の底からこんにちは』をご覧になってください。
いまのところ、この映画を超えた作品を彼は作っていない気がします。