ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『初恋の想い出』

2008-09-14 22:26:36 | 新作映画
(原題:情人結)

----フォー・ジェンチェイって監督、
確か『山の郵便配達』で有名になったんだよね。
「そうだね。
あの映画は詩情あふれる反面、
抑制のきいた静かな演出で
いかにも批評家受けしそうな作品となっていた。
でもその後、『ションヤンの酒家』とか『故郷の香り』とか
続けて観ると意外にウェット。
誤解を恐れずに言えば
メロドラマ・チックなところがあることを発見。
この映画も『ロミオとジュリエット』がモチーフになっているだけに、
ベタと言えば
これ以上ないほどのベタな内容になっているんだ」

----『ロミオとジュリエット』?
ということは、ふたりの家が対立しているの?
「うん。そういうこと。
舞台は1980年代の中国。
チー・ラン(ヴィッキー・チャオ)とホウ・ジア(ルー・イー)は
同じ官舎に住む幼なじみ。
ふたりは将来の愛を誓うまでになるものの、
ホウ・ジアの母親は
息子とチー・ランとの交際を認めようとはしない。
やがて、その理由が彼女の夫、
つまりホウ・ジアの父親の自殺と関係あることが分かってくる」

----もしかしてチー・ランの親が何かしたわけ?
「それは最後の最後に明かされるから
ここでは触れるわけにはいかないけどね。
さて映画は、
彼らふたりが
お互いの境遇を『ロミオとジュリエット』に重ねあわせながら、
それでも愛を貫こうとしてゆく姿を描いてゆく。
実際にフランコ・ゼフィレッリの『ロミオとジュリエット』も出てくるよ。
へぇ~っ、
あの映画、中国で公開されたんだななんて、
変な感心をしてしまっちゃった」

----中国もめまぐるしく変わったからニャあ。
「そうなんだよね。
この映画、時代が進むにつれて
町の風景も西洋と、さして変わりがなくなってくる。
クリスマスとかの描き方は、
まるで一時期の日本のトレンディドラマ。
バレンタインにはレストランで少女が花を配るし…。
それでも“党”の存在が強く出てくるところが、
やはり中国なんだけどね」

----でもお話はありふれてニャい?
「う~ん。
まあ、ふたりが最後、障壁を乗り越えて
結ばれるか否か、
そこがいちばんの注目だからね。
でも、これが分からない----というか
一筋縄ではいかないんだ。
ハッピーエンドorアンハッピーエンド。
どちらにも転びそうで
観る者の目をぐいぐいと引き付けてゆくんだ。
その中心にいるのはチー・ランを演じるヴィッキー・チャオ。
その大きな目だね。
私生活で知り合ったらとても付き合えないような
そんなアブナい感じを漂わせる女性。
ある知人は菅野美穂に似ていると言っていたけど、
ぼくは中森明菜を思い出したね」

----だからアブナいってワケ?
フォーンは 『蛇にピアス』の吉高由里子に似ていると思うけど。
「あっ、そっちも怖いなあ」

           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「中国も変わったのかニャあ」小首ニャ

※ラストは胸がつまる度

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