ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

ポール・ニューマンを偲んで……

2008-09-28 12:33:28 | 映画
-----ニャンだか寂しいね。
ポール・ニューマンが逝っちゃった。
「うん。
実は昨夜、映画がらみのちょっとしたパーティがあったんだけど、
だれもそのときはまだそのことを知らず
まったく話題には上らなくて……。
でももし、そのニュースが伝わっていたら、
きっと大騒ぎになっていただろうね。
それほど、彼の存在は大きかった」

-----そういえば、フォーンがそのことをえいに教えたら
「えっ!」って大声上げていたもんね。
それで今日は映画のお話はお休みというわけ?
「今朝の新聞を見たら、
そのニュースが一面に。
でも代表作として紹介されているのが
『ハスラー』『ハスラー2』に
『明日に向って撃て!』『スティング』。
これじゃあ、あまりにもはしょりすぎ。
ここは映画案内人としては
絶対に観てほしい作品をあげておかなければ…。
そう、思ったわけ」

-----それってニャに?
「その一本は『暴力脱獄』(『COOL HAND LUKE』)。
ヤマとある脱獄モノの中でもこれは群を抜いている。
監督はスチュアート・ローゼンバーグ。
彼はこの一作で映画史に名を残したと言ってもいいかもしれない。
いま考えるとありえない邦題だけどね」

-----原題の響きもいいよね。
「クール・ハンド・ルーク」。
もう一本は?
「『殺し屋判事/ロイ・ビーン』(『THE LIFE AND TIMES OF JUDGE ROY BEAN』)。
いまはただ『ロイ・ビーン』となっているようだけど、
こちらは逆に
このチープな副題がB級っぽくって、ぼくは好きだな。
といっても監督は大御所ジョン・ヒューストン。
そんな彼が実に瑞々しい映像で
西部の終焉へと向う時代の流れを描く。
その鍵となるのは『ラムの大通り』と同じく視線(まなざし)。
女優リリー・ラングトリー(エヴァ・ガードナー)に対する
ロイ・ビーンの憧れのまなざし。
そのロイ・ビーンの娘(ジャクリーン・ビセット)の父親を見つめる
喜びに満ちた最初で最後のまなざし、
そしてロイ・ビーンの伝説を聞いて列車でやってきたリリーが彼を思い、
遥か遠くへと彷徨わせるまなざし。
いま思い出しても震えがくるね。
これはぼくの生涯のベスト3の一本と言ってもいいほどの作品。
少しでも多くの人に観てほしいな」


                   (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「あの青い目にはもう会えないのニャ」悲しい


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猫ニュー

画像は『ロイ・ビーン』ポスター。


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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんばんは^^ (ひろちゃん)
2008-09-28 22:34:00
昨日、息子がPCでニュース見て
「お母さん、ポールニューマン知ってる?」と
言ったので、まさか、もしや、と思ったのですが
訃報でした(T^T)
好きな俳優さんが亡くなるのは寂しいですね(T^T)

私はポールニューマンが大好きで、でも、
好きになったのはスティングと
明日に向かって撃てを観てからなんですが(^^ゞ

『暴力脱獄』はタイトルだけ聞いたことがありますが
『殺し屋判事/ロイ・ビーン』はタイトルすら
知りませんでした(^^ゞ
えいさんの人生のベスト3の1本なら観る価値
ありますね^^
機会がありましたら、鑑賞したいと思います(^_-)-☆
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こんばんは (ノラネコ)
2008-09-29 06:19:03
良い追悼記事ですね。
やたらと食い意地の張った記事になってしまった私のとはえらい違いです。
ポール・ニューマンを最初に記憶したのはテレビで観た「タワーリング・インフェルノ」だったと思います。
映画館に意識して観に行ったのは「アパッチ砦ブロンクス」が最初かな。
「暴力脱獄」や「ロイ・ビーン」は後に名画座で観ました。
私の青春時代には既に大ベテランでしたけど、ハリウッドの歴史の重さみたいなものを感じさせてくれたのはこの人でした。
その死が、即ち一時代の終わりと感じさせる、数少ない映画人の一人でしたね。


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ロイビーンが出るとは流石。 (よろ川長TOM)
2008-09-29 10:48:34
実は超代表作の『明日に向かって撃て』をはじめ、ほとんど彼の作品を観ていないんですが、みょーに大好きなのが『ロイ・ビーン』なんですよね。
といってもテレビの映画劇場で何度か観たクチなので、わたしにとっては羽佐間道夫さんのべらんめぇな口調のポール・ニューマンなんですが。
劇場ではシドニー・ルメット監督の『評決』しか観ていません。大好きな『十二人の怒れる男』と同じ監督で同じ法廷ものというつながりで観に行ったのですが、マイナー路線の作品になったものの、私はけっこう気に入ってます。

いなせな二枚目なのにやさぐれた役の似合う名優でしたね。黙祷。
こんど彼の似顔絵の付いたドレッシング、ためしてみようかしら。彼ブランドの食品での収益は全額寄付に廻るそうですし。
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■ひろちゃんさん (えい)
2008-09-29 18:38:38
『スティング』と
『明日に向って撃て!』の2本は
ポール・ニューマンの代表作でしょう。
その両作の監督ジョージ・ロイ・ヒルとは
相性がいいようで、
『スラップ・ショット』でも組んでいました。
今朝、FMナックファイブDJの大野勢太郎さんが、
ポール・ニューマンの出演作では
この『スラップ・ショット』が一番好きというようなことを
おっしゃっていました。
『殺し屋判事/ロイ・ビーン』、
思わずベスト3といってしまいましたね(汗)。
ベスト5くらいかもしれないけど、
この際、ランクアップさせちゃおう(笑)。
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■ノラネコさん (えい)
2008-09-29 18:42:49
こんにちは。

ぼくがスクリーンで観た最初のポール・ニューマンは
『明日に向って撃て!』のロードショウでした。
今日は、いみじくも雨。
主題歌の「雨に濡れても」がかかっていました。

本文では『ロイ・ビーン』に中心を置きすぎましたが、
『暴力脱獄』
はそれこそ
“さわやかな反逆児”。
『パピヨン』のマックィーンとは違う
脱獄映画のオモシロさを味わわせてくれました。
青い瞳もこれがいちばん印象的。

そういえば『タワーリングインフェルノ』は
そのマックィーンとの共演が話題になりましたね。

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■よろ川長TOMさん (えい)
2008-09-29 18:48:31
こんにちは。

よろ川長TOMさん、
思ったよりお若いというところでしょうか?
でも『ロイ・ビーン』がお好きとは嬉しい。
銃弾によってお腹に大きな穴があいて
向こうが見えるところなんて、
最近、若い監督がよくマネしていますよね。
『評決』も渋いですが、
晩年の『ロード・トゥ・パーディション』も
貫禄たっぷり。
非情な凄みを漂わせていました。

ドレッシング、手元に置いておきたいです。
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初めまして。 (Elijah)
2008-09-29 22:59:08
ポール・ニューマンという言葉から読ませて貰いました。
とても素敵な追悼文ですね。
彼の作品は大抵は見てるのですが、
恥ずかしながら『ロイ・ビーン』と
『暴力脱獄』は見たことがありません。
えいさんの記事を読ませて頂いて見たいと思いました。
これから追悼という形で彼の映画が放送されたりするでしょうし、ぜひ見てみます。
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ジャッジ・ロイ・ビーン (rambler)
2008-09-30 00:28:48
お久しぶりです、日本に戻りましてどたばたしており、ブログの更新をサボっていたらこのニュース。リック・ライトに続いての訃報で落ち込みました。アメリカは完全に喪中状態です。

 しかし「ロイ・ビーン」が出てくるとはさすが。私は「スティング」にやられて映画道にはまったもので書き落としておりました。

 ヒース・レッジャー、チャールトン・ヘストン、そしてポール・ニューマン。来年のアカデミー賞の追悼ビデオは想像しただけで泣けてしまいそうです。
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■Elijahさん (えい)
2008-09-30 09:59:13
こんにちは。

コメントありがとうございました。

Elijahさんのサイト拝見いたしました。
ポール・ニューマンへの愛が滲み出ていて、
しんみりしてしまいました。
もし拙文が
『暴力脱獄』と『ロイ・ビーン』を
広めることに少しでも貢献できたとしたら
とても嬉しいです。
今後ともよろしくお願いいたします。

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■ramblerさん (えい)
2008-09-30 10:03:33
こんにちは。

お久しぶりです。
でも、そのお久しぶりがこんな悲しい記事になっちゃった。
『ロイ・ビーン』は
西部劇のヒーローが時代の表から去りゆき、
一瞬の復権の後、伝説となる。
映画ファンにはたまらない作品でした。

確かに、来年のアカデミー賞授賞式は……
想像しただけでも涙が出そうです。
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