ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『やわらかい手』

2007-11-02 23:45:08 | 新作映画
※映画の核に触れる部分もあります。
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。


(原題:Irina Palma)

-----マリアンヌ・フェイスフルの主演って
久しぶりじゃニャい?
「革のつなぎを素肌にまとったオートバイ姿が印象的な
『あの胸にもう一度』以来というから
もう40年近く経つね」

----ミック・ジャガーに愛されたミューズとも言われたよね。
60年代のポップ・アイコンだけに怖くなかった。
「確かにね。
アニタ・エクバーグが『インテルビスタ』で
『甘い生活』を観ている時のような複雑な気持ち。
しかし、この映画がまたよくできていてね。
最近のフランス映画ときたら
人と人の距離感や心のひだと言った
『行間を読め』的な作品が多いけど、
これはいわゆる物語っている映画だったね。
孫が難病でその手術のために
オーストラリアへの渡航費用を稼ぐべく
セックスショップで働く初老の女性というのが
彼女の役どころ。
普通の主婦だけに、おどおどしているその感じが実にいい」

-----ニャんだか、マリアンヌ・フェイスフルらしくないね。
「ぼくもそう思って観ていたんだけど、
ラストに近づくにつれて、
噂好きの近所の女性の嘲笑や見下した目に対して
鮮やかに返り討ちするシーンが次々と出てくる。
ここはマリアンヌ・フェイスフルのセルフイメージが
役の中で生かされていて
ファンにはたまらないシーンだ」

----ふうん。それはオモシロそうだニャあ。
「ネタバレになるから
詳しいことは言えないけど、
ラストの愛の結実の瞬間も
辛いことに耐えて無私の愛で頑張った主人公へのご褒美という感じで
とても好感が持てた。
しかも愛を語るにはまったく似つかわしくないところでのキス。
これは記憶に残る名シーンだね」


         (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「セックスショップって恥ずかしそうだニャあ」もう寝る

※拍手を送りたくなるラストだ度

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猫ニュー

『俺たちフィギュアスケーター』

2007-11-01 00:34:49 | 新作映画
(原題:Blades of Glory)

----これって男の人のフィギュアスケートの話だよね、
そんなに珍しくないのでは?
「一見、そう思うよね。
しかし、ここでは男同士でペアを組んでいるというところがミソ」

----なぜ、そんなことになったの?
「これが実にバカバカしい。
フィギュア男子シングル部門でトップを競い合っている
チャズ(ウィル・フェレル)とジミー(ジョン・ヘダー)。
ある試合で同スコアだった二人は表彰台で殴り合いの喧嘩に。
後日、彼らは金メダルを剥奪されたばかりか、
シングル部門から永久追放に。
ところがこれが<シングル部門>ということに気づいたジミーのファンにより、
彼らは男子ペアを組んで復活。
まあ、いわゆる『空白の一日』みたいなもんだね」

----ニャに、その『空白の一日』って…。
「さすがにフォーンも知らないか。
これは江川、巨人入団の裏側。
当時大問題になったんだけどね。
まあ、それはともかく、
ここから映画が未だかつて描かなかった
いや描くことなどだれも考えもしなかった
禁断の世界が次々とスクリーンをにぎわすことになる」

----それって、どういうのニャの?
「お互いの股間が顔にきたり、
股間をつかんで持ち上げたり…。
もう、これぞキワモノって感じだね。
この映画、まずそのキャラ設定からして笑える。
ウィル・フェレル演じるチャズはマッチョ。
しかもセックス依存症の目立ちたがりで
ロックショーのようなスケーティング。
ジョン・ヘダー演じるジミーの方は、
孤児上がりで英才教育を受けて育った神童。
ピーコック衣装でオカマっぽい、
彼らのライバルというのが近親相姦的な双子の兄妹。
こいつらがまたとんでもない連中で
あの手この手で二人を潰しにくる」

----ふうん。でも、普通のスケートでも難しいのに、
彼らほんとうにフィギュアしてんの?
「うん。ステップもジャンプもきれいに決めてみせる。
まあ、CGやボディダブルが多用されているんだろうけど、
それにしても相当にトレーニングを積んだみたいだよ。
競技シーンはもちろんのこと、
それを応用した路上でのスケートシューズ・チェイスも秀逸。
そのスピードの上がらなさが
かえって観る者をじりじりさせてくれる(笑)」

----そんな映画、スケート界から総スカン食らったのでは?
「いやいや。
有名なプロスケーターが大挙して出演。
チャズに口説かれる者もいれば、
チャズの脱いだパンツでうっとりする者も。
みんなシャレが分かるんだよね。
この映画、最後は宇宙規模にまでその世界が飛んでいく。
どうせおバカムービーなら、ここまでホラを吹いてほしいものだね。
そうそう弟のルーク・ウィルソンも出ているのでお楽しみにね」


(byえいwithフォーン)

フォーンの一言「たまにはおバカ映画もいいニャあ」もう寝る

※最後は口ぽかんだ度
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猫ニュー

画像はアメリカ・オフィシャル(ダウンロードサイト)ウォールペーパーより。