ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『アメリカン・ギャングスター』

2007-11-25 17:31:20 | 新作映画
(原題:American Gangster)

----この映画評判いいよね。
リドリー・スコットとしては『ブレードランナー』以来の傑作と
評している人もいるんでしょ?
「そう。そこがスゴいよね。
比較がオスカー受賞の『グラディエーター』ではなく、
あの『ブレードランナー』」

----実際に観てみてどうだった?
この映画も160分近くあるんだけど、
よくできた映画というのは、
“時間の長さ”をまったく感じさせない。
ここでは1970年代初期のニューヨークを舞台に、
デンゼル・ワシントン扮するフランク・ルーカスと
ラッセル・クロウ扮するリッチー・ロバーツの
ふたりの生きざまがクライマックスの“対面”に向けて
それぞれにじっくりと描かれる」

----対決じゃなくて対面?
よく分からないニャあ。
ふたりはそれまで出会わないの?
「正面きってはね。
フランクは15年間、ハーレムでボスに仕えてきた運転手。
ボス亡き後は、ベトナムの軍用機を利用して
東南アジアの麻薬を密輸することを思いつく。
安くて良質な麻薬を生産者から大量に仕入れる彼は
マフィアからも一目置かれる麻薬王の座に登り詰めるものの、
当然のように彼をやっかむさまざまな敵が現れる。
一方のリッチーは
汚職に手を染めることを拒んだことから
周囲から浮いてしまう一匹狼の刑事。
四面楚歌の中、彼は特別麻薬取締局で
ヘロインの供給ルートを粘り強く調査する…」

----えっ?
その頃の警官って汚職があたり前だったってこと?
「そういうことだね。
刑事側と犯罪者側を交互に描くというのだったら、
これまでにもないわけではないけど、
この映画はそこに“第3の存在”を噛ませるんだ。
それがジョシュ・ブローリン演じる汚職刑事のトルーポ。
彼はフランクを強請る一方、リッチーをも牽制する。
ここでこの映画の奥行きがグンと広くなったね」

----ジョシュ・ブローリンか、
またまた渋い配役だね。
「他にも、フランクをライバル視するハーレムのギャング、
ニッキーにキューバ・グッディングJr.。
マフィアのドンにはアーマンド・アサンテ。
こちらも懐かしい名前だね。
実話が基になっているだけにストーリー云々には
あまり言及しないことにして、
見どころは、まず映画史に残りそうな名セリフの数々」

----たとえば?
「『列に並べ、俺を殺したいヤツは大勢いる』。
さあ、これをいったい誰が喋るのか?
『成功して敵を作るか、失敗して友を作るか』もカッコいい」

----そういえばリドリー・スコットの刑事映画って、
『ブラック・レイン』もあったよね。
「うん。あの頃から彼は
追う者、追われる者の描き分けが巧いよね。
最初に話した、ふたりの“初対面”。
もう、ここはゾクゾクくる。
そうそう、最後になったけど時代描写も抜群。
ラッセル・クロウが着ている服なんてほんとうに懐かしかったな」


(byえいwithフォーン)

フォーンの一言「正義に生きる男はカッコいいニャあ」ぱっちり


※リドリー・スコット、熟練のワザだ度
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