ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『リサイクルー死界ー』

2007-05-31 23:54:39 | 新作映画
※カンの鋭い人は注意。※映画の核に触れる部分もあります。
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。


(原題:Re-cycle)

----この監督、確か双子だよね。
サム・ライミに気に入られて
ハリウッドでも作ったとか…。
まるで清水崇みたいだ。
「うん。『ゴースト・ハウス』ね。
でも、こちらの方が圧倒的にオモシロいと言う人がいて、
観る前から、ちょっと期待していたんだ」

----タイトルからすると、
霊界ものみたいだけど?
「そうだね。
実はぼくはこの監督パン・ブラザースの作品って
いつも欠伸が出るほど退屈で、正直言って苦手。
この『リサイクルー死界ー』も初めのうちはやはり凡庸。
『やはりホラーは日本に限る』なんて
斜に構えて観ていたんだけど、
まさか最後に泣かされるとは思わなかった」

----えっ?泣けたの?
「(汗)恥ずかしながら……。
そこの説明の前に
まずは簡単にストーリーを喋っちゃおう。
主人公は人気女流作家のティンイン(アンジェリカ・リー)。
霊体験をテーマにした新作『鬼域』を書く彼女の前に、
自分の書いていることと同じ奇怪な現象が起こり始める。
ある夜、エレベーターに乗った彼女は、
死人のような顔をした老婆と少女に出会う。
しかもふたりはあるはずのない地下へと沈んでいくんだ。
恐怖のあまり、駆け出した彼女は、
そこから悪夢のような死の世界に入り込んでしまう」

----へぇ~っ。
と言うことはその死の世界が見どころなワケだニャ。
「うん。なんとこの死の世界の彷徨が
延々と1時間以上も続く。
果たしてこれで最後までもつのかなと思ったけど、
まあ、よく頑張ったと言うしかないだろうね。
至るところに貞子やゾンビがいる---
と言うと、バカにしてるように見えるかもしれないけど、
本作独自の悪夢ビジュアルが次々と出てくるんだ。
香港映画にもそういう肩書きがあるのかどうか、
これはハリウッドで言うところの
プロダクション・デザイナー的立場の人の力に負うところが大きいだろうな」

----たとえばどういうところ?
「赤錆色した観覧車、棄てられたブリキ人形、空から墜落する亡者の群れ、
そして口にするのもおぞましい、さまざまな水子たち。
日本の<地獄>のイメージとはかなり違う」

----う~む。確かにスゴそうだ。
でもそれで泣けるって分からないニャあ。?
「実はこの世界は、ティンインが忘れたり棄てたりした世界から成り立っている。
そんな彼女を元の世界に戻すべく
あるひとりの少女が手助けをするわけだ」

----ははあ~っ。分かってきた。
そこに泣かせる<秘密>が隠されているワケだニャ。
つまりこの映画は、そんなに怖くはないけど、
よくできたお話ってワケだ。
でもそれじゃホラーとしてはもの足りなくない?
「そうだね。
作る方としては
さすがにそれだけじゃまずいと思ったんだろうね。
最後の最後で、もうひとヒネリがしてある。
そこも少しドキッかな。
ただ、この監督『レイン』の頃からそうだけど、
音が少しうるさすぎる。
こういう霊界モノはそれこそ
無音の方が怖さが増すと思うんだけど……。
無音バージョンでもう一回作ってくれないかな」

----それは無理でしょう(笑)。

    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「だから怖いの、苦手ニャ」悲しい

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