-----この映画もオムニバスなんだって?
でも監督や主演の顔ぶれがすごそうだね。
「うん。これもいわゆる『Jam Films』の流れの中のひとつ。
今回は第一線で活躍する女性作家5人が"女性"をテーマに書き下ろした作品を、
気鋭の監督たちが5本の映画に仕上げたということらしい。
しかもエロスがそのテーマの一つに....。
これは観ないわけにはいかないでしょ(笑)」
-----それはそうだ(笑)。これって「小説新潮」の
エロス特集に載ったんだって? 読んだ?
「いや読んでないよ。でもここで喋ってるのは映画だから(と開き直り)。
簡単に内訳を紹介すると
『桃』原作:姫野カオルコ 監督:篠原哲雄 出演:長谷川京子、野村恵理、池内博之 ほか
東京でOLをやっている淳子が恩師の葬儀に出席するため故郷に帰る。
彼女は中学校の時、独身教師と『いやらしいこと』に耽っていた。
『太陽の見える場所まで』原作:室井佑月 監督:廣木隆一 出演:大塚ちひろ、石井苗子、片桐はいり
深夜、ホステスのマチコが女性ドライバーのタクシーに乗り込むと、
そこには先客の若い強盗がいた。
『夜の舌先』原作:唯川 恵 監督・脚本:松尾スズキ 出演:高岡早紀、近藤公園 ほか
工場で働く正子は変態チックな課長とデートする代わりに有給休暇をゲット。
旅先の南国で手に入れた不思議な香炉を使い、彼女は年下の男の子とのHな夢(淫夢)を見る。
『女神のかかと』原作:乃南アサ 監督・脚本:西川美和 出演:大塚寧々、森田直幸 ほか
小学生の真吾は同級生の奈月の母親に胸ときめかせる。
母親もそれに気づき、半ば誘惑を仕掛けるような言葉を口にする。
『玉虫』原作:小池真理子 監督・脚本:塚本晋也 出演:石田えり、加藤 亮、小林 薫 ほか
じじいと呼ぶ男に一軒家で囲われている女。
下界との接触を許さぬじじいだが、ある夜、ひとりの若い男を連れてくる」
-----どれが気に入ったのかにゃ?
「どれもけっこう楽しめたよ。
それぞれ、簡単に見どころを喋っちゃおう。
『桃』
淳子を演じている長谷川京子のエロチックな桃のしゃぶり方。
子どもの頃、白いスニーカーをあえて泥で汚したように、
彼女は自分のしていることに愛などという理屈を付けてはいない。
『いやらしいこと』『ただやりたかっただけ』と言う淳子。
(こういう言葉が彼女のような美形の女性の口からはかれるとそれだけで、
男としてはマイってしまう。)
それだからこそ、彼女はあえて腐りかけた桃を選ぶ。
彼女の若い時代を演じた野村恵理のセックスも<青い>生々しさがあったね。
『太陽の見える場所まで』
これは廣木隆一 らしい映画だね。『ヴァイブレーター』と同じく、
車の中という密室で、コミカルにドラマが進んでいく。
3人の女性はそれぞれに悩み(とりわけ金銭的な)を抱えていて
口論がいつしか『私を殺して』の大合唱に変わっていく。
漫画チックな表現の中、車が空を飛び、
次の瞬間には浜辺で黛じゅんの『天使の誘惑』を
フリ付きで歌い踊っている。話の転がし方が実に楽しい。
『夜の舌先』
これは高岡早紀を観て楽しむ映画。
オールヌードで、よくぞここまでという痴態の限りを見せてくれる。
いわゆる性行為というのは第三者から見ると、
それは少なくとも視覚的には<笑える>=滑稽な行為だということを、
ここまで描いた映画も珍しい。
山本晋也監督の『未亡人下宿』を思い出したね。
高岡早紀にとっても『忠臣蔵外伝四谷怪談』以来の熱演だね。
『女神のかかと』
これは意外とありふれた話ではあるんだけどね。
でもそれにしても、この真吾役の少年・森田直幸の演技、特に目線が見事だった。
そしてその彼の目線を意識する母親との密度の濃い空気を捕らえた映像が秀逸。
『蛇イチゴ』でも、なぜこの若さでこのテーマを....と思ったけど、
やはりこの監督、西川美和は人間を見つめる姿勢が普段から違うんだろうな。
『玉虫』
これまた、塚本晋也の独壇場。現実にはなさそうで、
いやどこかでは実際に行われてるのかも知れないと思わせる巧みさ。
その寓話性は、じじいが銃で撃たれるシーンで沸点に達する。
その撃ち合いというのが、
なんと料亭のようなところで畳の上に座ったままえ行われるんだ。
若い男を演じる加藤亮が、つげ義春の主人公を彷彿とさせ、寡黙なのに、
いったん石田えりとコトに及ぶと、一転して野獣のようなセックスをする。
石田えりも『遠雷』以来の体当たり演技だったね」
(byえいwithフォーン)
※わっ、あんなことやってる度人気blogランキングもよろしく}
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でも監督や主演の顔ぶれがすごそうだね。
「うん。これもいわゆる『Jam Films』の流れの中のひとつ。
今回は第一線で活躍する女性作家5人が"女性"をテーマに書き下ろした作品を、
気鋭の監督たちが5本の映画に仕上げたということらしい。
しかもエロスがそのテーマの一つに....。
これは観ないわけにはいかないでしょ(笑)」
-----それはそうだ(笑)。これって「小説新潮」の
エロス特集に載ったんだって? 読んだ?
「いや読んでないよ。でもここで喋ってるのは映画だから(と開き直り)。
簡単に内訳を紹介すると
『桃』原作:姫野カオルコ 監督:篠原哲雄 出演:長谷川京子、野村恵理、池内博之 ほか
東京でOLをやっている淳子が恩師の葬儀に出席するため故郷に帰る。
彼女は中学校の時、独身教師と『いやらしいこと』に耽っていた。
『太陽の見える場所まで』原作:室井佑月 監督:廣木隆一 出演:大塚ちひろ、石井苗子、片桐はいり
深夜、ホステスのマチコが女性ドライバーのタクシーに乗り込むと、
そこには先客の若い強盗がいた。
『夜の舌先』原作:唯川 恵 監督・脚本:松尾スズキ 出演:高岡早紀、近藤公園 ほか
工場で働く正子は変態チックな課長とデートする代わりに有給休暇をゲット。
旅先の南国で手に入れた不思議な香炉を使い、彼女は年下の男の子とのHな夢(淫夢)を見る。
『女神のかかと』原作:乃南アサ 監督・脚本:西川美和 出演:大塚寧々、森田直幸 ほか
小学生の真吾は同級生の奈月の母親に胸ときめかせる。
母親もそれに気づき、半ば誘惑を仕掛けるような言葉を口にする。
『玉虫』原作:小池真理子 監督・脚本:塚本晋也 出演:石田えり、加藤 亮、小林 薫 ほか
じじいと呼ぶ男に一軒家で囲われている女。
下界との接触を許さぬじじいだが、ある夜、ひとりの若い男を連れてくる」
-----どれが気に入ったのかにゃ?
「どれもけっこう楽しめたよ。
それぞれ、簡単に見どころを喋っちゃおう。
『桃』
淳子を演じている長谷川京子のエロチックな桃のしゃぶり方。
子どもの頃、白いスニーカーをあえて泥で汚したように、
彼女は自分のしていることに愛などという理屈を付けてはいない。
『いやらしいこと』『ただやりたかっただけ』と言う淳子。
(こういう言葉が彼女のような美形の女性の口からはかれるとそれだけで、
男としてはマイってしまう。)
それだからこそ、彼女はあえて腐りかけた桃を選ぶ。
彼女の若い時代を演じた野村恵理のセックスも<青い>生々しさがあったね。
『太陽の見える場所まで』
これは廣木隆一 らしい映画だね。『ヴァイブレーター』と同じく、
車の中という密室で、コミカルにドラマが進んでいく。
3人の女性はそれぞれに悩み(とりわけ金銭的な)を抱えていて
口論がいつしか『私を殺して』の大合唱に変わっていく。
漫画チックな表現の中、車が空を飛び、
次の瞬間には浜辺で黛じゅんの『天使の誘惑』を
フリ付きで歌い踊っている。話の転がし方が実に楽しい。
『夜の舌先』
これは高岡早紀を観て楽しむ映画。
オールヌードで、よくぞここまでという痴態の限りを見せてくれる。
いわゆる性行為というのは第三者から見ると、
それは少なくとも視覚的には<笑える>=滑稽な行為だということを、
ここまで描いた映画も珍しい。
山本晋也監督の『未亡人下宿』を思い出したね。
高岡早紀にとっても『忠臣蔵外伝四谷怪談』以来の熱演だね。
『女神のかかと』
これは意外とありふれた話ではあるんだけどね。
でもそれにしても、この真吾役の少年・森田直幸の演技、特に目線が見事だった。
そしてその彼の目線を意識する母親との密度の濃い空気を捕らえた映像が秀逸。
『蛇イチゴ』でも、なぜこの若さでこのテーマを....と思ったけど、
やはりこの監督、西川美和は人間を見つめる姿勢が普段から違うんだろうな。
『玉虫』
これまた、塚本晋也の独壇場。現実にはなさそうで、
いやどこかでは実際に行われてるのかも知れないと思わせる巧みさ。
その寓話性は、じじいが銃で撃たれるシーンで沸点に達する。
その撃ち合いというのが、
なんと料亭のようなところで畳の上に座ったままえ行われるんだ。
若い男を演じる加藤亮が、つげ義春の主人公を彷彿とさせ、寡黙なのに、
いったん石田えりとコトに及ぶと、一転して野獣のようなセックスをする。
石田えりも『遠雷』以来の体当たり演技だったね」
(byえいwithフォーン)
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