ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『涙そうそう』

2006-09-13 00:01:02 | 新作映画
----この「涙」って、「なみだ」じゃなくて
「なだ」って読むんだよね。知らなかったらあきれられちゃった。
「ぼくも(笑)。
これって、沖縄のBEGINが作曲したメロディに
森山良子が詞を乗せ、夏川りみがカバーした
いわゆる歌なんだって。
その詞は森山良子が亡き実の兄を思って書いたとか。
だからと言って実話と言うわけではなく、
映画では、血の繋がらない兄・洋太郎(妻夫木聡)と妹・カオル(長澤まさみ)が、
ふたりだけで励ましあって生きていくさまが描かれる」

----ありゃりゃ、それはビミョーだね。
年ごろになってくるとヤバいんじゃニャいの?
「そうだよね。
兄はその事実を知っていながら、
妹にひた隠しにしている。
気まずくなるのを避けるためだね。
一方の妹は、そんな兄の心を知ってか知らずか、
『兄ィニィ』と危険なくらいに甘える。
さて、物語は
節約生活を続け、ようやく念願の店を出した洋太郎が
だまされて全てを失うエピソードを起点に、
大きな展開を見せていく。
医者志望の恋人(麻生久美子)との破綻、
兄を経済的に助けようと
受験時期にも関わらずバイトを始めるカオル…。
かくして、いったん狂ってしまった歯車はなかなか元には戻らず、
すべてが悲劇へ悲劇へと転がってゆく」

----ニャるほど。タイトルに<涙>がくるはずだ。
ところで『涙そうそう』ってどういう意味?
「『涙がとめどなく流れる、ボロボロ止まらない』という意味。
それには『泣きたいときは、我慢しないで、
思いっきり泣いたらいい』の意味を込めているらしい。
『泣くだけ泣いたら、もう一度明日に向かって歩き出そう…』ということのようだ」

----ふうん。よく妻夫木が鼻をつまんでいる写真見かけるけど
あれはニャんなの?
「洋太郎の母親(小泉今日子)が教える涙を止める方法。
彼は、それによって<涙>を克服してきた。
それはカオルにも受け継がれる。
監督が「いま、会いにゆきます」の土井裕康。
あの映画でも樹木にしたたる雨粒など、
情景描写に光るところを見せてくれたけど、
今回も沖縄の映像はよく捉えられていた」

----どういうところが?
「意外と、沖縄で撮影した映画には曇り空の画が多く、
海の発色などがよくない。
思うに、これは長期ロケができないなどの
予算的なものからくるんじゃないかと思うんだ。
ところが、この映画は贅沢なほどに
空も海も美しい。
また、セットも凝っていて
洋太郎とカオルが住むアパートは、
那覇市にあるクライミングジムの建物の屋上に外観用、
そして内部用には同市のITスタジオ内にほぼ同じ大きさのセットを設営。
しかもそのセットにはジムのセットにある庭まで再現されているんだ。
こんな贅沢が許されるのも
『いま会い』のヒットのおかげかな?」

----やはり映画はヒットしなくちゃニャのかね。
「う~ん。観てくれる人がいなかったら、
それは個人フィルムになっちゃうからね」


   (byえいwithフォーン)

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