ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『ありがとう』

2006-09-12 00:11:18 | 新作映画
----この映画、阪神淡路大震災が背景になっているんだよね。
監督が万田邦敏って、あまりイメージじゃないね。
「うん。
なんと言っても問題作『unloved』の監督だからね。
あの映画では、ヒロインが自分の生活に満足し、
裕福で社会的に成功した男からの仕事の話や愛を拒む。
で、結果的に彼女は、
貧乏で社会の落ちこぼれであるもうひとりの男を選ぶわけだ。
その強烈な生き方もさることながら、
自分の主張を通すために
いまどき珍しいほどの大議論が声高に行なわれる。
ところがこの『ありがとう』では、
そんな<世界の中でただ一人の自分><それに見合った生活>
という考え方とは対極の、
<自分が生かされていることへの感謝の気持ち>
<心のあり方次第でだれにも気勢期は起こる>ことが描かれる。
途中、逆境にめげそうになった妻(田中好子)が
楽観的な夫(赤井英和)に食ってかかるところの不思議なリアル感は
『unloved』を思い起こさせたけどね」

----そういえば、これって実話に基づいているんだって?
「原作が『還暦ルーキー』と言って、
今もシニアツアーで活躍しているプロゴルファー古市忠雄氏が主人公。
震災で家も財産も失った古市氏は町の復興に奔走。
その一方で自らプロゴルファーを志し、
還暦を目前にしてプロテストに合格するんだ」

----大震災を背景にしているということは
それも描かれるの?
「これが実に怖い。
地震そのものよりも
その後の地獄絵図がたまらない。
目前に迫る火の手。
家の中には身動きとれなくなった妻。
彼女を助けようとして半狂乱の夫。
子供の頃、映画館で観た時代劇にあった江戸の火事の記憶が甦ったね。
さらに、焼け跡となった神戸を歩くシーンもスゴい。
てっきりCGと思っていたら、
なんと御殿場にオープンセットを組み、
クレーンで潰したらしい。
タッチの違いはあれど
その荒廃とした風景がニュースフィルムと
さほど違和感なく繋がれている。
特撮監督に、かつてプロデューサーとしてならした仙頭武則。
撮影を渡部眞が担当しているのも嬉しかったね」

----そういえば、キャスティングもスゴいよね。
それも仙頭武則ならではの人脈かな?
「それもあるだろうけど、
賛同出演も多い。
個人的には薬師丸ひろ子、尾美としのり、
そして薬師丸ひろ子が久しぶりにそろい踏みしたのが嬉しい」

----?????
「これに石原真理絵(真理子)が加われば?」
----あっ、『翔んだカップル』だ。
しかし、話がどんどんずれていったね。
「ごめんなさい」


                     (byえいwithフォーン)


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