ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『(500)日のサマー』

2009-11-27 22:08:33 | 新作映画
(原題:(500)Days of Summer)



----変わったタイトルの映画だニャあ。
500に、()まで付いている。
「そうだね。
これはサマー(ズ―イー・デシャネル)という名前のキュートな女の子に
一目ぼれしてしまったトム(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)という男の子の目を通して、
ふたりの出会いから別れ、
その500日間を描いたロマンチック・ラブコメディ。
回想形式で、時制を行ったり来たり。
現在ではないという意味もあって()付きになっているのかも…」

----流行りのラブコメか…。
ということは、監督は女性ニャの?
「ぼくも観終わった後、
知り合いのイラストレーターの人に対して
思わず、その愚問を投げかけてしまったけど、
答は言わずもがな。
マーク・ウェッブ)という名の男性。
しかも脚本も(スコット・ノイスタッター&マイケル・H・ウェッバー)。
ふたりの男性の手によるものなんだ」

----愚問はひどいニャあ。
フォーンは観ていないんだから…。
でも、ニャんで愚問になるの?
「ごめんごめん。
観てみると、分かるけど、
これは男にしか作れない映画なんだ。
最初から最後まで男目線で描いているという
その“形式”ばかりでなく、
そこに描かれる“理想化された女性像”が、
なによりもそのことを雄弁に表している。
おそらく同性から見たら、
このサマーというのは問題をいっぱい抱えた女性。
でも、それが男にとっては
“ミステリアスなる女性”というものに姿を変えてしまう」

----ははあ~ん。
だけど、それって
サマーが美人だからだよね。
そうじゃなかったら、
彼女は単なる変人で終わっちゃう。
「おっ。鋭いね。
さて、それはさておき、
古今東西の映画のエッセンスが“遊び”として
いっぱいに詰まっているのもこの映画の魅力。
脚本家の一人、スコット・ノイスタッターは
『卒業』をこよなく愛しているらしい。
この映画は、その『卒業』を軸に、
さまざまな映像が出てくる。
トムの妄想が、ときにフェリーニ、
ときにベルイマンを思わせる映像で描かれたり、
『メリー・ポピンズ』よろしく、
2Dアニメの青い鳥が
街角で繰り広げられるミュージカル・シーンに入り込んだり、
あるいはマークの“期待”と“現実”を分割画面で同時に見せたりと、
楽しい趣向がいっぱい。
映画好きの監督、脚本家たちが
かつての名画を引き合いに出しながら、
ここはこうしよう、あそこはこうしようと
話し合っている姿が想像できて、
それだけで楽しかったよ」

----う~ん。そういうこと言っているうちは、
女性の現実にはまともに立ち向かえそうにないニャあ。

         (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「男は永遠の子どもなのニャ」複雑だニャ

※11月に観た試写のベスト2だ度


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