ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『BANDAGE バンデイジ』

2009-11-29 22:51:20 | 新作映画
----1990年代のバンドブームのころを描いた作品か…。
東宝映画に、昔もそういうのなかった?
確か本木雅弘、吉岡秀隆が出ていたような…。
「それは『ラストソング』のことだね。
あの映画が作られたのは1994年。
これは同じころを背景にしていながら、
そのテイストがあまりにも違う。
いま思うに『ラストソング』に描かれた青春像は
70年代のそれに近かったのかも…」

----どういうこと?
「この映画の監督は、音楽プロデューサーとして一時代を築いた小林武史
ある一つの<曲>が<音楽>として完成されていく過程を
キーボードのアルミ(柴本幸)の編曲を通して見せてくれる。
その一方で、天才的音楽センスを持つギタリスト、ユキヤ(高良健吾)というのも登場。
孤独をその体中ににじませ、一種近寄りがたい孤高の人。
でも、それがまた、結果的に女をモノにしてしまう(は言いすぎか…)。
もしかしたら、それさえも彼の戦略なのか、
そこは難しいところだけどね」

----あれれ。主人公は赤西仁北乃きいのカップルじゃなかったの?
「あっ。それはそれで間違いないよ。
物語は単純。
北乃きい扮するアサコは、
インディーズから人気が出たLANDSのファンとなり、
友だちと彼らのライブへ。
そこでバックステージに入り込み、
ボーカルのナツ(赤西仁)の目に留まる。
人気急上昇中のナツは、女に対しても自信満々。
どこまでが真面目なのか分からない態度でナツに言い寄り、
彼女を自分の部屋に誘い込む。
そんな彼らに厳しい目を向けるのがマネージャーのユカリ(伊藤歩)。
元ドラムス上がりの彼女は、アサコに熱をあげ、
練習もそこそこのナツに才能の限界を感じ取り、
グループの新しい軸にユキヤを据えようとするが…」

----う~ん。それってよくある話のような気もするけど…。
「確かにね。
ただ、この映画の巧さは、
さっきも話したように、
音楽業界の中心にいた人でしか出せないような
奇妙なリアリティを含んでいるところ。
そこが、
『ラストソング』のような感動友情を軸に置いた青春映画とは決定的に違う。
いわゆるメンバーそれぞれの野心や欲望、
あるいは音楽に対する姿勢の真摯さと私生活の距離など、
ダーティな部分も含めてすべて日の下にさらけ出しているんだ。
なんて、もちろん、ぼくがこに業界のことを知っているわけではないから、
それを断定できるわけじゃないけど、
少なくとも外部の人間が描き続けてきたミュージシャン像とはかなり違う。
つまり、従来の枠組みの普遍的青春映画ではなく
90年代以降の音楽人映画とでもいったものを描こうとしている。

そんな感じがしたわけだ。
おそらく、それぞれのメンバーにはモデルがいるんじゃないかな」

----ニャるほどね。
でも、LANDSだっけ。
それ長続きしない気がするニャあ。
ジョン・レノンとオノヨーコの例もあるし…。
「さあ、果たしてどうかな。
このエンディング、
ぼくが思っていたのとはかなり違ったのは確かだけどね」


         (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「フォーンには、いまの音楽はよく分からないのニャ」複雑だニャ

※そんな中、音楽事務所の社長役、財津和夫が懐かしかった度


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