ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『パコと魔法の絵本』

2008-07-12 12:35:58 | 新作映画
----これって『嫌われ松子の一生』の中島哲也監督の新作だよね。
観る前はあまり期待していなかったようだけど…。
「いやいや。
やはり映画は観てみるもの。
これがもう大感動のクライマックス」

----それって泣かせる映画ってこと?
ビジュアルからは想像つかニャイけど…。
「だよね。
あまりにもポップな原色の色遣い。
そんな、ありえない空間の中で
物語が進んでゆく。
しかも原作が舞台ということもあって、
最初はお芝居を観ているみたい。
正直、これはダメだと思っていたんだけど、
途中からぐいぐい引きずり込んでゆく」

----まず、そのお話というのを教えてよ。
「うん。
主人公は、一代で会社を築き
わがまま放題に生きてきた大貫(役所広司)。
そして交通事故の後遺症で
一日しか記憶が持たない少女パコ(アヤカ・ウィルソン)。
「お前が私を知ってるってだけで腹が立つ。
きやすく私の名を呼ぶな。
お前の頭の中になんかいたくないんだ』が口癖のこの大貫。
パコの病気のことを知らずに、
ところがある日、自分の純金のライターを
パコに盗まれたと勘違い。
彼女の頬を殴ったことから、話は急展開。
翌日、全てを忘れたパコの頬を大貫がなでると、
「大貫…昨日もパコのほっぺに触ったよね」。
昨日のことなど覚えていないはずのパコがなぜ?
しかもよりにもよって大貫のことを?
それから来る日も来る日も
『ガマ王子』の絵本をパコと一緒に読む大貫」

----ちょっと待って。
その絵本というのは?
「うん。これはね。
パコのママが誕生日プレゼントとしてあげた絵本。
目が覚めると彼女の枕元にそれがあって、
毎朝毎朝、その日が自分の誕生日だと思って
パコはそれを読んでいるんだ」

----わっ。泣ける。
「でしょう。
というわけで、それまでだれの心にも痛くなかった大貫の心の変化が…。
『私はただ、この子の心にいたいんだよ』。
かくしてサマークリスマスの演劇の出し物として
『ガマ王子対ザリガニ魔人』が上演されることになるが…」

----ふうん。キャストも豪華そうだね。
「うん。そうだね個性派ぞろい。
しかも妻夫木聡とか小池栄子とかは、
本人とは気づかれてはたまるかというほどのスゴい変身ぶり。
ぼくなんか、最初、医者を演じているのを竹中直人と思ったほど」

----実際はだれニャの?
「上川隆也」
----ぷっ。その勘違い、ありえニャイ(笑)。
「うん。
だけど、それだけ変身するということは、
これまでにない弾け方ができるってことでもあるんだ。
で、この映画、サイドストーリーがまたいいんだ…。
子役から大人の俳優に脱皮できない室町(妻夫木)と
看護婦タマ子(土屋アンナ)。
子供から結婚の知らせが届くオカマの木之元(國村隼)。
そして銃が暴発して入院したヤクザ龍門寺(山内圭哉)など、
その人生が実に泣かせる。
あっ、あと加瀬亮、劇団ひとりも出演。
まあ、なかでも一番弾けていたのは阿部サダヲだけどね。
と、キャストばかり喋っちゃったけど、
クライマックスで展開するお芝居では
彼らが扮する役が3DフルCGに。
実写との合成も見事で、
これは、決してピクサーに見劣りはしないと思うよ」




           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「ふうん。風変わりな映画だニャあ」小首ニャ

※いっぱい泣けば涙は止まる度

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